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日本聖公会第55(定期)総会報告

さる5月25日〜27日、日本聖公会第55(定期)総会が、牛込聖公会聖バルナバ教会を会場にして開催された。この総会には日本聖公会11教区から、主教議員11名(欠席1)、聖職代議員22名、信徒代議員22名の計55名の議員が出席し、三日間にわたり討論を重ねた(議長宇野徹主教、副議長谷昌二主教、書記長鈴木伸明司祭)。

総会の論点となったのは次の諸事項である。
機構改革によって委員会活動に後退する面が見られるのではないか(特に、正義と平和委員会など)。今後の評価をまつべきである。
年金問題。1999年の主教会では現行5万円支給の維持をうたったが、零金利時代が続く中で年金制度を継続することが可能か、どうかという基本的問題をもふまえて年金資金の運営を考えていくことにしたい。年金制度維持のために現在運用している債券の資金回収(本年末が債券の満期)、従来銀行に委託してきた年金信託のこれからの先ゆき、年金信託の収支不足額の補填など、年金の将来を検討する上での問題は山積している。
第16号議案「日本聖公会教区区域再編成検討委員会(仮称)を設置する件」(中部教区総会代議員提出)。1970年代に提出されたままになっていた問題について、あらためて今日的視点から具体的方策を検討する実務委員会として「教区制改革を推進する機関」を設置するとの修正議案が可決された(賛成・主教議員9、代議員31)。この機関の、これからの活動に注目したい。
第33号議案「ハンセン病問題啓発の日を設け、ハンセン病への理解が深まるために祈る件」(九州教区総会代議員提出)を可決。毎年、顕現後第6主日を「ハンセン病問題啓発の日」とし、祈祷を捧げる。祈祷文については原案を推敲の上まとめることを提出者(九州教区)に委ねることとしたが、教区での実践を経て提出された議案には説得力があることを感じた。
第18号議案「聖公会生野センターの働きを憶えて祈り、信施奉献を継続する件」、第19号議案「聖公会生野センター運営に日本聖公会が参加する体制継続の件」、第20号議案「小泉首相の靖国神社参拝に抗議し、要請書を送付する件」、第21号議案「憲法第九条の改憲に反対することを決議する件」、第22号議案「自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求める件」を、可決・決議した。
総会第1日の夜は、「人権問題に関する学びの時」を持ち、狭山事件の冤罪と闘う石川一雄氏(65歳)の講演を聞いた。石川氏は、獄中にあった「65分の32」の人生、冤罪を晴らすため、心ある看守に漢字を教えてもらい上申書を提出するに至った経緯、困難な状況に立ち向かう信念を、こもごも語って聴衆を感動させた。総会2日目、第32号議案「狭山事件に関して要請文を最高裁判所と最高検察庁に送付する件」は出席者の深い思いのもとに可決・決議されたのである。
総会での選挙により、首座主教に宇野徹主教を、常議員には、植田仁太郎主教、植松誠主教、浦地洪一司祭、関正勝司祭、輿石勇司祭、山田益男氏、池住圭氏、倉石昇氏を選出した。
広報主事・鈴木 一

日本聖公会第55(定期)総会決議事項
可決議案
決議第1号(第1号議案可決) 新議員・新代議員歓迎の件
決議第2号(第2号議案可決) 逝去者記念の件
決議第3号(第4号議案可決) 日本聖公会法規の一部を改正する件(第83,85,86,88条 常議員会)
決議第4号(第5号議案可決) 日本聖公会総会細則の一部を変更する件(第8章 常議員会)
決議第7号(第8号議案修正案可決) 日本聖公会法規の一部を改正する件(第109条)
決議第8号(第23号議案可決) 2002年?2003年度管区一般会計決算承認の件
決議第9号(第24号議案可決) 2004年度管区一般会計補正予算案承認の件
決議第10号(第25号議案可決) 2005年?2006年度収支予算案承認の件
決議第11号(第26号議案可決) 収益事業会計2002年?2003年度決算承認の件
決議第12号(第27号議案可決) 収益事業会計2004年度収支補正予算案承認の件
決議第13号(第28号議案可決) 収益事業会計2005年?2006年度予算案承認の件
決議第14号(第9号議案可決) 宗教法人「日本聖公会」規則一部変更の件(常議員会に関する法規改正に伴う改正)
決議第16号(第11号議案可決) 聖餐式において用いる詩編の試用の延長を求める件
決議第17号(第1号動議可決) 休憩の件
決議第18号(第12号議案可決) 日本聖公会祈祷書「第3表 年間聖書日課・詩編」の一部を改正し、使用を承認する件
決議第19号(第13号議案可決) 管区事務所総主事指名承認の件
決議第20号(第14号議案可決) 常任の委員指名承認の件
決議第21号(第15号議案可決) 管区審判廷審判員指名承認の件
決議第22号(第16号変更議案可決) 「教区制改革を推進する機関」設置の件
決議第23号(第17号議案可決) 年金資金運営委員会を廃止し、年金の将来を検討する特別委員会に、その任務を移す件
決議第24号(第18号議案可決) 聖公会生野センターの働きを憶えて祈り、信施奉献を継続する件
決議第25号(第19号議案可決) 聖公会生野センター運営に日本聖公会が参加する体制継続の件
決議第26号(第20号議案可決) 小泉首相の靖国神社参拝に抗議し、要請書を送付する件
決議第27号(第21号議案可決) 憲法第九条の改憲に反対することを決議する件
決議第28号(第22号議案可決) 自衛隊のイラクからの速やかな撤退を求める件
決議第29号(第32号議案可決) 狭山事件に関して要請文を最高裁判所と最高検察庁に送付する件
決議第30号(第33号議案可決) ハンセン病問題啓発の日を設け、ハンセン病問題への理解が深まるために祈る件
決議第31号(第30号議案可決) 「学生青年運動協力委員会基金」廃止の件
決議第32号(第31号議案可決) 献金感謝の件
決議第33号(第2号動議可決) 感謝決議の件
決議第34号(第3号動議可決 感謝決議の件

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