聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂

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2024年2月25日 大斎節第2主日(2024/02/22)

「それからイエスは、人の子は必ず多くの苦しみを受け、長老、祭司長、律法学者たちによって排斥されて殺され、三日の後に復活することになっている」(マルコ福音書8:31)
イエスはピリポ・カイザリアの村々に弟子たちと向かわれる途中で弟子たちに「あなた方は私を何者だというのか」と問いかけておられます。(マルコ8:29)この問い掛けはイエスと共に伝道の歩みをしていた者たちだけに投げ掛けられている問ではないでしょう。今の私たちすべての者に投げ掛けられている問に他なりません。イエスは十字架の上から私たちに問い掛け続けておられます。洗礼者ヨハネから洗礼を受けられたイエスは天(父なる神)からの「あなたは私の愛する子、私の心に適う者」(マルコ1:11)との声を聞かれます。しかしイエスは40日間「荒れ野にいて、サタンの試みを受け・・」(12)ています。サタン・悪魔の誘惑についてはマタイ福音書が伝えています(4:1以下)。それぞれの誘惑の内容はみな私たちの直面する困窮に対する願望を満たす誘惑に他なりませんでした。イエスはそれらを神からの言葉によって退けられています。悪魔の誘惑は私たちのいわば弱みに付け込むかのような誘惑でした。今日の福音書の弟子たちへの問い掛け、そしてペトロの答え。ペトロにしてこの誘惑に勝てませんでした。ペトロはイエスが十字架を負って歩まれる「苦難の僕」(イザヤ書53・03以下)であること、その十字架上の死は私の十字架を背負っておられる姿であること、そのようにして私たちの救いを成就されるメシアであることを受け留めきれていませんでした。イエスからサタンとさえ諫められなければならないペトロでした。そしてこの誘惑に容易に陥らないではおれない私たちのイエス告白がありはしないか、とペトロがイエスから「サタン」と諫められた悲しみに思いをいたします。 (司祭 バルナバ 関 正勝 )

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