月報「コイノニア」
2010年12月号 No.328


《聖書を飛び出したイエス様・その25》
  地には平和。

中村光「聖おにいさん」から

司祭 ミカエル 藤原健久

人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。
                 (マタイ7・12)

 天界での働きを一休みして、有給休暇を取って地上に降り立ったブッダとイエス。郊外の小さなアパートの一室で、質素に楽しく暮らしています…というマンガです。これだけ聞くと、とても“バチ当たり”のように見えますが、ほのぼのとした、とても面白い作品で、今のところ、キリスト教界からも仏教界からも、表だった抗議の声は聞かれず、一般の人々も含めて、好意的に受け入れられています。
 締まり屋で、家計を切り詰めるブッダ。ダイエットにも余念がありません。街で女子高生たちに「ジョニー・デップに似ている」と言われてご機嫌のイエス。パソコンが趣味で、ブログをせっせとアップしています。二人は、スーパーに買い物に行ったり、銭湯に行ったり、地域のお祭りに参加したりと、毎日の小さな出来事を楽しんでいます。そんな毎日に、それぞれの宗教のエピソードが、おもしろおかしく盛り込まれています。けれども、作品には、それぞれの宗教を貶める意図は全くなく、とても明るい笑いになっています。作者のお父さんは、仏画を描いて生計を立てながら、賛美歌を歌ったりクリスマスを家族で祝ったりと、宗教に対して開かれた人だったのだそうです。作者は、そのような開かれた感覚を身につけているのでしょう。
 作品の魅力は、何と言ってもブッダとイエスの“お人柄”にあります。彼らには、傲慢さは全くなく、周りの人々に気を遣い、そしてお互いに対して、とても気を遣っています。クリスマスに、イエスにばれないようにバースデーパーティーを企画するブッダ。余暇は座禅や苦行でこもりがちなブッダを、青空の下、遊園地に連れて行くイエス。時には空回りすることもありますが、お互いとても相手を気遣いながら、支え合って生活しています。ここには、人々が宗教に求める、理想の姿があるように思います。相手を気遣い合う関係からは、激しい争いは生まれません。宗教が本当に平和を作りだしてゆくには、このような穏やかさが必要だと、私達みんなが感じているのでしょう。
 マンガに出てくる二人は、とても日本人的だと言えるでしょう。本当のイエス様は、ここまで細やかでは無かっただろうと思いますが、けれども、実は、気遣いの人だったのかも知れません。本当の気遣いは、どのようにすれば、相手が幸せになるだろうかと、心を砕く所にあります。イエス様は、聴衆の身近な題材を用いてたとえ話を用いたり、難しい理屈を避け、簡潔で分かり易いお話しをされました。そして、何よりもイエス様の十字架は、人々の救いのためだけになされたものです。イエス様は、威厳を持って神様の教えを宣べ伝えながら、誰よりも気を遣っておられたのではないでしょうか。
 とにかく面白いマンガです。笑えます。今回、久し振りに読み返してみました。もう何度も読んでいるはずなのに、お腹を抱えるほど笑いました。笑い終えてから周りを見回すと、いつも見慣れた部屋の中が、まるで天上の世界のような、素敵な場所に見えました。笑いは心を晴れやかにしてくれます。天使の言葉をもじって、「笑う門には、『地に平和』!」と言うのは、少し“バチ当たり”でしょうか。


野外礼拝は他教会へ!

 11月21日(日)は、野外礼拝の日。「今年は聖マリア教会以外の聖餐式に出席しよう!」ということで、京都伝道区内の三つの教会に出かけました。同じ聖公会の教会でも色々と礼拝形式が違い楽しい経験といい交わりの時を持つことができ、企画は大成功でした。


