月報「コイノニア」
2011年8月号 No.336


《聖書を飛び出したイエス様・その33》

大切なものは手で造る。

杉井光著『神様のメモ帳』から

司祭 ミカエル 藤原健久

 日が暮れると、いろいろな病気で苦しむ者を抱えている人が皆、病人たちをイエスのもとに連れて来た。イエスはその一人一人に手を置いていやされた。(ルカ4・40)

 いわゆる「ライトノベル」の原作で、アニメ、漫画にも展開されている作品です。主人公は美少女の探偵。パソコンを駆使し、インターネットの検索で、依頼された事件の調査をします。私はこの設定に、いかにも最近のアニメらしい第一印象をいだいたのですが、作品に入り込んでいく内に、これが本格的な推理小説であることに気づいてきました。物語はじっくりと丁寧に展開し、主題もドラッグや暴力など、現代社会の重い課題が選ばれています。探偵の調査にインターネットが使われる、というのも、とても現代らしいと思います。
 私はパソコンが苦手で、上手にパソコンを操る人には、素直に「スゴイなぁ」と思います。なめらかにキーボードを打ち、インターネットで必要な情報を瞬時に手に入れる姿を見て、「神業」のように思います。確かにインターネットを使うと、地上のすべての情報が手に入るように思われます。主人公の探偵は、一日中パソコンの前に座りながら、あらゆる情報を手に入れます。その量と早さは、人の足で捜し回るよりも、はるかに膨大なものです。けれども探偵は、誇らしげではありません。探偵は自分の役割を次のように表現します。「死者の代弁者」。死者が伝えられなかった言葉と思いを、死者に変わって生者に伝える者。この役割のためには、インターネットが最も役に立ちます。けれども、パソコンではできないことがあります。それは、新しいことを造り出すこと、です。新しいことを造り出すには、インターネットではなく、人の手が最も役に立つのです。
 イエス様のいやしの多くは、イエス様の手によって直接行われました。「いやし」の、元々の意味は「手当て」だそうです。イエス様は、言葉で教えを述べられたり、遠く離れた人に奇跡を行うこともありましたが、最も大切なときには、直接自分の手で相手に触れて、いやしを行われたのです。
 私たちも最も大切なことは、自分の手で造り出してきたのだと思うのです。自分の手の届く距離で人と接し、相手の語る言葉を自分の耳で聞き、相手の思いを自分の心で受け取ることを通して、新しいことを造り出していけると思うのです。
 題名にある「神様のメモ帳」とは、主人公の語る自嘲気味な運命論を表現した言葉です。自分たちの、余り恵まれない日々は、神様が手元のメモ帳に書き記したように、定められたものだという、軽いあきらめの思いを表現しています。遠くからながめているだけなら、書かれた内容は変わることはありません。けれども、直接自分の手で触れるなら、メモ用紙を破り捨てて、新しいページを開くこともできると思うのです。


マリアの夏〜2011キャンプ・行事報告特集

日曜学校北小松キャンプ

○7月23日(土)24日(日)、復活学園北小松キャンプ場にて。

6月12日の日曜学校の分級で東北教区の教会の子ども達宛てにキャンプのお誘いカードを書きました。「東北からお友だちが来るかも?」そんな思いもあり、今年のテーマは『友だちになるために』。七月二三日(土)〜二四日(日)の一泊二日、北小松で日曜学校のキャンプが行われました。福島県から五人の子どもと三人の保護者の方々が当教会のS.Sキャンプに参加して下さり、子ども計三一名、大人(中高生以上)四十名、総勢七一名でのキャンプでした。とにかく泳ぎました!外でご飯を戴きました! キャンプファイヤーをして、花火も出来ました!みんなで一緒に外でお礼拝をして・・・!例年のキャンプと何も変わらないプログラムです。でも大震災以来、外で遊べなくなった福島の子ども達にとっては・・・。「一日中、放射能を気にすることなく遊べたので、とてもうれしかったです。」キャンプ後、福島の五年生のお友だちからこんなお手紙を戴きました。今回のキャンプ・・・、福島の子ども達が、そしてマリアの子ども達が思いっきり何の心配もなく遊べていたらそれだけで大成功だと思いました。そして気がついたら、アッという間に友達になっていて・・・。大・大成功です!
そして、何の心配もなくキャンプが出来るように廻りで支えて下さった大人の方々、色々な形でお手伝い下さった方々、毎年の事ながら、本当に感謝しています。どうぞ来年も宜しくお願いいたします。大震災以降、生活が変わってしまった東北の子ども達が、何も気にしないで思いっきり遊ぶ事の出来る日が一刻も早く来ますように・・・。
(マーガレット 浦地愛)


24団ボーイ隊 班キャンプ

○7月23日(土)〜24日(日)、静原キャンプ場にて。

7月23日(土)、二四日(日)の一泊二日で静原キャンプ場において班キャンプを行いました。
スカウト達だけで計画し、実行するキャンプは、用意されたプログラムをこなすキャンプとはまた違ったものとなり、スカウト間の親睦も深められる充実したものとなりました。


24団ビーバー隊夏季キャンプ
「ビーバーポッター」

○7月23日(土)〜24日(日) 井手町・大正池グリーンパークにて。

今回のテーマは「ビーバーポッター」魔法学校へいく!という想定で、皆、わくわく!!とても楽しいキャンプとなりました。(隊長 渋谷芳子)


24団カブ隊 夏季カブホリディ
「岳」

○7月29日(金)〜31日(日)、福知山三岳山にて。

テーマは「岳」三岳訓練隊。スカウト達には少し厳しかったプログラムでしたがみんな頑張って乗り越えてくれました。とても充実したキャンプでした。お世話になった奉仕隊の皆様有難うございました。 
  (隊長 鈴鹿克武)


京都教区小学生キャンプ

○8月2日(月)〜4日(水)、復活学園北小松キャンプ場にて。

マリア教会からは、松本優平、森田しおり、吉村真綾、松本寛和の4名が参加。ジャンボ餃子をつくったりと楽しい三日間を過ごして来ました。


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