「あなたがたは地の塩である」（マタイ5:13）「あなたがたは世の光である」(マタイ5：14)
今日の福音はイエスの「山上の説教」と言われる箇所からの一節がとられています。「私たちは地の塩」「私たちは世の光」。いずれもが私たちの日常生活にとって必要不可欠なものです。「塩」は触媒として、また食物の腐敗などを防ぐ作用を持っています。触媒は物の内に隠れている性質や力を引き出してくれます。「さじ加減」と言った表現が表していますように、塩の加減は素材の持っている良さを高めもし低めもする、と言われます。塩の多さは高血圧に良くないなどと言われて、注意を促されることの多い方もおありではないでしょうか？実に塩と言う存在は貴重である、と言えましょう。また「世の光」。『聖歌集』の476番では「希望」という主題のもとでこのように光を求めて歌われます。「（１）暗闇　行くときには　主イエスが示された　輝く星をもとめ　光に顔むけよう（おりかえし）　光は闇を照らし 昼は夜をつつむ　とりまく影をぬぐいて　光を仰ぎ見よう　（２）救いのない苦しみ　行く手をふさぐとも　主のみ手に支えられ　光求め歩もう（おりかえし）（３）悲しみは喜びに　争いに平和を　死の中には命を　さあ光を灯そう(おりかえし)」。イエスが示された光のなんと力強く心を励ましてくれることでしょうか。悲しむ者が声を合わせて光を求めて歌う時、私たち自身が「地を味付ける塩」また「世の光」とされるとの約束を固く信じて歩みたいものです。（司祭　バルナバ　関　正勝）