2013年4月7日      復活節第2主日(C年)

 

司祭 ヨハネ 井田 泉

この命の言葉を告げなさい

 復活日から聖霊降臨日までの50日間は「復活節」です。主イエスは復活後40日にわたってしばしば弟子たちの前に現れ、ご自身が生きておられることを示して弟子たちを勇気づけられました。主イエスが天に上げられて10日後、祈っていた弟子たちの上に聖霊が注がれ、教会が誕生しました。
 この期間、主日の礼拝では必ず使徒言行録が朗読されます。それは、最初の教会に、いかに力強く復活の主が働いておられたかを知るためです。今日は使徒言行録第5章です。

 主イエスの弟子たち(「使徒たち」という言葉が使われています。「主イエスによって使命を与えられて派遣された者たち」という意味です)によって、多くの力ある不思議な業が行われました。信じる者がますます増えていきました。これに脅威を感じた大祭司とその仲間たちは、ねたみに燃えて使徒たちを捕らえて投獄しました。
 ところが、夜中に天使が牢の戸を開け、彼らを外に連れ出し、「行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」と言いました。これを聞いた使徒たちは、夜明けごろ境内に入って民衆に語り始めます(使徒言行録5:19−21)。

 天使が言ったとおり、主イエスのことを伝える言葉は「命の言葉」でした。民衆はそれを聞いて復活のイエスの命を受けて力づけられました。語る使徒たちも、語りつつ、復活の命を経験しました。復活のイエスご自身がそこで生きて働いておられたのです。

 かつて多くの弟子が去って行ったとき、イエスは十二使徒に「あなたがたも離れて行きたいか」と問われました。そのときペテロは、「主よ、わたしたちはだれのところに行きましょうか。あなたは永遠の命の言葉をもっておられます」と答えました(ヨハネ6:66−68)。

 かつて、イエスが永遠の命の言葉を持っておられることを信じて告白したペテロたちは、その告白が正しかったことを、いま迫害の中ではっきりと経験します。語りつつ、命の言葉が生きて働き、人々に浸透していくのを見ています。復活のイエスは永遠の命の言葉そのものです。

 主イエスさま、最初の教会に生きて働いていた「命の言葉」にわたしたちも触れさせてください。復活の主であるあなたが、わたしたちにも、「命の言葉」を聞く喜びと、それを勇気を持って伝える喜びを経験させてくださいますように。アーメン