2021年8月8日     聖霊降臨後第11主日(B年)

 

司祭 ルカ 柳原健之

 イエスは神の壮大なご計画について打ち明けてくださっています。「父がわたしにお与えになる人は皆、わたしのところに来る。わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない。わたしが天から降って来たのは、自分の意志を行うためではなく、わたしをお遣わしになった方の御心を行うためである。わたしをお遣わしになった方の御心とは、わたしに与えてくださった人を一人も失わないで、終わりの日に復活させることである。わたしの父の御心は、子を見て信じる者が皆永遠の命を得ることであり、わたしがその人を終わりの日に復活させることだからである。」(ヨハネによる福音書6章37〜40節)

 神は私たちをイエスの下へ連れて行こうとされています。それは私たちを救うため。ですからこの言葉は神の救済のご計画と言えます。神のご計画は全ての者を包み込み込もうとされています。イエスを通して、全ての者を受け入れるということがここで表されています。「追い出さない」「一人も失わない」という言葉がそのことを強く証しています。これは今の言葉で言えば、「誰一人取り残さない」と言えるでしょうか。神が包み込まれようとしているのは、決して特定の人だけではありません。神がイエスの下へ連れて行こうとされている人は、すべての人が対象となっています。どのような人であっても、イエスはその人を受け入れ、永遠の命へと導かれることを約束されています。ただ、その命に至るにはイエスを信じることが鍵となってきます。聞く者の心のあり様が問われているのです。

 イエスが神の御心について話してくださったにも関わらず、この話を聞いていた当時のユダヤ人たちはイエスを信じることが出来ませんでした。彼らはイエスの出自を知っていたが故に、イエスの人間としての側面に囚われていました。そのことゆえに、信じることが出来なかったのです。イエスははっきりと「天から降ってきた」「お遣わしになった方」の下から来られたことを宣言されています。父なる神の下から来られたということを信じることが出来ませんでした。

 私達も神のご計画に招かれています。神は誰一人残さないことを決意されています。そのためにイエスを通して救いに招こうとされているのです。イエスを信じ、神が与えようとされているものを受け取っていきたいと思います。