大津聖マリア教会へ

 メンバーは、青木節子さん、宗像ご夫妻、浦地母娘・・・の5名で行って来ました。
 当教会とはチャントが違う聖餐式。大津の教会では、新しく教会に来た人の紹介を礼拝後の報告の時にするのではなく、平和の挨拶の前でされています。もちろん、私たちもご紹介いただきました。
 そして、平和の挨拶・・・全員が全員とすることを徹底されていました。その後、大津の教会でも『子ども祝福式』がありました。六ヶ月の赤ちゃんから小学生まで7〜8人の子ども達が祝福されていました。
 そして、そして、礼拝後はお昼ご飯♪ メニューは・・・炊き込みご飯(お釜のせいでちょっと硬め? でも美味しかったです!)・奈良漬け・おすまし・リンゴ。お釜の関係で少しの時間差はありましたが、小谷先生のお祈りをもっていただきました。全員が普通に座って食べていることが何となく新鮮だったのは、私だけぢゃないはず・・・。(*^_^*) 小林司祭の韓国土産のお菓子をいただき、大津の教会の信徒さん(尾松澄代さん)から大津の信徒さんと同じように私たちまで靴下を一足ずつお土産に頂戴し・・・暫しの間でしたが、大津の教会の方々とともに楽しい時間を過ごせました!
 その日の大津聖マリア教会は、昼食後・・・クリスマスの飾り付け、大掃除、発送作業、日曜学校スタッフミーティング、翌日に行われる告別式の式文製本・・・と超多忙。・・・なので、早々に失礼しました。(お手伝いもせず、ごめんなさいっ!)。        (浦地愛)




桃山基督教会へ

 参加者は中井ご夫妻、越後光子さん、野島美恵子さんと田中で5名の聖餐式の出席でした。
 式次第の中でマリア教会とは違うチャントを使用なさっていました。お年寄りの方が多かったように見えます。その中で車いすで100歳のおばあさまの姿がありました、お元気です。この日は収穫感謝祭、子供祝福式があり、礼拝終盤は和やかな雰囲気でした。昼食は、年一回の男性料理のカレー。退職されておられる加納司祭と歓談の時を持つ時もできました。マリア教会員は、近くを散策して家路に向かわれるとのこと。お疲れさまでした。(田中泰之)




聖ステパノ教会へ

 お天気がとても良かったので、桂駅からの歩きも苦にならず愉しく参りました。参加者、江口翠さん、松本昇さん、吉川まゆみさん、吉村伸さん、吉村和馬さんと辻法子、池澤神学生の計7名。
 ステパノ教会は住宅街の一角にうっかりすると通り過ぎてしまいそうな感じの、こじんまりした静かな佇まいの教会です。牧師さまは、丁度マリアが礼拝堂の建て替えをしている時の実習神学生だった奥晋一郎司祭(おくしんさん)です。暖かく、でも少し緊張して?迎えてくださいました。
 わたしたちを入れて20名余りで、プレイソングのいつもと違った歌い方に戸惑いながらも、とってもあったかい礼拝をご一緒させて頂きました。礼拝後は星野夫人がお当番だったのでと、お手間入りの炊き込みご飯と豚汁、お漬け物やデザートまで付いた昼食を頂きました。とても美味しかったです。ちなみにお昼はいつも炊き込みご飯とのことです。信徒の方々は断然女性が多かったです。家庭的な雰囲気の昼食会で、皆さんよくご存じの星野さんご夫妻、村島さんご夫妻、それに藤原司祭の名親の豊田さん、華子さんの名親の古川さんなどと、皆さんとお話ししているとあれこれ話しが尽きないくらいでした。初めての方とも親しく交わりをいただき、主にあって一つの感をいつものことながら、とても強く思いました。
 名残を惜しみつつ、二時頃に奥司祭始め皆さんに見送られて教会を後にいたしました。いつもとは又違った、とてもいい主日になりました。
(辻法子)


若王寺墓地記念礼拝

 11月7日(日)教会委員会後マリア教会墓地にて記念礼拝に参加いたしました。藤原司祭、池澤神学生、服部さん吉川さん浦地さん田中で六名の参加でした。 服部さんが前もってお掃除をしていただきました。感謝です!
 また説明もお聞きしました。 (田中泰之)


Merry Christmas!

18日(土)16時 日曜学校クリスマス会

 日曜学校では、ここ数年、参加者、特に幼稚園から上がってすぐの一年生の人数が減ってきているのが課題でした。今年は幸いなことに、一年生が、またその保護者の方々が、毎週数名、参加しておられます。大変嬉しいことです。今年のクリスマス会には、その状況を反映して、一年生が9名参加してくれました。また幼稚園児も、「プレプレ」さんを含め七名参加してくれました。これからが楽しみです。
 子どもたちが毎年楽しみにしているクリスマス会、今年は総勢33名の子どもたちが集まってくれました。午後4時、礼拝堂でのお礼拝が始まりました。久し振りに礼拝堂でお祈りする子もいるでしょう。子どもたちの歌声は、澄んでいて美しいものです。羊飼いさん達に現れた天使たちの歌声も、このようなものだったのかも知れません。藤原司祭の今年のお話しは「見えにくい天使さん」。礼拝の後は、教会のホールでお菓子です。自己紹介ゲームを交えながら、お腹も心も温かくなりました。その後、場所を幼稚園ホールに移してゲーム大会。グループに分かれて、クリスマスソング合戦、そしてクリスマスメッセージの作成。どちらもチームワークが問われるゲームでした。サンタさんも登場。今年来てくださったのは少し小柄な、けれども身振り手振りがとても多彩なサンタさんでした。サンタさんからのプレゼントと、みんなが持ち寄ったプレゼントを分かち合って、いただきました。



