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管区事務所だより
2005年1月25日 第192号
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スマトラ沖地震・インド洋大津波

管区事務所総主事  司祭  ローレンス 三鍋 裕


 昨年最後の管区事務所だよりでは「新しい年には楽しいネタがたくさんありますように」とご挨拶申し上げて終わりましたのに、イラン・バム大震災とまったく同じ12月26日にスマトラ沖大地震・インド洋大津波が起こってしまいました。

  先ず最初にお詫びを申し上げます。今回の地震・津波被害の支援に関して判断の迷いがありました。もちろん非常に大きな数字ではありますが、当初の報道は死者7,000人の予想でした。人命を簡単に数字で処理するつもりはありませんが、昨年はいろいろな募金が続きましたし、海外緊急援助資金で取りあえず対応して様子を見ようと考えました。「管区事務所はなぜ募金をしないのか」とのお問い合わせというよりお叱りが続いています。結果的に動きの遅さをお詫び申し上げます。もちろん支援募金は管区事務所でお受けしていますし、すでに幾つもの教会等からご送金いただいております。海外緊急援助資金からも300万円を送金させていただきました。しかしこれだけ被害が深刻になりますと、改めてご無理のない範囲でのご協力を更にお願いしなければなりません。よろしくお願いいたします。

 次に、被害が幾つもの国にわたり、それぞれの被害程度と事情が把握できておりません。天候によって病気を媒介する蚊の動きも違いますし、暑いのか寒いのかも地域によって違うようです。各管区にメールを送ってもほとんど返事がきません。返事が出来る状況ではないようです。正直に言って南アジアの地理さえ十分に知りませんでした。アンダマン・ニコバル諸島というのがスマトラ沖にあって、数百の島からなり、インド領で、聖公会でもある北インド教会の信徒が大多数であることも知りませんでした。手元の地図では見つからない地名も多いのです。

 アングリカン・ニュースサービスや香山洋人司祭が提供してくださるMEGAN(聖公会宣教と福音化世界行動とネットワーキング)が「未確認情報を含めて」伝える状況は次の通りです。アンダマン・ニコバル教区は甚大な被害を受けた。昨年着任されたばかりのクリストファー主教様はジャングルに避難してご無事であったが、45人の聖職の中で3人が家族とともに犠牲になった。教区のすべての建物は何らかの被害を受けた。Harmander Bat at Hut Bay:教会及び住宅破壊、Car Nicobar:15の村のうち13が流された、Chwra Island:教会は流され、住民の70%が行方不明、Terressa Island:住民70%行方不明、Katchal Island:住民90%行方不明、Nancowrey Island:他の島に比較すると損害軽微、Kondul, Pillowmillow, Pillobabi, Trinquet Islands:教会は流され、住民の70%が行方不明、Campbell:住宅及び教会破損。通信手段の多くが絶たれているため、全貌は把握できていない、とのこと。

 被害の大きさだけをお伝えするのではありません。北インド教会は即座に救援活動を開始し、3箇所の避難所で合計6千人の世話に当っているそうです。阪神大震災を思い出しますが、困難の中にあるときに人々が助け合っている姿です。主教様には中心都市のポート・ブレアにお移りになるようにお願いしたが、「何千もの人々がジャングルに取り残されている。私はその人々とともにここに留まる」と、ジャングルに留まられたそうです。現在はポート・ブレアに移られたとの情報もありますが、このお姿をサーバント・リーダーシップと言うそうです。

 スリランカの事情も複雑です。シンハラ人とタミル人の対立がありますし、宗教も仏教、イスラーム、ヒンズー、キリスト教に別れます。昔から仏教徒は殺生戒のためか漁業を好まなかったようで、漁業の多くはキリスト教徒(9割はカトリック)によって担われたようです。当然海岸線に居住します。そして津波が襲いました。スリランカ聖公会は決して大きな教会ではありませんが、他の教会と協力してタミル人支配地域を含めての支援活動に当っています。危険もあります。内戦時に埋設された地雷が活動の妨げになっているそうです。戦争はここでも人々を、特に弱い人々を苦しめます。インドネシアでも政府勢力と反政府勢力の対立が救援活動の問題になっています。

 子どもの拉致や人身売買という嫌な話も伝わります。皆で助け合って困難を乗り切ろうとするときに、やりきれない思いです。強制労働や強制売春だけでなく、確認出来るわけがありませんが臓器売買の「商品」にされるという噂まであります。子どもたちが無事に成長するまで守らなければなりません。この津波被害からの復興には心にケアを含めて長い時間がかかります。どの災害も同じですが、簡単に過去の出来事にするわけにはいかないのです。今まで余り関心を持たなかった南アジアの人々と歩み続けていただきたいのです。困難を伴う働きのためにお祈りを続けていただきたいのです。

 アジアでは災害が続いてきました。そのたびに公正で効率的な支援が問題になりますし、中期的・長期的支援を視野に入れる必要が指摘されます。残念ながら、これからも災害は豊かとは言えないアジアを襲うでしょう。今月26日からアジア・キリスト教協議会がコロンボで被災7カ国と支援6カ国の教会の会議を行います(アジアですのでアフリカからは参加しません)。被害状況と初期的救援の情報交換だけではなく、これらの問題も語り合われる予定です。私も参加させていただきます。次回はもう少しきちんとしたご報告が出来ると思います。この16日に神戸教区で行われた阪神淡路大震災10周年記念礼拝の信施をお預かりしています。これだけは神戸の皆さんのお心と共に直接お渡ししたいと思っています。

事務所だより Jan. 05
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