月報「コイノニア」
2009年8月号 No.312


《聖書を飛び出したイエス様・その九》

おかえりなさい

「ひぐらしのなく頃に」竜騎士07作、から

司祭 ミカエル 藤原健久

心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。わたしの父の家には住む所がたくさんある。もしなければ、あなたがたのために場所を用意しに行くと言ったであろうか。行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。
              (ヨハネ14・1-3)

 残暑お見舞い申し上げます。納涼!、「怖〜い」作品です。
 原作のテレビゲームが評判になり、マンガ、アニメ、小説、実写映画にまでなった人気作品です。
 昭和50年代後半、雛見沢村という寒村で、連続怪死事件が発生、毎年「綿流し」というお祭りの夜に、一人は死に、一人は行方不明になる。村人によると、それらは「オヤシロさまの祟り」だという。引っ越してきたばかりの中学生の主人公と、そのクラスメートたちは、否応なく、流血の惨劇に巻き込まれてゆく。
 今から20数年前という懐古的な雰囲気と、推理小説を思わせるサスペンス、背後に不気味な幽霊が立っているかのようなオカルト、それらが混じり合ったストーリーを、アニメのように可愛くて目の大きい「萌え」な登場人物が演じるのですから、人気が出るのも分かります。登場人物のかわいさに親しみを覚えて読み進んでゆくと、徐々に緊張が高まり、そして突然登場人物の顔が恐ろしくゆがみ、惨劇へと突入してゆきます。私は最初、夜に読んでいて、毛が逆立つような恐怖感を覚えました。
 小学生や中学生に感想を聞いてみると、「面白い、少し切ない」など、人気の程を伺えます。人気の秘密は、この作品が登場人物を通して、思春期の繊細かつ大胆な心の動きを丁寧に捉えているからでしょう。けれども注意しなければならない点があります。それは、「これは物語なので、真実と作り物とが混ざっている」、ということです。人の心の動きを表現する「真実」を、驚くような展開という「嘘」が包んで、物語を作りだしている、と言えるでしょう。仲間の存在に支えられ、助け合うのは「真実」、時には仲間を裏切ったり、仲間に嫉妬を抱いて苦しむのは「真実」、理不尽な大人の対応に腹を立てたり、傷ついた心を抱えて必死に生きるのは「真実」。けれども、仲間を助けるために、邪魔者を殺してしまうのは「嘘」、自分の意見を押しつけるのに仲間を監禁するのは「嘘」、互いに理解し合うために、凶器を振り回して闘うのは「嘘」。わたしたちは心に悩みを抱き、周囲に様々な課題を抱えて生きています。けれどもそれらは、日々の生活の懸命な歩みの中で少しずつ乗り越えてゆくものであり、暴力や「祟り」によって即座に解決できるものでは、決してないのです。
 これは優秀な作品ですので、誰でも楽しめます。(私はすぐにハマリました。)時にはすっかりのめり込んで楽しむのも良いでしょう。けれども大切なのは、楽しんだ後には、しっかりと現実世界に帰ってくることです。物語の世界に「行きっぱなし」になってしまわずに、日常の世界に「ただいま」と、帰って来なければなりません。
 イエス様は神様の力で様々な奇跡を起こされました。けれども決してオカルトの世界に生きておられたのではありません。イエス様は、現実社会でしっかりと生きられました。正に、地に足をつけて、生きられました。そのようなイエス様が、わたしたちの寄って立つ所です。どこに行っていても「ただいま」と帰って来ることのできる家、それがイエス様なのです。


マリアの夏〜2008キャンプ・行事報告特集

日曜学校キャンプ

○7月19日(日)20日(月・祝)、復活学園北小松キャンプ場にて。

 怪しいお天気とにらめっこしつつ、キャンプファイヤーを屋内でするなどしましたが、でも何とか全てのプログラムをする事が出来ました。小学生24名、小さいお友だち二名、中高生6名、大人32名が一泊二日を過ごしました。いろいろな形でのお手伝い、ご協力、またお祈りを有り難うございました。
(マーガレット 浦地愛)


24団ビーバー隊夏季キャンプ
       「キャンプだよ全員集合」

○7月18日(土)〜19日(日) あやべ山の家にて。

初日の午後は川遊び、夜は星座観察、翌日はゲーム大会と短いひと時ではありましたが、子供たちは里山の夏を精一杯楽しみました。
      (隊長 中川武志)


24団ボーイ隊夏季隊キャンプ
  「田舎に泊まろう」

○7月18日(土)〜20日(月祝)、芦生キャンプサイトにて。

 竹を切り出し水鉄砲を作り川でのプログラムで使いました。サイトの工作にも力を入れました。激しい雷雨に見舞われ不安な気分になるスカウトもいましたが今後の糧になると思います。くまスカウトも見学に来てくれ活動に参加してくれました。魅力的であったかはわかりませんがみんなの上進を待っています。


京都教区小学生キャンプ

○8月3日(月)〜5日(水) 復活学園北小松キャンプ場にて。

 日本聖公会京都教区主催の小学生キャンプには当教会から吉川愛永(小6)、松本優平、山口順帆、吉村真綾(小4)の4名が参加しました。製作ではランプシェード作り。また一メートル八〇センチもある韓国のり巻きを作ってみんなで食べました。年に一度しか顔を合わすことのない仲間ですが、来年の再会を誓い合いました。


京都教区中学生キャンプ

○8月5日(水)〜8日(土) 復活学園北小松キャンプ場にて。

 日本聖公会京都教区主催の中学生キャンプには当教会から末松めぐみ、深見嘉貴のスタッフ二名のみの参加でした。今年は中学生7人(うち男の子5人)のパワフルなキャンプでした。湖の奇跡の箇所でのバイブルシェアリングなど真面目なこともする一方、「怪獣のバラード」を踊り狂ったりしました。この真面目さとアホさ、教区キャンプの、中学生キャンプのええとこやと思います。来年度は当教会からも参加者が出て欲しいです。
              (スタッフ アグネス 末松めぐみ)


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