今年の春から新しく生まれそして歩みだしたJ'sキャンプは、3月25日(木)〜29日(月)の4泊5日を沖縄の地で過ごしました。
 中高生19人とスタッフ8人を合わせた27人のそれぞれの思いが重なり合って共に集まった初日。那覇へ着いたその晩は皆で沖縄料理を頂き、ゲームや「J'sアワー」の分かち合いの時間の中で、これから始まろうとするキャンプへの期待や、沖縄のイメージなどをそれぞれグループに分かれて語り合いました。

 二日目―平良夏芽先生の案内で、宜野湾市の嘉数の丘から普天間飛行場を眺め、そこから軍用機が飛んでいる姿や離着陸する瞬間を目の当たりにしました。その後に普天間基地を見下ろす丘にある佐喜眞美術館を訪れ、「沖縄戦の図」の絵を見ながら館長のお話を聞かせて頂きました。

 そして嘉手納道の駅へ行き、空軍基地である嘉手納飛行場を眺めました。耳がキーンと痛くなるような金属音が鳴り響く軍用機の離発着の音には声も掻き消されてしまい、嘉手納や沖縄に住んでいる人たちは絶えずこれをいつも感じているのか!と信じられない思いになりました。

 そこからチビチリガマを訪れました。碑文には集団自決で亡くなられた方々のお名前と年齢が彫られてあり、0歳から18歳くらいまでの赤ん坊や子供の名前がたくさん並んでいました。それを見て、とても重く、苦しい思いになりました。
 
 その後、普天間基地にかわる海上基地建設が予定されている名護市の辺野古海岸を訪れました。そこで辺野古と辺野古の海を守るために反対運動をしておられる方々に出会いました。人として生きるために全てをかける覚悟を持った方々の重い言葉と篤い心が、私たちの心身に強く伝わり深く突き刺さりました。この日は、本当に言葉では表せないほど大きなものを一人一人の中にぶつけられたような、そんな一日でした。

 三日目―祈りの家教会の松岡執事に愛楽園の中を案内して頂いた後、グループに分かれて愛楽園で生活をされている元ハンセン病の患者の方々の居室を訪問させて頂き、愛楽園のお話、戦争の頃のお話、ハンセン病に侵された時の悲しみや苦しみの思いを語って下さいました。愛楽園で出会ったおじいさんやおばあさん達は、明るくて、優しくて、朗らかで、面白くて、とっても素敵な方達でした。少しの時間でしたが、一緒に同じ時を過ごして貴重なお話を聞かせて頂いたことを本当に嬉しく思いました。

 四日目―祈りの家教会の主日礼拝に参加し、夜は教区センターで沖縄教区の中高生や信徒の方々と一緒に交流の場を持つことができました。沖縄教区の中高生から迫力満点の「エイサー」を見せてもらい、最後は沖縄の踊り「カチャ―シー」を全員で踊り、本当に温かくて楽しい交流会を共に過ごすことができました。


 最終日は、旧海軍壕公園でJ'sアワーの時間を持ち、沖縄に来てから心に刻み込まれた想いを共に分かち合い、語り合った後、閉会の時を持ってJ'sキャンプを終えました。

 この五日間、沖縄で晴れた日は最終日の昼間だけでした。初日からずっとどんよりした曇り空が続き、雨もよく降りました。沖縄に来て初めて知った事、感じた事、悩んだ事、腹が立った事、嬉しかった事、涙が出た事。本当にいろんな事がたくさんありました。そして、言葉では表せないほどの素晴らしい出会いがきっと一人一人の心に降り注いだはずです。沖縄で受けたその恵みのオアシスから、新しい芽を出してそれを大切に、強く育てていかなくちゃいけない、そう深く感じ、また考えることの出来たJ'sキャンプ@沖縄でした。