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ゆっくりと丁寧に

管区事務所総主事 司祭 ローレンス 三鍋 裕

先日名古屋での日本聖公会婦人会常議員会にご一緒させていただきました。報告記事を出すから直してくださいなんていわれていましが、立派なご報告ですよ。吉田千鶴さんのアルディ・ナ・ウペボのお話や、池住圭さんの国際ども学校のお話などは、管区事務所だよりでご紹介いただきたいくらいです。

一言釈明させていただきますが、プログラムの一部で私一人だけ勝手に部屋の隅におりまた。決して臍を曲げていたのではありません、音響効果の一番よい場所を選んでいるのです。実は私は口と耳が悪いのです。口の悪いの申し訳ないことですが、耳の悪いのはなかな不自由なものです。音として聞こえても、言葉として聞き取れないのです。苦手というより、ほぼ諦めているのはファミリーレストランのアルバイトさん。決められたセリフを正確には言っているのだろうけれど、感情の入っていない言葉が猛スピードで通過するだけで、本当にわからないのです。コンビニも同じですが、こちらは大き目のお札を出せば、分からないセリフを言いながらお釣りをくれますから大丈夫。反対に聞き取りやすいのは酔っ払い。音量も大きい上に、内容がメチャメチャでも心情を込めて話してくれますから。

実際に、確信を持って話しておられる方の言葉は聞き取りやすく、ご自分でも何を言いたいの か分からないお方の言葉は聞き取りにくいのです。聴力障害で、会議が多い総主事職は苦手だからとご辞退したのですが。補聴器を使っても雑音が多くて疲れます。だから私は一人でお    祈りをしているのが大好きなのです、と言つて誰も信じてくれません。

最近スローという言葉が使われます。スローフードとか。ゆっくり丁寧に育てた食材を、さらにゆっくり丁寧に調理することでしようか。人と人のつながりももう少しスローで良いのでないかと思うのです。ファミレス、コンビニ、そして文字通りのファーストフードに囲まれた生活、お互い疲れませんか。もう少しゆっくりで、丁寧なお付き合いのほうが楽しいと思うのですが。今日出会うお一人が、どんなにすぱらしいお方か気付かず終わるのはもったいないし、お一人の困難や悲しみに気付くことなく終わるのも残念ではありませんか。いろいろな問題に囲まれているときだからこそ、皆が一緒に「微速前進」で進みたぃと願うのです。私の難聴はお気になさらないでください、怒鳴られると胃が痛みますし。それに、不要になつた補聴器を集めて貧しいお国に送れないかなんて夢も描いてぃますので。