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□日本聖公会各教区報のなかから □□□
☆毎月、管区事務所また広報主事宛に送っていただく各教区報等のなかからご紹介しております。
           
英国バーミンガム紀行
北海道教区報『北海之光』(第537号・2004年4月20日発行)
 この度CMSから突然フェローとして招待を受けバーミンガム市セリオーク大学の寮に3ヶ月間滞在する機会を得ました。実は7年前1年間語学留学した際、校長司祭の伝道活動の伴奏者として英国各地の教会を訪れた経緯があります。ここでは英国人は発展途上国に伝道に行くため半年程子供共々研修を受けに来ています。また、アフリカやアジアからは主に司祭様方が神学を学びにいらしており、大変国際色豊かで家庭的な環境です。私の仕事はクラスや各地の教会で北海道の教会の現状を説明したり礼拝奏楽奉仕、日本の音楽の紹介などが主でした。日本では信仰を継ぐ次世代の不足に悩んでいますが、英国も然りです。にも拘わらずここの3、40代の家族は伝道に出ていこうと燃えています。

 また、一方ではリバースミッション(逆転伝道)という考えも始まっています。イエス様はアジアにお生まれになったという原点に戻り、アジアから西洋に伝道し直そうという動きです。今回は短い間でしたが、世界の伝道の流れの変換期を肌で感じることが出来ました。また伝道師ステーヴリー先生のお墓を訪れ、心から感謝を捧げることが出来たことも大きな収穫でした。
セシリア三溝千春(小樽聖公会)
        
教区婦人会役員を終えて
『横浜教区報』(第466号・2004年2月25日発行)
 横浜教区婦人会の当番県が回ってきて2年。去る1月28日横浜教区婦人会第56回総会を無事に終えることができ、感謝でした。

 お忙しい主教様はじめ聖職の皆様に多数お集まりいただき、教区婦人会に対してご理解ご協力をいただき、一致した伝統を感謝いたします。「もう終わってしまう」と思ったり「やれやれ終わり」と思ったり冬眠からさめたような気分です。開会聖餐式は遠藤主教様の司式、説教に2年間チャプレンとしてお支えくださった長野司祭様、サーバーには研修会の成果を生かして三條操子姉がご奉仕なさいました。

 各教会婦人による代祷に続き婦人信徒48名の逝去者の祈りが献げられました。総会報告6項目の内、感謝箱献金奉献先「エリザベス・サンダース・ホーム」「沢田美喜記念館」の現状と支援について理事長小笠原忍司祭様より、また「フィリピン神学生」援助について神学校校長トマス・S・マッデラ司祭様よりそれぞれお礼のメッセージをいただきました。(略)

 役員をお引き受けして2度総会を開催いたしましたが、日本聖公会婦人会のご来訪をいただけなかったことは残念でなりません。

 年に1度横浜教区の婦人代表の方々が集まり総勢140余人の総会に今年はお迎えできることと思っておりました。なかなか日聖婦の姿勢が見えない昨今です。

 婦人の集まりでは一番中心的と思われた東京教区婦人会が80年の歴史に幕を閉じたことは既に報じられております。高齢化、若い方の社会参加、男性も女性も一緒にご奉仕するので、婦人会としての活動はとらなくてよいということです。

 横浜教区内でも高齢化は確実に迎え婦人の集まりができない、また婦人会を持たない教会等さまざまありますが、伝統は引き継がれていくことと思います。

 また、ロビーなどのスペースを利用したミニバザーには、朝早くから持ち込み並べられたさまざまな品物、地域の産物、手作り品などが所狭しと広げられ、それぞれの教会を一生懸命アッピールするご婦人たちの姿、久しぶりの再会に話を咲かせる人の輪、総会とは対照的に賑やかな一場面でした。
2年間皆さまの暖かい思いとご協力に厚く感謝申し上げます。