19日(日) 10時45分 降臨節第四主日(主要聖餐式)総員礼拝・祝会

 近くからも遠くからも、教会に連なる全ての人々が、神様の前にある「兄弟姉妹」として、教会に集まり、共にお祈りをおささげする、祈りの時、再会の時、交わりの時、そのような喜ばしい日が「総員礼拝」です。今年は約110名の会衆で、礼拝をおささげしました。午前10時45分、吉村和馬君のクロスを先頭に、プロセッションが始まりました。聖歌隊、ハンドベル・クワイヤー、祭壇奉仕者が連なるプロセッションは、壮観です。これだけの人数が集まると、陪餐だけで30分ほど掛かるのですが、そのときこそ、聖歌隊、ハンドベルの美しい奉仕が光るときです。素晴らしい歌声と演奏により、会衆の心は知らず知らずに黙想の心へと導かれます。
 礼拝の後は、昼食会を兼ねた祝会です。マリアでは恒例の「持ち寄り昼食会」です。どんなにたくさんのコックさん、パティシエ、パティシエーヌがこの教会には居るのでしょうか。どれもこれもおいしく、素晴らしい食卓でした。祝会の司会は、吉川まゆみさんです。吉村由理さんのピアノ演奏が場を盛り上げます。みんなでクリスマスソングを歌いました。途中で、吉川愛永さんと吉村真綾さんの、ピアノとヴァイオリンの演奏がありました。この日のために練習してくださったお二人の素晴らしい演奏は、その場にいた全ての人を、満面の笑顔にしてくれました。感謝!これからの活躍をお祈りしています。
 また、この日もサンタさんが来てくれました。このサンタさんは、少し疲れていたかな?司会の方の質問の合間に、すぐに居眠りされていました。けれども子どもたちにはとても優しいサンタさんでした。

23日(木・祝)13時 ボーイスカウト京都第24団クリスマス会

 マリア教会を拠点に、活発に活動している我がボーイ・スカウト京都第二四団。京都でも大変活発な団として知られています。教会で活動するだけあって、団活動の大切な節目には、必ず礼拝堂での礼拝があります。このクリスマス礼拝にも、独自の式文があり、司祭の司式の元、スカウト、リーダー、保護者が集まって、礼拝堂でお祈りします。さすがに大きな団だけあって、全員が集まると、礼拝堂が一杯になります。ここで初めてキリスト教に出会うスカウトもいるでしょうが、どのスカウトも心を静め、仲間のスカウトが朗読する聖書のみ言葉に耳を傾け、お祈りを捧げていました。
 午後1時に礼拝開始。そのあと、ビーバー隊、カブ隊それぞれの入隊式がありました。この日ビーバー隊に入隊した4名、カブ隊に入隊した1名のスカウトはクリスマス礼拝の日が入隊の日となって、思い出も一入となることでしょう。
 セレモニーの後は、幼稚園ホールで楽しいパーティーです。各隊からの面白い出し物があります。スカウトの活躍も素晴らしいのですが、それを支えている指導者も大変なことでしょう。教会を走り回るリーダーの姿が、そこかしこに見られました。



23日(木・祝)14時 キャロリング

 クリスマスの喜びは、自分たちだけで独占すべきものではありません。一人でも多くの人共に分かち合うべきものです。愛は、分かち合われるほど、豊かになるのです。その精神を具体化するのが、キャロリングと言えるでしょう。
 今年も日本バプテスト病院の御好意により、新しくなった病棟を中心に、何カ所かを廻らせてもらいました。今年、病棟の新築と共に、チャペルも新しく造られました。美しいステンドグラスと、正面にある、ガラスによって表現された十字架から入り込む穏やかな光が、祈る人を優しく包み込みます。マリア教会からは7名が参加しました。午後2時に出発し、チャペルで準備をし、キャロリングに廻りました。とても嬉しそうにニコニコとされている方、一緒に歌ってくださる方、涙ぐむ方、様々な表情で聖歌を聴いてくださいました。今年もとても厳粛な一時を過ごすことができました。歌わせてもらって、本当に感謝です。
 今年はキャロリングに、日曜学校から小学生が一人参加してくれました。彼女は今年、とても積極的に聖歌隊に参加し、きれいな澄んだ歌声を聞かせてくれました。彼女によって、今年のキャロリングは随分と力付けられました。とても嬉しく、感謝です。




