18:28 2018/10/15 東京聖テモテ教会 - 主日の福音

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★太田信三 司祭による主日の福音

★主日の福音(2025年11月9日)
(聖霊降臨後第22主日・特定27、C年)「生きている者の神」(ルカによる福音書20:27-38)
 サドカイ派の人々が、復活についてイエスに問います。彼らは「モーセ五書」(旧約聖書の創世記〜申命記のこと/「律法」とも言われる箇所)に定められている「レビレート婚」をたとえに用い、復活が聖書に基づかない、あり得ないものだと主張します。レビレート婚とは、夫と死別したやもめに子どもがいない場合、そのやもめを夫の兄弟、つまり義兄弟が義務的に結婚をし、養わなければならないというものです。この法に照らし、この世で七人もの夫をもった妻は、天の国では誰の妻になるのか、さらには聖書で禁じられている重婚を犯すことになるのではないかと、彼らは問い詰め、天の国の存在、復活の命を否定しようとします。
 これに対し、イエスは彼らの主張の誤解を指摘します。まずは34−36節です。「この世の子ら」には死があるため、子孫を通して自分が生き残るため、結婚をして子孫を残す必要があるが、「死者からの復活にふさわしい」者は「神の子」とされ、もはや死ぬことがないから「めとることも嫁ぐこと」も不要だと言うのです。サドカイ派の人々はこの世の婚姻関係がそのまま死後にも続くと考え、重婚の心配をしましたが、イエスによれば、「次の世」では「めとったり嫁いだりすること」はないので、重婚の心配もなくなります。
 イエスは、この死後の命、そして復活の命の根拠をサドカイ派と同じ「モーセ五書」に置きます。イエスが引用したのは、神が燃える柴の中から「わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」であるとモーセに語りかける箇所(出エジプト記三章)です。当然、モーセの時代には三人ともこの世にはいないにもかかわらず、「わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である」と言う神にとって、それらの命は失われたものではなく、今も神は「アブラハムの神」であり続けている=それらの命は神と共に今も生きている、と言う訳です。
 こうしてイエスは、ご自分の死と復活によって確証される、復活という究極の希望をサドカイ派とのやり取りのなかで示されました。「神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神」です。「生きている」とは、この世にいる間のことだけを指すのではありません。イエスを復活させた神を信じる者には、死後、神と共にある命、「神の子」として生き続ける命が用意されています。もはや死も絶望も勝てない、神と共にある命を私たちに与えるため、イエスはこの世に来てくださいました。諸聖徒日、諸魂日から始まる11月は死者の月とも言われます。このときにあって、神と共にある命に思いを馳せます。

★主日の福音(2025年11月16日)
(聖霊降臨後第23主日・特定28、C年)「背後にある神のご計画」(ルカによる福音書21:5-19)
 弟子たちを含め、人々は壮麗な神殿に目を奪われ、この神殿こそ神がとこしえに住まう場所だと思い込んでいました。しかし、神殿に見惚れる人々に、イエスはこの神殿が跡形もなく崩れ去ることを告げます。人々はイエスの言葉に驚き、「しるし」を求めます。その求めに対するイエスの応答は、「惑わされることがないように」という注意から始まるものでした。
 キリストを信じる者の特徴は「惑わされない」ことです。救い主を名乗るものが多く現れて惑わそうとも、戦争や争乱の噂が飛び交っても怯える必要はありません。なぜなら、「こういうことが起こるに決まっているから」です。それらは神の計画のうちなのです。イエスの目は、神殿の崩壊の背後にも神の計画を見ています。神の計画であれば、その計画の目的は、人類の救いにあるのですから、どのようなことが起きてもその先には救いが用意されています。それゆえ、惑わされることはないのです。
 今日の福音は、いずれ「恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる」終末についても語ります。しかしイエスは、「これらのことが起こる前に」という一文によって、終末に吸い寄せられた読者の目を、「今」へと引き戻します。来たるべき日に心奪われるのではなく、「今」に集中して生きることが大切だということです。
 この「今」とは、「わたしの名のために」迫害される「今」だとイエスは語ります。迫害という厳しい状況こそ、「証しの機会」となるのです。迫害と言われても、ピンとこないかもしれません。しかし、この世界が悪意や疑いに満ちているときこそ、その出来事の背後に神のご計画を見、希望を証しすることが、クリスチャンにとって大切な使命の場となる、ということです。しかも、その場所に立つ上での最良の準備は、「準備をしないこと」だと、イエスは言います。必要な言葉と知恵は神から与えられます。なぜなら、わたしたちの髪の毛一本すらなくなることを、神は望まれないからです。
 髪の毛一本すら愛おしみ、人を愛し抜かれる神の愛をいただき、自らも「今」を愛に生きようとすること、ただそれだけが「今」すべきことです。聖書が終末を語るのは、脅えさせるためではなく、神の計画が救いにあると知り、「今」に集中して生きることができるようにするためです。神の思いに信頼し、「今」、愛に生きるのか。それとも、神殿に象徴される目に見えることに右往左往するのか。まずは、今注がれている神の愛を全身に受けたいと願います。

★主日の福音(履歴)

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