 次年度は山梨県に引き継がれますが、子育て中の若いお母さんもおられます。無理のないように地域に合った楽しい会を持たれますことを願っております。
前教区婦人会長 倉石慶子(千葉復活教会)
            
「長崎に立つ2004」
京都教区報『つのぶえ』(第541号・2004年4月20日発行)
 3月19日から21日、長崎聖三一教会にて第5回「平和を考えるプログラム長崎に立つ2004」が行われました。参加人数約26名。テーマは「語り継ぐということ」。毎回被爆地の長崎という視点から被爆者の証言を聞き、平和を考える会として行われてきました。中でも今年は、4年に1度の「全国青年大会」の開催地となり、今夏大会につなげるべく計画されました。プログラムはまず、幼いころ市内で被爆された城臺氏の証言から始まりました。城臺氏は現在語り部として活動しておられ、感情論でなくどんなことが起きて、なぜ戦争になったのか真実を知り、伝えていくことで平和を考える姿勢を養うことを大切にしておられました。淡々とした歴史解説中にも一人ひとりの小さな幸せを奪う戦争の悲しさがよく伝わり、一同は時間の感覚を忘れるほど聞き入りました。

 2日目・3日目は、現場見学で九州教区の青年のみなさんによるガイドにより原爆資料館や平和公園、実際の爆心地など原爆の傷跡の残るところへ出かけました。事前に被爆者の方から直接勉強会を積み重ねてこられたということで、当事者の目線に近くより多面的に原爆投下の事実を知ることができました。また何よりも、プログラムの題名通り現場に実際に「立つ」ことでより現実のこととして身に迫ってくるものがありました。私用によりこの後の参加者の方々との分かち合いに参加できなかったのが心残りでしたが、今年の夏の大会でもう一度機会ができました。

 イラク情勢をはじめ現代を見てみると自分はそして日本はどう行動すればいいのか真剣に考えるべき時が来ていると思います。城臺氏は「次はあなた方が語り継いでください」といわれました。まず事実を自分で確かめること。そして語り合おう、今夏長崎で!
中井美和子(八木基督教会)
              
《図書紹介》
『ゆめからぽん』
Fantasies come out
From The Dream
(発行所 Like Water Press 定価2000円)
 Like Water Pressは、世界各地の難民の子どもたちに、ファンタジー劇場キャラバンという活動を展開している非営利団体・国際NGOである。戦争や紛争によって厳しい生活を余儀なくされている難民の子どもたちに、「夢みるための種」となるファンタジー(物語)を届けるために、映写機やスクリーンを携えて各地を巡演し、活動している。

 難民キャンプをたずねて、いつも心を動かされるのは、劣悪な生活環境に生きる子どもたちの真摯な眼差しである。「わたしたちが出会った子どもたちの真摯な眼差しは、ファンタジーとの隔絶を物語っていました。」と、本書は記す。難民キャンプでは食料・住居・保健衛生などの物質的援助が優先して、情緒面での支援活動はなおざりにされている。子どもたちは、未知の光景や自然界の美しさなど、創造性を育むための情報、すなわちファンタジーから隔絶されている。子どもたちの「真摯な眼差し」とは、生きることに追いつめられている眼と言い換えてもよいのだろう。

 この子どもたちに想像力と創造性を取り戻していくために、Like Water Press は若い画家たちの協力のもとに、いくつかのファンタジー(物語)を映像化して、難民キャンプの子どもたちに送り届けてきた。そのうちの三つの物語を絵本として収録したのが本書である。「シマウサギの冒険」(第一の夢の物語)「母なる木のはなし」(第二の夢の物語)「海を見たことがない少年」(第三の夢の物語)の3篇はみんな夢をモチーフにしている。挿絵も美しい。「その夢はすべて、わたしたちが難民キャンプを訪れたときに実際にみたものです。」とも解説している。本書が成立した背景を説明しながら、寓意性を秘めたこの3篇のファンタジーを、日本の教会の子どもたちにも与えていくことを考えたい。
(広報主事・鈴木 一)

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