18:28 2018/10/15 東京聖テモテ教会 - 主日の福音

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★太田信三 司祭による主日の福音

★主日の福音(2024年7月21日)
(聖霊降臨後第9主日、特定11、B年)「イエスの憐れみ/わたしたちの応答」(マルコによる福音書6:30-34、53−56)
 今日の福音は、先々週の福音で宣教の旅に派遣された弟子たちが帰還したところから始まります。イエスは彼らに「さあ、あなたがただけで、寂しいところへ行き、しばらく休むがよい」と言い、休息を勧めました。しかし、彼らは結局休むことはできませんでした。休息のために出掛けた先にまで群衆が押し寄せてしまったからです。その群衆を見て、イエスは深く憐れみます。
 そしてイエスは、(新しい聖書日課=本日の福音ではこの箇所は省略されていますが)先程は休息を指示したのに、今度は「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」と指示をしました。結果、休息のはずが供食になってしまいました。疲れ勝てていた弟子たちには、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」という指示は、耐えられないほどの重りをズシリと載せられたように感じられたことでしょう。しかし、彼らはその指示に従い、この弟子たちによってパンと魚が配られると、すべての人が食べて満腹しました。12のかごに溢れたパンと魚は、12人の弟子たちまでもが満たされたことを暗示しています。つまり、群衆も弟子たちも、この供食を通して満たされたのです。すべての人を満たしたのは、イエスの深い憐れみと、弟子たちの手を通して溢れ出た神からの祝福です。結局休息を得られなかった弟子たちですが、彼らは肉体的にも霊的にも満たされることになったのでした。
 さて、新しい聖書日課ではこの有名な供食の場面は省かれ、供食の前のイエスの「憐れみ」と、供食を通してその「憐れみ」を受け、神の愛を感じた人々の姿がフォーカスされています。先々週の福音、イエスが故郷で敬われない、という記事にもあることですが、イエスの業を通して神からの恵みや愛を受け取るには、受ける側の「信仰」が求められます。神との関係はいつでも相互なのです。神はいつでも手を差し伸べており、それを握り返すならば、そこに恵みが溢れます。しかし、それを無視したり、拒んだりしては、そこに恵みを感じることはできません。もちろん、神にはそんな人間の頑なさを壊すことだってできるのですが、神はいつでも(イエスがそうであったように)わたしたちの主体的な応答に委ねるのです。それはアダムとイブの時から変わることはありません。手を差し伸べ、握り返す。この相互の、本当の意味での愛の交わり、そこにこそある本当の意味での愛に生きる喜びへと神はわたしたちを招いています。
 今日の福音の後半はまさに、イエスの憐れみに触れ、その喜びを知った人々の姿が溢れています。病にある人や、弱っている人をイエスのもとへ連れて行こうと駆け回る人々の姿は、まさに神の愛に触れた人々の喜びの姿です。わたしたちもまた、この人々のように、神の愛に触れ、信仰の喜びの中を生きていくことができますように。

★主日の福音(2024年7月28日)
(聖霊降臨後第10主日、特定12、B年)「小さなささげものから、すべての人の空腹は満たされる」 (ヨハネによる福音書6:4-15)
 山の上におられたイエスの元に集まった人の数は男だけで五千人、女性や子供たちなどを含めると一万人とも、一万五千人いたともいわれます。それだけの人がイエスのところへと押し寄せたのは、人々がイエスの行った様々な奇跡を目の当たりにしたからです。イエスが行った奇跡は、神の国がどのようなところなのかを示すしるしでした。人々はそのしるしを正しく理解したわけではありません。けれども、当時のユダヤ人たちは救い主の出現を心から願っていましたので、「もしかしたらこの人が我々を救い出してくれるかもしれない」と期待したのです。目をあげてその人々をご覧になったイエスは、人々の苦しみを心から感じ取り、人々の空腹を満たしたいと願いました。空腹とは、もちろん食事を必要としていたということでありますが、それと同時に、満たされない苦しみや困難を表しています。
 しかしそこは山の上ですから、一万五千人分の大量のパンが売っているはずもありません。たとえあったとしても、その人数分のパンを買うためには大金が必要です。いずれにせよ、人々の空腹を満たすための食事を確保することはどう考えても不可能です。そこにアンデレが大麦のパン5つと魚2匹を持っている少年を連れてきました。イエスはそのパンと魚を受け取り、人々を座らせ、感謝の祈りを唱えてから分け与えました。そして、なんと人々は満腹したのです。さらに残りを集めると12の籠がいっぱいになりました。全く信じがたい話しです。しかし、たしかに人々は満たされたのでした。
 イエスはこの奇跡=しるしによって神の国を人々に明らかにしました。人間には不可能でも、神の国ではすべての人が空腹を満たされること。そしてこのイエスによってこそ、人間には奇跡としか思えないこの神の国が実現するのだ、ということを示されたのです。
 この奇跡は少年の差し出したわずかな献げ物から始まりました。それが感謝の祈りとともにささげられ、分かち合われたとき、大勢の人を満たす糧となりました。ここに、神の国へのヒントがあります。わたしたちもまた、それぞれが小さくとも感謝とともに神にささげるなら、そこから神の国が実現するのです。たとえば大斎克己献金が全国から集められると、驚くほどの金額になり、大きな働きを支えるほどの力になります。また、それこそみ言葉の種や聖餐式で分かち合われるパンとぶどう酒は小さくとも、わたしたちすべてを養う糧となります。このように考えると、今日の話しも奇跡のようでありながら、わたしたち自身に起こっている神の真実の業のように感じられます。東京聖テモテ教会の121年の歩みは、多くの先達がわずかなものでも、感謝と共に神にささげてきたからこそある、まさに奇跡の実現です。わたしたち自身がこの奇跡のなかで今日も集められ、生かされている信じ、小さくとも自分自身を感謝とともに神に差し出し、神の国の実現へ参与する者として生きていくことができますように。

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