聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂

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11月27日 降臨節第1主日(A年)(2022/11/25)

「愛は律法を全うするものです」ローマの信徒への手紙13:10
教会の暦は本日降臨節第一主日より更新され、新しい年になり、礼拝で用いる日課もこれまでのC年からA年へ変わります。そして冒頭に掲げた聖句も、A年の降臨節第一主日の使徒書「ローマの信徒への手紙」にある言葉です。短い簡潔な言葉ですが、聖書の中心を射抜く重要な言葉のように思えます。
 私たちは無秩序の中では生きていけません。人間は極めて秩序的な生物とも言えるでしょう。そして共生していくために、互いに殺し合わないためにも、人間は決まり・律法を必要とします。しかし、共生のための重要な決まり律法が、生きるための戒めである法が、逆転し人間を縛り窒息させ、手足を縛る拘束衣に変化するのも簡単です。イエスがユダヤ社会に出現したのは、まさに人々を縛り、差別の構造に変化した律法を、神がそれを定めた当初の「人間を活かす戒め」に取り戻す働きをしたと言えないでしょうか。そこでイエスはその生涯をかけて、「愛することを第一の掟」とし生き抜いたのです。
「あなた方に新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。」<ヨハネ福音書13:34>
このことをパウロはいみじくも「愛は律法を全うするもの」と宣言しているのです。
私たちの教会においても、様々な決まりがありますが、常に「愛は律法を全うする」という言葉を心に抱き、互いに助け合って歩みたいと思います。(退職司祭 パウロ 佐々木道人)

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