2008年10月26日   聖霊降臨後第24主日 (A年)

 

執事 ヨハネ 荒木太一

 『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』【マタイによる福音書22:37】
 イエス・キリストは二千年前、神との生活をこの一文で言い表しました。現代の社会にあって自分を他人と比べて心が割れ、理想と現実の狭間で精神が裂け、人間関係によって思いがこじれてしまうのはとてもつらいことです。もしも自分のすべてが一つになって、そのすべてを捧げて大切な存在を愛する生き方ができるとしたら、それはどんなに幸せなことでしょうか。
 「まず、スモッグを脱いで、靴下も脱ぎましょう!さあみんなで、ぬいじぁえー!」今日のマリア保育園のリトミックの先生はこう始めました。すると子どもたちも真似して大喜びで「わーい、ぬいじぁえぬいじぇー。」素肌の手と足で風を、床の感触を、友達の肌を感じます。そして全身でピアノに合わせて、カエルや赤とんぼ、腹ペコあおむしやチョウチョの気持ちになって保育室を踊りまわり、はいつくばり、ねっころがり始めたのでした。いつもは言葉による自己表現が苦手で曇り顔のタカクンも、体を使って表現することで、とても楽しそうな顔をしていました。自分に与えられた体のすべてを使って、みんなは満たされた顔をしていました。全部使い尽くすと、全部が満たされたのです。
 自分に与えられた限りの全て、心も体も、思いも願いも、強さも弱さも、全ての感性をつかって、大切な存在を愛して生きていく。そうしたら、神がすべてを満たされた。そんな生き方のしるしを、子どもの姿に見る気がします。
 そのようにキリストはあなたを愛されました。自身のすべてを使い尽くしてあなたの地獄をそのすみずみまで知り尽くし、十字架で死なれました。それはあなたのすべてが愛と命に満たされるためです。教会へお越し下さい。