18:28 2018/10/15 東京聖テモテ教会 - 主日の福音

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★太田信三 司祭による主日の福音

★主日の福音(2024年4月21日)
(復活節第4主日、B年)「雇われ羊飼いと良い羊飼い」(ヨハネによる福音書10:11-16)
 今日読まれるヨハネの手紙とヨハネによる福音書は同じ著者によるものとされています。これらの書物が記された当時、クリスチャンは大変厳しい状況に追い込まれていました。まず、ユダヤ教の会堂から追放されました。これはあらゆる権利、市民としての権利をすべて失うということでした。クリスチャンたちはその苦しみのなかで信仰的な挑戦を受けていました。そして次に、反キリストと言われる人々の存在が教会を分裂させていました。彼らはもともと仲間であったけれども、教会から去っていったグループで、主イエスの受肉を否定した新しいキリスト教を作り出してしまった人々でした。ヨハネの手紙はその反キリストからの動揺を沈めるために記されたものです。信仰的に迷い動揺する信徒たちに、あなたがたの内には御子から注がれた油があり、この油が万事について教える、だから教えられた通り「御子の内にとどまりなさい」と繰り返し語り、励ましました。
 今日の福音書もこれらの背景を念頭に置くと少し理解が深まります。雇われた羊飼いとは、クリスチャンたちを分裂させようとするとする偽りの指導者たちだと解釈できます。彼らは狼が来ると、自分の命が大切なので羊を置き去りにして逃げ出してしまいます。しかし、良い羊飼いである主イエスは羊のために自分の命を捨ててくださるのです。事実イスラエルでは、雇われ羊飼いが羊を乱雑に扱ってしまう、ということがあったようです。それに対し、良い羊飼いは命がけで羊を守ります。良い羊飼いは羊の命に無関心でいられないからです。それゆえ、良い羊飼いは、羊との関係に必ずとどまります。羊が迷い出ることがないように、たとえ迷い出てしまってもどこまでも探します。そして、夜の間も羊を守り続けるのです。まさに主イエスこそがわたしたちの良き羊飼いなのだと、ヨハネによる福音書は信仰的な危機にあったクリスチャンたちに語りかけ、励ましているのです。
 良い羊飼いである主イエスは、「わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。」と言われます。ここで言われている「知っている」「知る」ということが、今週の福音のキーワードです。雇い人にすぎない羊飼いと良い羊飼いとの違いは「知り方」の違いにあります。ここで「知っている」と訳されている単語は、ただ知識として「知っている」というだけではなく、両者の深い交わりを表す単語です。主イエスはわたしたち一人ひとりを知っておられる。それも「父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じ」ほどに、主イエスはわたしたちのことを深く知って下さっている、ということなのです。
 良い羊飼いである主は、わたしたちがどこにいようとも、わたしたち一人ひとりのことを知っていてくださいます。そして、「この囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなればならい」と仰る主イエスは、わたしたちがどこへ行こうとも必ずわたしたちを見つけ、ご自身との交わりへと招いてくださいます。

★主日の福音(2024年4月28日)
(復活節第5主日、B年)「わたしにつながっていなさい」(ヨハネによる福音書15:1-8)
 東京聖テモテ教会のぶどうの木を眺めていると(東京諸聖徒教会のキウイもそうです)、もとの幹から自然と枝分かれをしていて、どこからがもとの幹で、どこからが枝なのか、はっきり判別できません。たしかに枝は幹から出るのですが、それらが一体となって「木」になっているように見えます。パレスチナの人々にとってはぶどうは身近なものですから、イエスの今日の言葉はまさにそのようなぶどうの木のイメージとともに伝わったことでしょう。そして、イエスはそのイメージの通り、幹と枝が一体であるその全体をさして「わたしはぶどうの木である、あなたがたはその枝である」と言われたのです。たしかに、幹はイエスで枝は弟子たちですが、それらは分かちがたく一体で、互いに切り分けられるものではなく、イエスが弟子たちの中にいて、弟子たちもイエスの中にいるということです。そういう相互に交わり合い、関わり合い、存在し合う。それこそが、 7節にある「あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば」ということです。イエスがわたしたちのうちに留まり、わたしたちがイエスに留まっている、ということです。
 「はじめに言があった。言は神と共にあった。言は神であった」と始まるように、ヨハネ福音書においてイエスは神の言であり、イエスの言葉は子なる神としてのイエスそのものです。ですから、イエスに留まるとはイエスの言葉=み言葉に留まるということです。そして、イエスが弟子たちの内にいるとは、イエスの言葉が弟子たちの内にある、ということです。ですからイエスの言葉、み言葉に留まるなら、わたしたちはイエスに留まることになり、イエスと神との交わりに迎えられるのです。それは、み言葉を眺めて理解しようとすることでは決してありません。ぶどうの木の枝と幹のように、み言葉がわたしたちの内にあり、わたしたち自身の存在もまたみ言葉の内に溶け出していく、み言葉と生身の交わりをする、ということです。ヨハネによる福音14章では、イエスがご自分が天に昇るのは、わたしたちのために「住むところ」を用意しに行くためだ、と言います。この「住むところ」という単語の語源を探っていくと、「住むところ」とは、「わたしたちが本来のあり方を失うことのないところ」という意味を見出すことができます。その場所こそ、イエスと相互に分かちがたく共にいる場所、天の国です。イエスは、そこにわたしたちを迎え入れるために天に昇られるのです。しかしその場所は、死んでから迎えられるところではないことが今日の福音から分かります。今、イエスに留まるなら、今、わたしたちも「住むところ」に迎えられるのです。

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