2021年1月24日     顕現後第3主日(B年)

 

司祭 ダニエル 鈴木恵一

 今日の福音書は、マルコによる福音書から朗読されました。今年の聖書日課B年の福音書はマルコによる福音書が続けて読まれます。
 イエスさまが4人の漁師を弟子にする、有名な場面が朗読されました。
 イエスさまは、ヨルダン川で洗礼者ヨハネから、洗礼をうけ、聖霊に満たされて神の愛する子という宣言を受けられました。そして、荒れ野での誘惑を退けられ、神の子としての活動を始められました。その最初の出来事です。
 ユダヤの人々はローマ帝国の支配の中にあって、多くの貧しい人々が苦しめられていました。この苦しみによって、人々は神さまを遠くに感じ、神さまはなぜ沈黙されるのかと問い続けていました。そこに、イエスさまは「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と呼びかけられました。神さまからの良い知らせ福音は人々がずっと待ち望んでいたことでした。
 イエスさまは漁師に声をかけられました。この出来事は、この世界に生きる人々を象徴しています。イエスさまの時代はとくに、明日の食べ物の心配をせずに暮らすことのできた人はほんの一部の人だけでした。漁師も、特別な教養、律法についての知識があるわけでもなく、日々を苦しみながら送る多くの人々の一人でした。そのような漁師にイエスさまは声をかけられたのでした。
 イエスさまからの呼びかけは、わたしたちに、新しい世界を見せてくれます。先週の福音書にあったナタナエルもそうでしたし、今日の4人の漁師たちも、イエスさまからの呼びかけである神さまの良い知らせ福音によって、新しい生き方を知りました。
 神さまからの良い知らせにわたしたちも応え、その幸いを心に留め、感謝もってご一緒に歩みをすすめていきましょう。