2016年2月28日      大斎節第3主日(C年)

 

司祭 サムエル 小林宏治

「悔い改めなければ滅びる」【ルカによる福音書第13章1節から9節】

 今日の聖書の個所は、「悔い改め」について教えています。
 悔い改めとは、神様の方に向き直る、立ち返るという意味があります。罪を知り、神様に立ち返るのです。わたしたちは、この大斎節には、普段よりも、自分のことを振り返ること、また、神様と自分との関係を見直すことが求められています。その意味でも、大斎節にふさわしい聖書の個所が選ばれていると思います。
 わたしたちにとって、悔い改めは大切です。神様は、わたしたちに恵みを賜る方ですが、同時に、わたしたちを裁く方でもあります。神様は、わたしたちに悔い改めの機会を与えてくださいます。そして、わたしたちは、神様とのよき関係を築くことを求められています。
 聖書は、まず、二つの事件を語ります。事件が語られるたびに、イエス様は「あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」と言われました。この事件、惨事がなぜその人々に起こったのか、その答えはわかりません。特に何かをしたわけでもないと思います。
 イエス様が語られた言葉の背景には、当時の人々の考え方が大きく影響していました。それは、不幸なことと罪には、因果関係があるという考え方でした。不幸な出来事はすべて罪の結果であり、不幸が起こったのは、過去に何かの罪を起こした結果であり、そのゆえに、災難にあったと理解されていました。しかし、イエス様は罪と不幸、災難を直接結び付ける、そのような考え方を否定されました。よい人が健康で富を得て、わるい人は病気がちで貧乏になる、そのような考えを否定されました。
 わたしたちも知っています。時には、悪人が栄え、正しい人が困難に遭うのです。イエス様の十字架刑がよく表していると思います。罪のない人が苦しみ、十字架上で死をむかえなければならないのです。イエス様の生き様が、因果関係的な考えを打ち砕くのです。
 イエス様は言われます。「あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」
 わたしたちがいつも神様に信頼し、生活することは簡単なことではありません。自分に降りかかる災難や困難によって、人は簡単に神様を見失ってしまいます。わたしたちは弱いものです。けれどもまた、神様の支えなしには生きて行けないのです。
 それゆえに、わたしたちは日々の生活の中で悔い改め、いつも神様と共に歩むことが大切なのです。簡単ではないかもしれません。けれども、神様を見失うことがなければ、わたしたちは神様の恵みをいつも感じることができるのです。神様のみ守りの中、共に歩んで行きましょう。