2020年1月19日     顕現後第2主日(A年)

 

司祭 ミカエル 藤原健久

バトンを渡す。【ヨハネ3:29−41】

 洗礼者ヨハネは、自分の後輩であるイエス様を「神の子」と証しし、イエス様が現れる準備をする者と自分を位置付けていました。ここに彼の深く高潔な信仰を見ます。彼は自分のバトンをイエス様に受け継いだのでしょう。彼は預言者として、旧約に連綿として続く預言者たちから、信仰のバトンを受け継いできました。そのバトンをイエス様に手渡すことは、ヨハネの使命であると同時に喜びだったことでしょう。
 私たちの人生は、バトンの受け渡しという側面を持ちます。親から肉体の命というバトンを受け取り、そのほかにも多くの人々から、生き方、職業、思想や信仰などのバトンを受け取ってきました。けれども必ずしも十分にバトンを引き渡せるとは限りません。子どもが授かるとは限らず、仕事の後継者が見つからないこともあります。
 このバトンは人からと共に、神様からも受け取ったものです。私たちは人生を終える時、バトンを神様にお返しします。神様はそれをきっと、最も良い時に、良い人に、渡してくださるでしょう。私たちのバトンは決して無駄に終わることはないのです。イエス様の十字架と復活による命のバトンは、今の私達まで受け継がれています。感謝。