NSKK 日本聖公会 東京教区
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全ては良かった

主教 植田仁太郎

 これから梅雨の季節を迎えますが、ここ二,三週間の天候は素晴らしいものでした。時に暑い日もありましたが、風のさわやかさ、陽光の輝き、夜気の涼しさは、一年中こんなだったらいいのに、という気分にさせられました。大都市に暮らしていても、このように感じることができたのですから、自然に恵まれた土地で暮らしている人々は、一層その素晴らしさを感じておられるでしょう。特に、たまに眼にすることのできた、陽光のもとでの里山の風景は、多彩な緑と光の織りなす陰影のコントラストが、まさにまぶしいばかりでした。
 旧約聖書の冒頭で語られる、神の創造のわざを思い出します。六日間をかけて天と地と海、そしてそこに生きるものを創造された神は、完成されたすべてをご覧になって、「それは極めて良かった」と満足しました。その「すべて」には人間も含まれています。  宇宙も、自然も、環境も、そしてそこに暮らす人間も、本来調和のとれた、「極めて良いもの」つまり、大変麗わしいものだという、いにしえの信仰者の洞察がここに示されています。
 私たちキリスト者は、その洞察を継承しました。本来神のもとで大変麗しいものが、どこかで狂ってしまった、何が悪かったのか、どうすれば麗わしいものを回復できるのか――イエス・キリストのメッセージは、本来の自然の美しさを示しつつ、その回復の道筋を示していると思います。



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