24日(金)19時30分 クリスマスイブ・ろうそく礼拝

 2000年ほど前のこの日、場所は違えど、同じように寒かったのでしょうか。吹きすさぶ風に体を凍えさせている人に、生活の苦労に打ちひしがれている人に、けれども心を最高に温めてくれるみどりご、神の子イエス様がお生まれ下さったのです。この聖なる夜は、最高の喜びの時です。
 午後7時半から始まりました。今年は昨年と同じく、20名ほどの聖歌隊が二階ギャラリーで歌い、礼拝堂一階の座席は、会衆のみによって埋められました。今年は約80名ほどの会衆が集まってくださいました。うれしいのは、この会衆の殆どが、信徒ではない方々、私達の教会の外から、来てくださった方々なのです。神様の喜びのメッセージを一人でも多くの人々に伝える働き、つまりは「伝道」が、教会の重要な使命の一つです。この礼拝は、その使命が最も明らかに働くときと言えるでしょう。
 九つの聖書のみ言葉と、祈り、黙想、そして聖歌隊を中心とした美しい歌声で礼拝は進行します。何度も練習した歌声は、本当に素晴らしいものでした。二階席から礼拝堂全体に響き渡り、会衆の祈りと黙想を支えてくれます。また今年も数名の小学生達で「子ども聖歌隊」が結成されました。彼女たちの澄んだ歌声は、礼拝堂にいた全ての人の心に、静かで深い感動を与えてくれました。
 午後9時頃に終了。礼拝奉仕者を中心に多くの人々が、教会ホールでお茶とお菓子、腕の上がった司祭のたこ焼きの時間を持ちました。




24日(金)23時30分 深夜礼拝(降誕日第1聖餐式)

 教会では伝統的に、三つの降誕日礼拝を行います。その一番はじめの礼拝、「降誕日第一聖餐式」が、午後11時半から行われる、深夜礼拝です。日付をまたぐ時間の中で、イエス様の誕生を思い巡らします。深夜の静けさが、昼間の喜びとはまた違う、落ち着いた喜びを、私達に与えてくれます。毎年、この礼拝を楽しみに参加してくださる方もおられます。30名ほどの会衆でしたが、今年は、信徒以外の方も10名ほど参加してくださいました。それぞれ、司祭からの祝福を受けて下さり、喜ばしい表情で家路につかれました。ロウソク礼拝に続き、「伝道」した礼拝でした。
 クリスマスには、様々な出会いと再会があります。うれしいものです。





25日(金) 午前7時 早朝聖餐式

 午前7時からの早朝聖餐式は、水曜日を除く毎朝行われています。定時の礼拝は、教会のリズムを整えてくれる、大切な業です。この日は一人の方が参加して下さいました。




25日(金) 午前8時 英語聖餐式(第二聖餐式)

 午前8時からの英語聖餐式は、毎週日曜日の他に、降誕日にも行われています。「降誕日第二聖餐式」として祝われます。毎年、外国から京都を旅行中の方を中心に、数名の方が教会を訪れます…のですが、今年は教会信徒1名の参加でした。MERRY CHRISTMAS!




25日(金) 午前10時45分 主要聖餐式

 午前10時45分から、「降誕日第三聖餐式」が行われました。30名ほどの会衆で、共にお祈りをおささげしました。通常は、平日に行われる礼拝ですが、今年は土曜日と言うこともあって、例年よりかは落ちついた雰囲気で行われたような気がします。祭色は、久し振りに、喜びの色「白」に変わり、「大栄光の歌」も高らかに歌われました。
 礼拝後は、有志が持ち寄って下さった軽食でお腹を満たし、礼拝堂とホールのお掃除です。この数日間で、本当に多くの人々が教会を訪れて下さいました。その喜びの後始末を、土曜日のお掃除当番の方だけでなく、有志の方も加わって行って下さいました。




26日(日)午後2時 ジュニアチャーチ・クリスマス会

 ジュニアチャーチ(中高生)メンバーとスタッフ13名は、主日聖餐式後、ゲームをし、夕食の準備をみんなでしたあと礼拝堂で夕の祈りを行ない、司祭家族も含め、教会会館で楽しいお食事会をしました。例年の平日の開催とは違い、のんびりした会になりました。


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