月報巻頭言

5      傷ついた幼い魂(2001.10)
 
 あまりにショックなことがあるとおったまげる。たまげるとは「魂転げる」と言う意味らしい。沖縄ではたまげると魂が転げ落ちるため「魂(まぶい)込め(ぐみ)」をする。私の魂も9月11日のアメリカでの事件以来たまげたままだ。特に気になるのが子供達の魂だ。幼い魂ほど目に見えないところで深く傷ついている。人の命が簡単に消されていく。耐えられないほど軽く。そんな場面に出くわす幼い魂は、癒されるどころかさらに傷つけられる。報復という名の別の人殺し。大人達は傷ついた幼い魂を回復不可能なまでに死に追いやるつもりなのか。人を殺すために訓練された兵隊が、癒しを求める傷ついた魂をどうやって救えるというのか。「もうやめてくれ」と幼子の魂は悲痛な叫びをあげている。最も力のない幼子の魂は、無造作に傷つけられ消されていく命に一番敏感に反応する。そして癒しきれない深い傷を負う。ステパノの子供達と平和のために祈れることが、私の「まぶいぐみ」となる。身近にいる幼子の魂は傷ついていないだろうか。命を奪う方法で解決しようとする偽善に傷ついていないだろうか。
 

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Last updated: 2002/2/17

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