聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂

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11月20日 降臨節前主日(特定29)(C年)(2022/11/18)

「イエスの頭の上には『これはユダヤ人の王』と書いた札も掲げてあった。」ルカによる福音書23:38
十字架の上に掲げてあった札というのは、政治犯としての罪状書きということであろう。ローマ帝国としては、「ユダヤ人の王」もこうして十字架刑につけることができるという風に権力を誇示するパフォーマンスでもあったと思われる。しかし、時間が経ち、歴史が進んでいくと、この十字架につけられたイエスこそが救い主として神さまに認められた「王の王、主の主」であると信じる人がどんどん増えていった。そして、紆余曲折は経たものの、300年ぐらい経つと、そのローマ帝国自体がこのイエスを自分たちの救い主として信じていくようになっていった。「神の子」さえも殺す力があると思っていたのだが、神の愛の力、イエスの救いの業は、時間こそかかったものの、それを遥かに超え、その「力による結果」をひっくり返していった。そして、その十字架のイエスは今も、苦しみの中にある人々と共にあり、悲嘆にくれる人に勇気と希望を与え続けている。(司祭 シモン・ペテロ 上田憲明))

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