「見よ、私が支える僕　私の心が喜びとする、私の選んだ者を。私は彼に私の霊を授け　彼は諸国民に公正をもたらす」　イザヤ書42：1
イエスは洗礼者ヨハネから罪の赦しを得させる洗礼をお受けになります。ヨハネにとって自分が証してきた「後から来られる方」であるメシア・神の子が願う洗礼はとうてい考えられない求めに他なりません。しかし、イエスはその洗礼に固執されます。それは「言は肉となって、私たちの間に宿った」(ヨハネ福音書1：14)という出来事をさらに現実とすることでした。幼子の誕生に込められた神のメッセ－ジは「インマヌエル」神は私たちと共におられるという驚くべ出来事でした。「共におられる神」とは、私たちの世界の現実を超越し傍観しておられる神ではなく、私たちと共に歩まれる方であるということです。イエスが私たちと同じ洗礼を要求されたのはこのことを示唆しております。神は私たちの同伴者また同行者で、私たちの弱く崩れ落ちそうな心を強めて同伴し同行して下さり、わたしたち自身が問題の解決のための当事者として困難などに向かい合う、その歩みに伴って下さる方です。「エマオ途上の二人の弟子たち」の物語（ルカ24:13）を思い起して「インマヌエル」とのメッセ－ジに勇気と希望を抱いて新しい一年を歩みだしたいものです。（司祭　バルナバ　関　正勝）