月報「コイノニア」
2009年2月号 No.306


《聖書を飛び出したイエス様・その三》
     奇跡の向こう

TVドラマ「キイナ〜不可能犯罪捜査官〜」から

司祭 ミカエル 藤原健久

 さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。…イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。…イエスは自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。…女は…震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。…」 (マルコ5・25-34)

 普通の「刑事もの」とはひと味違うドラマです。主人公の女性は、凶悪犯罪を担当する部署に属し、誰にもまねのできない特殊な能力で事件を解決してゆきます。荒くれ男刑事達に囲まれた彼女の出で立ちは、…なんとも不思議なものです。おしゃれな可愛い服を着て、大好きな甘いお菓子をいつも持ち歩き、とぼけた調子で話をします。まったく刑事に似つかわしくありません。この不思議さは、彼女が普通の恰好をしているからです。「刑事だから」と気負うことなく、その年代の女性達が身に纏うファッションをし、自分の感性に正直に行動してゆきます。その正直さに、周りがいらだっても、彼女は全く意に介しません。外見は刑事らしくありませんが、心の中には堅い使命感があります。「わたしがこの人を救わなければならない。わたしの他に誰が救う」という思いをいつも心に秘めながら、被害者に接し、事件に取り組みます。彼女は他の刑事達が気に掛けないような事件も、決して見逃しません。彼女が担当する事件は、心霊現象や超常現象など、「あり得ない」と一般に思われるようなものばかりです。けれども彼女は、持ち前の特殊な能力を使い、解決への糸口を見つけだしてゆくのです。
 その特殊な能力とは、情報を瞬時にして処理し、正確に記憶する、というものです。毎回ドラマの後半部分で、彼女が図書館で、膨大な資料を自分の周りに積み上げ、しばらく精神統一した後、「よし」とのかけ声と共に、すさまじい速さで資料に目を通してゆく場面があります。正にそれは「神業」です。一晩で何十冊もの資料を調べた後、「見つけた」という穏やかな声と共に、一般の「常識」が見落としていた事実を見つけだすのです。
 わたしが興味深く思うのは、そのような「神業」が、事件解決への、糸口にはなるけれども、解決そのものではない、ということです。「神業」をもってしても、必ず足りないものがあるのです。本当の解決に向かうには、どうしても必要なものがあります。それが、彼女の原点となる「使命感」なのです。神業のような卓越した能力に頼り切ることなく、「この人を救わなければならない」という熱い思いを貫いたときに、ようやく事件は解決するのです。
 イエス様は、この地上で様々な「奇跡」を行われました。人々は「奇跡」に驚き、イエス様を讃えました。けれどもイエス様は、「奇跡」で人を救ったのではないのです。「何とかしてこの人を救いたい」という熱い思い、つまりは「愛」で救ったのです。イエス様の救いは、「愛」に貫かれているのです。けれども人々は、「奇跡」にばかり目を取られました。翻って私たちはどうでしょうか。「奇跡」の向こうにあるイエス様の「愛」に、しっかりと心を向けているでしょうか。



2009年度
受聖餐者総会開催

 2月15日(日)、礼拝堂において受聖餐者総会が開催されました。午後1時35分、出席者66名、委任状56通、現在受聖餐者148名の過半数の出席を確認して、議長 藤原健久司祭が総会の開催を告げられました。聖歌478番を歌い、お祈りと藤原司祭の挨拶をもって始まりました。一週間前に配布された総会要項冊子『教会のあゆみ』に沿って進められました。2008年度の主な行事が確認され、2009年度の主な行事については藤原司祭の口頭で告げられ確認されました。【教籍異動】の報告、【各部活動報告】の補足の後、挙手をもってそれぞれ承認されました。
【2008年度教会会計報告】についての補足説明、意見が出された後、挙手をもって承認。【2009年度教会会計予算案】についても補足説明の後、挙手をもって承認されました。今回の総会では、昨年度の総会で教会委員会に一任されていた『教会委員の選挙』について、2010年度以降は、今年度と同じ内容を周知徹底させる事として、議題に取り上げられ、挙手をもって承認されました。また、オルガンの事を始め、いくつかの質問が出されましたが、該当する委員が返答しました。主の祈り・祝祷をもって閉会しました。


要項の訂正点および特記すべき事項は次の通りです。
▽要項6頁→『営繕』より 若王子墓地、掃除当番、光熱費の節約等について詳細な説明あり。▽要項11頁→『婦人会』より ミニバザー収益は外の働きに、うどん会計は内の働きに使う事を決定。慶弔費は婦人会会員に限るとする。既婚者は自動的に婦人会へ加入。(辞退者は会長へ)▽要項15頁→『幼稚園担当』より 創立百周年について、実行委員会の立ち上げ、趣意書の発送、事業計画、夏季保育等の補足説明有り。▽要項22頁→『ボーイスカウト』より 国際障害スカウトキャンプ大会に4名が参加。富士スカウト章を2名が受章:平成20年度青少年健全育成功労者内閣府担当大臣賞を受賞した。▽『礼拝音楽委員会』より オルガニストの人員入れ替わりがある。▽要項26頁→リース料が高いのは、幼稚園と協同使用している複合機の解約解除金を支払ったため。しかし、雑収入の返金で入金されているので相殺されている。▽要項33頁→収入の実態(150名)に併せて予算を組んだ。支出は概ね現状維持。幼稚園の百周年事業の為に、「幼稚園は教会の宝」として大切なので百万円を計上した。この件について藤原司祭より補足説明があった。(寄付をしたい意思はあっても自己資金が充てられない場合にも教会から献金する事で、個人の気持を和らげる為。余裕のある人は個人的な支え共々お祈りを頂きたい。)
議案「今後の教会委員選挙について」
*前述のように、教会委員会に一任された内容を周知徹底する事により、2010年度(今年12月)の選挙からは、70歳以上の人は辞退出来るという事になる。
*2009年の宣教活動について藤原司祭より報告された:今迄を踏襲して行きたい。幼稚園の保護者を対象とした「聖書をサカナにいろいろ話す会」を二月二五日から開始。
主日の出席者増加を諮りたい。活動に対しての提案を要望する。
*その他
・針の穴計画のような話し合いを年四〜五回持つ。
・オルガン献金の組み入れ先について→特別会計(指定献金+経常会計余剰金)より
・オルガン献金の目標額について→教会委員会で検討を開始する。(話し合いの中のテーマともする)
・週報に有る「虹の会」とは
→外部団体(日本バプテスト病院ホスピスの遺族の会)第3土曜日 男性対象
・お掃除当番について→ボーイスカウトの方にも当番をお願いしたい(外回り等)
(書記/浦地愛・菅原さと子)


ボーイスカウトも総会開催

 2月21日(土)午後6時30分より佐野屋にてボーイスカウト京都第24団総会が行われました。
 議長の南育成会長の進行で、各隊の報告、新体制の紹介、会計報告、予算決議を行いました。
 総会後は恒例のすき焼き懇親会。おいしい食事と、楽しい会話に花を咲かせました。


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