2012年6月24日      聖霊降臨後第4主日(B年)

 

司祭 ミカエル 藤原健久

信頼しているよ【マルコ4:35−41】

 嵐の中、波に翻弄される舟の中で、イエス様はぐっすりと眠っておられる。驚く光景である。イエス様はそこまで鈍感か。いや、イエス様はきっと、舟を操る弟子たちを信頼しておられたのだろう。
 私たちは誰かに信頼されると、嬉しくなり、自信が生まれる。けれどもすぐに気づく。自分は信頼に価する人間ではない、と。自分はずるくて弱い人間なのだと。
イエス様はそんなことお見通しである。私たちの弱さを十分分かった上で、私たちを信頼してくださるのだ。
 けれども人々は、イエス様の信頼を裏切った。十字架に掛け殺してしまった。けれども、イエス様の信頼は、肉体の死によっても絶たれなかった。ご復活がそれを示している。
 私たちは、誰かに信頼されることで、日々を生きている。信頼は、私たちに喜びを与えてくれるだけでなく、責任感をもたらす。自分の命を預けるほどに、私たちを信頼してくれる人々を、私たちは決して裏切ってはならない。自分の心の中に、裏切りそうになる弱さを見つけたとき、私たちは十字架を仰いで祈りたい。イエス様を裏切った痛みを覚え、復活のイエス様が私たちを支え、強めてくださるように祈りたい。