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8万人の署名、実る
――残留孤児 妻の連れ子に在留特別許可おりる――

大阪教区城南キリスト教会牧師 司祭 斎藤 壹

 今年311付けで“(チェン)さん・(シァン)さん家族の「在留特別許可」を求める署名のお願い”を『管区事務所だより』とともに日本聖公会全教会に配布させていただきました。ご記憶いただいておりますでしょうか。聖公会では49の教会・諸施設・関連グループから1063名の署名をいただきました。感謝申し上げます。皆様からの署名を含め、全国から8万人の署名が集められ、5月22日にその署名が法務大臣に提出されました。粘り強い訴えの結果、法務省は6月21日に「在留特別許可」を認めました。皆様のご協力をここに改めて感謝し、ご報告いたします。
 大阪城南キリスト教会の信徒が教諭として勤務する東淀川区・市立啓発小学校で、中国からの帰国家族をめぐってことが起きました。その小学校には、中国残留孤児と再婚した中国人の連れ子である(シァン)秀娟(シュチェン)さん夫婦の子どもが在学していました。((チェン)さんは秀娟(シュチェン)さんの夫の姓です。)
 1977年に(シァン)秀娟(シュチェン)さん、(シァン)立斌(リービン)さん姉弟の母親は吉岡勇さん(現在61歳)と再婚し、家族として生活していました。姉弟がそれぞれ6歳、4歳の時です。それ以来26年間、家族として一緒に生活してきました。
 吉岡勇さんは中国残留孤児として認められ、1995年に夫婦で日本に永住帰国。その後を追って1997年、尚(シァン)さん姉弟家族も日本での生活を始めました。両親の近くで住むことを望み、入国管理局への正式な手続きを経て入国します。この際、尚(シァン)さん姉弟は連れ子であったため、吉岡さんとは血縁関係がないことを証明できる書類を提出しています。ところが、5年間日本ですでに生活している今になって、血縁関係がないことを理由に、尚(シァン)さん姉弟の家族9人の上陸許可を取り消し、尚(シァン)立斌(リービン)を10日間収容し、強制送還する手続きに入ったのでした。
 今年2月、2家族の子どもたちが通う保育所や小学校のPTAの有志らが支援組織を結成し、署名を集めてきたのです。
 署名が役に立つのかという思いで見過ごしにされかねない中、こうして家族9人が何とか日本で過ごすことが出来るというかたちで結実できましたことを共に喜びたいと思います。署名は決して捨てたものでないことを改めて感じました。ありがとうございました。

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