「マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」マタイによる福音書1:21
イエスさまの名前は、旧約聖書に出て来るヨシュアが由来の名前で、その意味は「主は救う」。マリアの子として生まれたイエスさまの使命が、この天使の言葉によって父となる予定のヨセフに語られている。旧約聖書のヨシュアは、モーセによって任命され、モーセの死後にイスラエルの民を率いてカナンの地に攻め入った。軍事的、政治的王様というような形での活躍が伝えられている。一方、そういうヨシュアに対して、このイエスさまは「民を罪から救う」使命を持っていると語られる。神さまによって、罪の贖(あがな)いをご自分の十字架の死を通してもたらす方として、この後語られることになる。むしろ、軍事的、政治的、宗教的な権力者たちから裁かれ殺されることを通して、イエスさまは神のわざ、恵み、愛を表す方として、わたしたちを救われることになる。 (司祭 シモン・ペテロ上田憲明)






