2014年12月21日      降臨節第4主日(B年)

 

司祭 ヨハネ 井田 泉

おめでとう、恵まれた方【ルカ1:26−38】

 天使ガブリエルはナザレのおとめマリアのところに来て言いました。
 「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
 「あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。」
 この知らせをガブリエルは単なる情報伝達として届けたのではありません。天使は神から使命を託された者。必ずこのことをマリアに届け、それを受け入れてもらわなければなりません。ガブリエルは祈り、決意し、絶対にこの使命を果たすべく語り行動したのでした。

 マリアは天使に言いました。
 「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」
 驚き、困惑、恐怖がマリアを包んだかもしれません。
 しかし天使は答えて言いました。
 「聖霊があなたに降(くだ)り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」
 聖霊がマリアに降り、神の力がマリアを包む。ガブリエルがそう言ったとき、事実そのことが起こったのではないでしょうか。

 「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」
 マリアは決意して天使の言葉を受け入れ、神の計画に身をゆだねました。この決意の言葉とともに力と喜びが湧き起こりました。

 神の子イエス・キリストの降誕は、天使の決意とマリアの決意が一致した時から始まったのでした。