18:28 2018/10/15 東京聖テモテ教会 - 主日の福音

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★太田信三 司祭による主日の福音

★主日の福音(2026年5月31日)
(三位一体主日・聖霊降臨後第1主日、A年)「主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わり」(マタイによる福音書28:16−20)
 今日の福音は、ご復活後の主イエスと弟子たちが再び出会う場面です。弟子たちは約束の山で主イエスに会い、ひれ伏します。しかし、その中には「疑う者」もいました。目の前にご復活の主イエスがおられるにもかかわらず、です。その弟子の心に、主イエスが気づかれないはずがありません。しかし主イエスは、その疑う弟子にも近づき、語りかけ、宣教 へと召し出されます。
 疑いをも超えて近づいてくださる主イエス。この主イエスの姿に、神の思いが溢れ出ています。世界を創造し、すべての命を「極めて良い」と宣言された神は、すべての命を祝福し、愛し抜かれます。しかし、その神から、その愛から、人間は離れてしまいます。その人間を、神は何度もご自分のもとへと連れ戻そうとされますが、それでも人は神から離れ、別の何かに頼り、彷徨います。これが旧約聖書に明らかにされている、人間のリアルな姿です。
 しかしそれでも、神は人に近づいてくださいます。創造のはじめから私たちの命を祝福し、その命を見捨てない神は、何としてでも私たちにその愛を伝えるために、ついに私たちと同じ姿である御子を、この世界へ遣わしてくださるのです。「あなたがたと同じ人であれば、あなたがたは分かるだろう」と、その愛を「あなたとわたし」の距離にまで近づけて届けてくださるのです。そうまでして、すべての命を極めて良いと祝福し、愛してくださる。それが、御子の受肉によって示される神の愛です。
 そして、先週の聖霊降臨日にお祝いしたように、主イエス昇天後は、聖霊が私たちにいつまでも伴い、導き続けてくださっています。今日の三位一体主日にこの箇所が読まれる意味も、ここにあるように感じます。三位一体なる神は、父なる神として、子なる神として、聖霊なる神として、つまりあらゆる仕方で私たちに近づき、語りかけ、父と子と聖霊の交わりへと私たちを招いてくださるのです。私たちが疑うことなく立派な者だから招かれるのではありません。神が、私たちの疑いをも超えて近づいてくださるからこそ、私たちはその交わりへと招き入れられるのです。
 今日の使徒書にあるパウロの祝祷、「主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなたがた一同と共にありますように。」は、私たちが礼拝や会合の終わりに繰り返し唱える言葉です。神が近づいてくださり、私たちを父と子と聖霊の交わりの中へ招き入れてくださるからこそ、私たちは主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりの内に生かされています。
 三位一体主日、近づいてくださる神の招きをあらためて感じ、神の愛と祝福を全身に受けて歩んでまいりましょう。
★主日の福音(2026年6月7日)
(聖霊降臨後第2主日、A年特定5)「あなたがたの慈しみは朝の霧」(マタイによる福音書9:9−13)
 主イエスは今日の福音の中で、「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。」「私が来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」と言われました。ここで言われている病人や罪人とは、当時、律法の基準で共同体から排除されるべき病とされた人や、律法学者やファリサイ派が重んじた「律法」を守ることができ無い人=罪人とされ、この世界から居場所を奪われた人々でした。この人々は救いを求めていました。徴税人マタイもまた、そのような人間でした。徴税人は支配国ローマの手先となって、同胞から税を集める役割を担っていました。その役割を得るために多額の投資をしたため、徴税人は必要以上のお金を取り立て、その投資を回収する必要があったともいわれ、悪い徴税人は、多額を取り立て、私腹を肥やす者もいたようです。さらに、徴税人は異邦人に支え、異邦人との交わりによって祭儀的にも不浄であるともされ、これもまた彼らが嫌われる要因となっていました。かたや、律法学者やファリサイ派の人々は、これらの人々と関わることを避け、自分たちの正しさを保つことに努めました。一緒に食事をするなど考えられません。しかし、主イエスはこれらの人々と食事を共にしました。そして一人ひとりに神からの慈しみや愛が注がれていることを伝えました。その食卓、主イエスとの交わりによって、命が枯れ、癒しを求めていた人々に、生きた水、命の水が注がれたのです。
 自分たちは正しい、病人ではないと自負し、行動していた律法学者やファリサイ派の人々は、その食卓の光景を見ても、慈しみも愛も見出すことはありませんでした。それどころか、「なぜイエスという男は、徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と、イエスを咎めようとしました。今日のホセア書にこうあります。
 「あなたがたの慈しみは朝の霧 はかなく消える露のようだ。」
 ここで「慈しみ」と訳されている単語は、「ヘセド」というヘブライ語です。ファリサイ派の人々のヘセドは、朝の霧のように、すぐに消えてしまうようなものでした。主イエスは今日の福音で、豊かな食卓の交わりを通して、そんな彼らにも神のヘセドを明らかにしました。これから先は、ファリサイ派の人々次第です。自分は正しいとして生き続けるのか、それとも神から離れてしまった罪人と自覚し、主の食卓に招かれるのか。
 私たちもまた、「今日、私はどのようにこの礼拝に参列しているのか。」と、自らを省みましょう。

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