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管区事務所だより第195号もくじ

Page1 □CCA総会に参加して □辺野古基地建設反対声明
Page2 □会議・プログラム等予定 □常議員会・主事会議 □各教区・文語式文販売終了おしらせ・沖縄週間
Page3 □人事 □移動
Page4 □新任「人権」研修会報告 □研修会に参加して
□国連女性の地位委員会宣言および聖公会女性会議閉会宣言
Page5 □チオコ便り


 
管区事務所だより
2005年4月25日 第195号
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□CCA総会に参加して □辺野古基地建設反対声明

CCA総会に参加して

  ─「平和」の本義─
管区事務所総主事 司祭 ローレンス 三鍋 裕
 5年に1度のCCA(アジアキリスト教協議会)の総会が、タイのチェンマイで3月末から1週間開催され、参加しました。1月のコロンボでのCCA津波ワークショップでも同じでしたが、皆さんお国訛りの強い英語で堂々と、しかも早口で意見を主張されます。私の英語力では「理解するより参加すること」に意義を見つけるしかありません。それでも顔見知りの方も結構おられ、エキュメニカルな働きの中で聖公会のメンバーが大きな役割を果たしているのを感じさせられました。オブザーバーを含めると400人をはるかに超える参加者でした。

 ホテルの外に出る時間はあまりありませんでしたが、40度近い猛暑。東京は桜が咲く前でしたし、タイも北部と油断していました。本当に困ったのは暑さではなくエアコンの寒さです。サービスなのだそうですが冷蔵庫のように寒い、しかも調節がきかない。仕方なく部屋の電源を切ると照明も切れます。懐中電灯の生活です。それでも風邪をひきました。総主事の苦労もお察しください。でも、南の貧しいお国からの代表は「こんなに贅沢ができるなんて」と喜んでいました。いつも自由にエアコンが使える日本と、日本よりも暑いのに普段はエアコンなんか使えないお国との違いでしょう。でも、電力の浪費による地球温暖化の影響は、南のお国にはより深刻なはずなのに、複雑な気持ちです。モッタイナイ。

 日曜日の礼拝以外の外出らしい外出は、日本からの働き人が運営しているエイズシェルター、バーンサバイにお邪魔したこと(バーンは家、サバイは快い・平安なの意味)。リーダーの青木恵美子先生のお話は東京で伺ったことがありますが、自分からお邪魔する機会があるとは思いませんでした。ここでも、お金がすべてを解決してくれるとは思いませんが、お金さえあれば解決できることが多いのも事実と感じさせられます。医学的なケアと同じだけHIV/エイズに対する偏見との戦い、少数者である山岳地域出身者への差別の問題があります。山岳地域出身者がエイズで入院したら、病院でさえ二重の偏見でいじめに合うそうです。人間とはもう少しやさしいはずなのに。でもこの困難の中で奉仕している日本からの働き人には勇気づけられました。「日本聖公会の皆さんには本当にお世話になっている」との過分なお言葉を頂戴しました。

 さて本体のCCA総会、女性と青年の活躍が印象的でした。ただ、大切なことではありますが、規約の解釈とか委員の選出とか事務的な面にかなりの時間を取られたのも事実です。教会の会議ですから利害とは言いませんが、それぞれのお国が発言力を確保しようとする動きはあります。長く男性の教役者が中心にことを進めてきた反省からか、諸委員の40%は女性をとか、もっと青年の声を取り入れるようにとか活発です。それ自体は望ましいことですが、あまり複雑になると人選もたいへんです。「30歳以下の女性の牧師は、青年、女性、牧師のどの枠に入れるか」なんてパズルは、英語力の問題以上に難解でした。でもアジアで何か新しい時代が始まろうとしている感じです。

 お互いに本音をぶつけ合って、聞き合っているエネルギッシュな会議でした。「控えめな日本人」には、もう少し聞き合う方に重心があっても良いかなとは思いました。「正しい戦争より邪悪な平和を望む」という言葉があります。私も共感していましたが、今回CCA総幹事を退任されるアン博士は「正義のないところには平和は長く続かない」と言い切られました。重い言葉でした。WCC総幹事のコビヤ博士は「中国や日本で使われている文字ではpeaceを平和と書きます。equalityとharmonyがpeaceの本当の意味です」と説かれました。激動する世界において、特にアジアにおいて、力あるものと弱いものが正義に基づいた共存を手にしなければ平和は達成できない、そのためにはより深く聞き合いequalityとharmonyを保たなければというのがCCA総会のメッセージをであったように思うのです。

 5年前のCCA総会以降、アジアはアフガニスタン戦争、イラク戦争、バム大震災、スマトラ沖大震災・大津波を経験しました。パレスチナもアジアです。困難な中にある教会だからこそ平和を訴えなければなりません。世界で、アジアで、私たち一人ひとりの毎日でお互いが尊敬し合える「平和」を求め続けたいと願います。

 

 

日本聖公会正義と平和委員会は、4月18日下記の声明文を発表し、同日付け小泉首相以下あて送付しました

声明文 辺野古基地建設、特にボーリング調査強行に反対します


内閣総理大臣 小泉純一郎様
防衛施設庁長官 山中昭栄様
那覇防衛施設局
那覇防衛施設局長 西 正典様


 私たち日本聖公会は、イエス・キリストによって示された神の愛によって、世界が一つに結ばれ、この地球上に平和が実現することを、日夜祈り求めているものです。
現在、米軍普天間基地代替施設建設のため、名護市辺野古の海底で行なわれているボーリング調査準備作業は、豊かな海を破壊しています。またその作業中には、建設に反対する人々に対する暴力行為も行なわれていると聞いています。

 辺野古の海は人々の命と暮しを守り育む「いのちの海」です。今も多くの人々がこの海を愛し自然と共に生き、この美しい海とその生き物を次の世代にも引き継ぐために、大切に守ろうとしています。
私たちは、神によって創造されたこの世界のすべての自然と命を、慈しみ、尊ぶことが神から与えられた人間の使命であると確信します。そして、その命を脅かし奪い取ろうとする行動に対して反対いたします。「力」によっては平和は実現しませんし、憎しみと暴力の連鎖を断ち切ることもできません。

 今、辺野古ではボーリング準備調査から、本格的なボーリング調査が行なわれようとしていますが、わたしたちはこれに強く反対し、ボーリング調査の中止、また辺野古基地建設計画の白紙撤回を要請します。


2005年4月18日
日本聖公会 正義と平和委員会
委員長 主教 谷 昌二


管区事務所だより Apr. 01

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