2021年2月21日     大斎節第1主日(B年)

 

司祭 アントニオ 出口 崇

良い加減

 この1年間、私たちは今までとは違う種類のストレスを経験してます。我慢しなければならないという同調圧力を感じつつ、ため込みすぎてしんどくなったり、さらに弱い方向へ発散したり。
 いじめで苦しんでいる人たちに対して「学校は命を懸けてまで行くところではない」という優しい言葉を聞きます。
 教会もまた然りです。しんどくなっていませんか?

 先日、テレビで1年前の番組の再放送を見ましたが、違和感があります。「密だ」タレントさん同士の間隔が近く、出演者がとても多く感じます。至近距離での丁々発止も「飛沫が」と気になったり。
 この1年間で、私たち一人一人に「新しい生活様式」というものが刷り込まれて行っています。
 教会生活はどうでしょう。元通りとはいきませんが、以前のようにともに礼拝をささげ、平和のあいさつを交わし、大きな声で賛美を歌う。そんな時を待ち望んでいますが、今の時点では、少し怖いな。という印象をもってしまいます。

 教会生活、信仰生活も大きく変わってきました。毎週当たり前のように通い、礼拝をささげ、教会の交わりに心を動かす。
 そのリズムが止まった今、寂しさ、不安を感じる方も多くおられますが、「気持ちが軽くなった」、これくらいが丁度良い。「わたし教会行くのしんどかったんだ」と気付いた方もいるかもしれません。

 大斎節に入りました。イエス様はまず荒れ野で過ごされます。様々な誘惑、苦しみの中で、ご自身にとって一番大切なこと、神様との関わりを確信します。

 共にご復活の喜びの礼拝を共にささげられる希望を抱きつつ、私たち一人一人にとって大切なこと、ともに居てくださる存在に心を向けたいと思います。