月報「コイノニア」
1998年12月号 No.184


クリスマスと情報

牧師 司祭 イザヤ 浦 地 洪 一

 情報化時代、情報過多、情報公開など、いろいろな言葉が飛び交う中、わたしたちは、今、膨大な情報に囲まれて生きています。テレビや新聞から、Eメールからホームページにいたるまで、家の中にいても、毎日、ニュースが飛び込んで来ます。その中から、必要な情報を選び出し、それが正しい情報かどうか判断し、生活に生かしていくということは大変な労力とエネルギーを要し、ともするとストレスの原因になったりします。
 かつては、情報というと「知らせ、ニュース」という意味で用いられ、情報活動というとスパイの仕事でした。しかし、コンピューターが発達すると、「知識」の意味が加わりました。情報という言葉とデータという言葉が同じ意味に使われるようになっています。そこで、「情報」という言葉をキーワードに聖書を読んでみると、二千年昔、三千年昔の人々の生活や生き方が新たな形で浮かび上がってきます。
 まずは、クリスマス物語を思い浮かべてみましょう。 情報の内容、情報が発せられた源、情報伝達の方法、情報を受けた人の反応、情報を受けた人の判断と行動、他への影響等、いろいろな問題を読みとることができます。

一 クリスマス物語の情報の内容

 クリスマス物語の情報の内容は、「マリアは男の子を産む。その子は聖霊によって宿ったのである。イエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである」(マタイ一ノ二十、二十一)であり、「その方は、ユダヤ人の王としてお生まれになった」(マタイ二ノ二)であり、「あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。」(ルカ二ノ十一)というニュースが伝えられました。マリアに、マリアの婚約者のヨセフに、東方の占星術の学者に、ユダヤ王のヘロデに、そして、羊飼いたちに、これが伝えられました。これこそが「良きおとずれ」、クリスマスのメッセージでした。
この情報の発信源は、もちろん神さまです。神さまは、今から約二千年前という時を定め、ユダヤのベツレヘムという所を定め、ある人々を定めてこのニュースを発信されました。

二 情報伝達の方法

 この情報がもたらされる方法は、これを受ける人によって違っていました。
 マリアには、天使ガブリエルが遣わされました。マリアのいいなずけのヨセフには、身ごもったという事実が先にあって、縁を切ろうかと思い悩んでいる時に、主の天使が夢に現れて、このニュースを伝えました。東方の占星術の学者たちには、星を通してこのニュースが知らされました。ヘロデ王は、この東方の占星術の学者から間接的に二次情報として「ユダヤ人の王が生まれた」ということが強調されて伝えられました。そして、野宿している羊飼いには、「主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らし、さらに天の大軍が加わり」という異常な光景の中で天使によって、このメッセージが伝えられました。

三 情報を受けた人びとの反応

 違った方法でこの情報に触れた人びとは、それぞれに異なった反応を示しました。
 まず、マリアは、恐れ、疑い、親類のエリサベトに起こった出来事を知らされ、受け入れました。ヨセフは、眠りから覚め、マリアを妻として迎え入れました。東方の占星術の学者たちは、彼らは異邦人であり、異教徒でしたが、はるばると東方の国からエルサレムに贈り物を持って、このニュースの主を訪ね、礼拝しにやってきました。一方、間接的にこの情報を得たヘロデ王は、どうだったでしょうか。まず、不安を抱きました。ユダヤ人の王が生まれたと聞いて、自分の地位と権力を維持するために不安と怖れを感じたのです。そこで、もっと多くの情報を得ようとエルサレムの祭司長たちや律法学者たちを集めて問いただし、さらに占星術の学者たちをひそかに呼び寄せて、その時期を確かめたり、もっと詳しく調べて知らせてほしいと依頼しました。占星術の学者たちがイエスの居場所を教えないで帰って行ったと知ると、ヘロデ王は、ベツレヘムと周辺一帯にいた二歳以下の男の子を一人残らず殺せという残酷な命令を下しました。
そして、野宿していて救い主誕生のニュースに触れた羊飼いたちは、ベツレヘムへ出かけ、馬小屋の飼い葉桶に寝かされている幼な子を見つけ、人びとに自分たちが見聞きしたことを話し、神を賛美しました。
 いちばん最初にクリスマスの情報に触れた人びとは、それぞれに反応し、行動しました。さて、わたしたちは、どのような方法でクリスマスの情報に触れているでしょうか。 まず、どのような方法で伝えられているでしょうか。情報の内容は正しく伝わっているでしょうか。情報の内容を正しく受け取っているでしょうか。その情報に対して、わたしたちは、どのよに反応しているでしょうか。
あまりにも多すぎる毎日の情報に押しつぶされて、大事な神さまからのメッセージが耳に入らなくなっていることはないでしょうか。クリスマスは、神さまからの情報をしっかり受け取る時です。


バザー大成功!

恒例バザーは
今年も好天に恵まれ
大盛会に終わりました
おでんコーナーは
婦人会担当。
いつものように
フル回転。
ボーイスカウト担当
のうどんコーナー。
さすがの本格派です。
ケーキセットは
ジュニア・青年会の
ピチピチギャルの
ウエイトレスが
大好評!
さすがに晴れの特異日。
ビールの売れ行きも
絶好調でした。
干物・総菜も
産地直送が大人気。
健康食品ブームの
おかげか?
新企画・石焼き芋。
名人の元、修行に
出かけたそうです。
これも新企画。
一日中行列で、結局
ありつけなかった人も。
独楽回し大会は
「出来る子供いるの?」
の心配をよそに大盛況。
初めて手に乗せた子供
たちも大はしゃぎ。
万古焼きも三年目を
迎えてもまだまだ人気。
売り子さんも一日中
頑張ってくれました。

バザーを終えて

バザー委員長
野本 武

 恒例のバザーは、11月3日(文化の日)に教会、聖マリア幼稚園、ボーイスカウト京都第24団の皆々様の熱心なご奉仕を受けて開催され、無事に終了いたしました。当日は、好天に恵まれ、たくさんの方々が相集い、楽しいひとときを過ごすことができました。実行委員一同、心から感謝申し上げます。
 今年は、前日(2日)が平日のため、設営・準備の手立てを心配しておりましたが、幼稚園とボーイスカウトのご協力を得て、前々日の日曜日に外回りの設営を行うことができました。そのお陰で、前日の準備が例年よりも順調に行われたように思われます。
 当日の模擬店や各コーナーについても大盛況でした。寄贈品につきましても、教会婦人会をはじめとして各部の絶大なご協力を得て、日を経るにつれて、例年に優る寄贈を賜り、強い連帯感を感じさせられました。
模擬店も、「たこ焼き」と「石焼きいも」が加わって、大賑わいとなりました。おでん、うどん等、模擬店、各コーナーとも売切れ続出の好況でした。
 ケーキコーナーやゲームコーナーでは、ジュニアチャーチ、青年会、ボーイスカウト等の若き方々と元気な子供達の声が、一日中、明るく響き渡り、明日への力強い息吹きに感銘を受けました。
今年から「おでんコーナー」では、ごみ削減のためトレーを廃止し、お皿を使用することにして、当日の役割分担に「洗い場コーナー」を新しく設けました。割箸も回収させていただきました。今後とも、環境にも優しいバザーでありたいと思っております。
 終わりに、バザー収益のご報告を申し上げます。
総額で、1188253円の収益を得ることができました。教会礼拝堂建築のために640253円、ボーイスカウトに548000円を配分させて頂きました。
 以上、バザー報告をさせて頂きます。


12月号次ページへ