聖路加国際大学 聖ルカ礼拝堂

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2022年12月25日 降誕日(A年)(2022/12/31)

「言葉は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理に満ちていた。」 <ヨハネ1:14>
「人が神になること、神が人となること」
今年のプロ野球セリーグの三冠王になったヤクルトの村上宗隆三塁手は、その活躍のため、スポーツ新聞などで「村神様」と呼ばれ、カミサマになってしまいました。ずいぶん昔にも西鉄ライオンズの稲尾和久投手はその剛腕のため、「神さま仏さま稲尾さま」と呼ばれたことがありました。そのような時日本では神様も仏様も仲良く肩をならべてしまいます。これら超人的な活躍の人間を神様と呼びたくなるのは、私たちの神様観が反映されています。神様とは人間が不可能なことを可能にする能力を備えている偉大な光り輝く存在というのが一般的な神様の有様なのでしょう。さて本日のクリスマス、降誕日のテーマは以上の私たちの神様の常識を驚くことにひっくり返してしまいます。「神が、傷つけば痛み血が流れる肉体を備えた人となる」ということです。それが本日のヨハネ福音書の「言葉は肉となって、わたしたちの間に宿られた。」という聖句に示されている内容です。神がその栄光を捨てて、私たちと同じ痛み苦しむ者になるという逆説です。しかしヨハネ福音書は続けます。「私たちはその栄光を見た。」注意しなければならないのは、ここで言われる「栄光」とは、私たちの思う神様の栄光ではなくて、栄光をすててまでも私たちに近づき、愛してくださる神の栄光なのです。「光は暗闇の中で輝いている。」<1:5> (退職司祭 パウロ 佐々木道人)

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