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第9回日韓聖公会青年交流プログラム報告
「人・大地・わかちあい―北海道開拓と強制連行」
正義と平和委員会委員長 司祭 前田 良彦

 
8月7日から13日まで日韓聖公会青年交流プログラムが北海道の札幌、平取、朱鞠内、屈斜路、北見を会場に行われました。今回は「人・大地・わかちあい?北海道開拓と強制連行」という内容の重いテーマでありましたが、北海道教区の強力なサポートがあり、民衆史の研究者の講演やアイヌ文化の継承者の講演などに日韓聖公会の青年たち共同で取り組みました。台風10号が北海道を直撃するという時期でありましたが、青年たちのプログラムには支障がなく、無事に終ることが出来ました。

韓国の青年たちの参加者が多かったのですが、言葉の壁を乗り越えてよい出会いが出来たでしょう。来年で10回目の区切りを迎えますが、これからの日韓聖公会の交流と出会いを考える時に、この青年たちの出会いのプログラムは継承させなければならないと思います。いままでの交流の結果として、韓国で学ぶ青年や教役者が増え、日本で学ぶ韓国の青年、教役者が増えてきました。ますます日韓聖公会の出会いと交流が深められることでしょう。是非来年の韓国での日韓聖公会青年交流プログラムに、各教区から青年を派遣していただきたいと願っております。

毎回感じることですが、主会場の教区が有形無形の援助をしてくださっていますが、今回も北海道教区の植松主教と宣教部の皆さんや、教区教会が本当にご支援してくださいました。改めて感謝致します。


今、女性の視点から21世紀の福音宣教を!
プレ・聖公会女性会議報告
      

正義と平和・ジェンダー委員会委員長 三木 メイ

月20日〜22日、日本聖公会全11教区から参加者57名(スタッフ含む)を得て、「プレ・聖公会女性会議」を箱根スコーレプラザホテルにて開催しました。教区から派遣された方も、案内書を見て個人的に参加された方もあります。他教団やノン・クリスチャンの方から是非参加したいとの申し出もあり、キリスト教会としてジェンダー(社会的、文化的性差)の問題にどう取り組んでいくのかという課題に対する関心の深さと拡がりを感じさせられました。

主催した正義と平和・ジェンダー委員会は管区の正義と平和委員会のサブ・コミッティとして昨年11月に発足しました。これは管区の機構改革に伴い、これまで取り組みができなかったジェンダー問題などの分野の活動を行うことが決定されたことによるものです。私、三木メイが昨年南アフリカ聖公会の女性会議に参加し、帰国後日本においても女性会議を開催しジェンダー問題への取り組みの出発点としたいと申し出て、これが承認され委員会が起てられ、開催の準備を行ってきたわけです。もともとは来年に本会議を開催する予定で今年プレ会議を行ったのですが、現在は本会議開催前にもっとこの問題について全体的に関心を拡げるためのアピール活動をする必要があるのではないかという意見が多数寄せられている状況で、本会議開催時期については再検討する予定です。

プレ女性会議は、笹森田鶴司祭、山野繁子司祭、池本則子司祭による聖餐式によって開会し、スタッフ作・出演のジェンダーをテーマとするコント上演などできるだけ身近で楽しく分かりやすい問題提起を試みました。2日目は、今回のテーマ「今、女性の視点から21世紀の福音宣教を!」に即して山野司祭と三木が発題。男性中心的構造をもつ社会において「周縁」に置かれた者としての女性の視点から、性差別の解決に向けてジェンダー問題に対する世界的な取り組みがなされてきたこと、その中で私たちはどのような宣教の働きを担うのか(参考資料:2002年総会報告「日本聖公会宣教方針と宣教課題」)、教会の中のジェンダー意識はどのように変革していけるか、など参加者に考えていただきたい諸問題を提起し、それらについて熱心にグループ討議が行われました。午後は、佐々木靖子さん(京都)、佐々木紀久江さん(東京)、新崎久美子さん(沖縄)から、それぞれご自分の視点から社会や世界に目を向けて取り組んでおられる活動やキリスト者として憂慮しておられる事などについてお話いただきました。夜はアダムとエバ、ヨハネ福音書のマルタの信仰告白についてバイブル・シェアリングを行い、女性のエンパワーメントのための礼拝を献げました。最後の日にこれからの教会女性のヴィジョンを求めて、今後の課題について話し合いました。女性ももっと教会の中で声を挙げていこうなど多数の意見が出ましたが、戻って行く教会は相変わらずの状況なので、もっとジェンダー問題への関心を聖公会全体に拡げていくような活動が必要、例えば各教区への出前ワークショップなどもしてほしいという要望が多くありました。閉会礼拝で参加者全員の祈りを表す十字架を和紙で作り、無事終了しました。

参加者の感想から--「このような学び合い、話し合い、分かち合いの場こそ今の婦人たちに大切」「ジェンダー問題から派生してほんとの信仰生活への指針も得られそうです」「ジェンダーって何?と思っていたが少しわかってきた感じ」「自分自身の改革ということが一番大きかった」「この会議に出席してとても勇気づけられた」「多くの女性がさまざまな抑圧を受けながら耐えている。自分だけではない」「それぞれの経験を分かちあい、励ましをたくさんいただき、大きな気づきが生まれ元気に戻っていくことができます」「本会議おおいに期待しています」等々。立場や年代(20代から70代)の違い、価値観や問題意識の違いを越えて、聖公会に連なる女性たちの連帯と励まし合いがなされることの重要性をあらためて実感する機会となりました。

日聖婦をはじめ多くの方々のご協力とご支援をいただき、委員会のメンバーも新たな希望と力を得ることができ感謝しております。託された課題は重大ですが、主の導きを信じてその歩みをすすめていきたいと願っています。

日本聖公会女性会議     
絶望にある時でさえ
わたしたちひとりひとりに
何か貢献できるチャンスを
用意されている神よ
わたしたちにマルタの信仰をお与えください
怒りや喪失感のなかでこそ
あなたをわたしたちの復活と生命として
心から宣言することができますように
イエス・キリストによって   アーメン」
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