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2003年 CCEA Full Assembly 会議の報告
(於 韓国 ウィーワン市)

4年に1度開催されるCCEA(Council of the Churches in Est Asia)会議は、アジア9地域・20管区・教区代表約70名が参加して、ソウル近郊のウイーワン市で10月1日から8日までの期間開催された。日本からは五十嵐主教、三鍋管区総主事、八幡管区渉外主事、米山友美子さん(青年代表)の4名が参加した。プログラムは早朝聖餐式、聖書研究・キーノートスピーチ・グループデイスカッションとその発表、韓国文化歴史理解のため・及び韓国聖公会のアウトリーチの現状把握のため、諸施設の見学等であった。主日(10月5日)は各グループごとにソウル教区の教会の主日聖餐式に参加して、主教が説教を、司祭が補式をした。

                                                                                    

行事・見学の内容と感想

主日礼拝は各教区・管区がソウル教区の教会で聖餐式を持った。

日本聖公会は水原市のt.tephen's(ギョウドン教会(校洞))において三鍋司祭が司式を補佐、五十嵐主教が説教をした。この教会の礼拝はハイチャーチで、その上とても力強さを感じた。クワイヤーがとてもすばらしかったが、後で聞いたところでは、ソウル教区主催のコンテストで毎年優勝しているとの事。日曜学校(小学生以下)の子どもが礼拝後歌をお披露目した。日曜学校はとても活発で、若い人が指導者でがんばっている。中学生・高校生のためのプログラムも充実している。主日聖餐式は3回持たれ、平均200名の陪餐者がある。

                                                                                                       
聖書研究・キーノートスビーチ・グループディスカッションは、お互いに関連のあるテーマで、

アジア諸国の経済に対する欧米社会の影響による南北の対立や貧困国から働きに出る労働者(migrant worker)問題等を検討した。韓国社会にはアジア諸国から来た季節労働者が約40万人いる。この状況に対して韓国聖公会は積極的に取り組んでいる。季節労働者の大半が違法に滞在しているが、合法・違法滞在に拘わらず、シャロームハウスと名づけた複数のサボートセンターで彼らの援助をしている。

                                                                                                       
南北の対立を体験するために板門店を見学した。38度線をまたいで会議用デスクが置かれている

会議室の中でのみ38度線を越えて北朝鮮側に立つ事が出来る異様な体験をした。屋外は非常に静かな中で北朝鮮の兵士が38度線の北側で南側を見つめて護衛の体勢をとり、韓国の兵士が北側を向いて同様に護衛の体勢をとっていたが、異様な緊張感があった。緊張度が高い証拠に、走る事・手を振る事を厳重に禁止された。この様な行動をとる事により北朝鮮側を刺激するから禁止している、と知らされた。

                                                                                                       
韓国聖公会のソウル大聖堂はソウル市の町の中心にあり、
毎主日800人の信徒が礼拝をまもっている宣教のための拠点である。韓国聖公会の信徒が非常に誇りにしている事が感じられた。
                                                                                                       
韓国聖公会が運営している、ホームレスのためのシェルターの見学。
IMF危機直後の社会状況(経済的危機が起こり多数の人が失業を余儀なくされた)に対応するために、政府と韓国聖公会が共同で立ち上げた施設である。政府によりそれまでの韓国聖公会の社会事業の成果がとても高く評価された結果、政府の援助がもらえたようで、韓国聖公会の社会における位置づけが非常に高い事を理解できた。過去には最大1000名の世話をしたが、今は350名位に落ち着いている。
                                                                                                       

Yoido Full Gospel Church(単一の独立教会)を見学。

会衆が70万人〜80万人と称していて、カリスマテイックな教会。会議室のような所で教会設立の説明を受けたが、とてもよく組織化された説明だった。時間の関係で礼拝堂を見る事は出来なかった。
                                                                                                       
チェアムニ虐殺事件の現場見学。
堤岩里(チェアムニ)事件とは1919年4月に朝鮮独立運動弾圧のために旧日本軍の引き起こした虐殺事件。この事件の内容を史実として保存する事を目的に堤岩里教会の敷地内に建設された記念館で、日本語の解説付きのビデオを見て、事件の理解を深めた。30名近い人が当時の教会の中に閉じ込められて焼き殺されたと言う史実。パンフレットには「赦しこそすれ、忘れるなかれ」と記されている。
                                                                                                      
その他の行事。

2日目の夜はソウル教区主教チョン・チョルボム主教主催の晩餐会。他教派の代表や観光省の役人を含めて100名以上が参加した大晩餐会。ソウルの3〜4のテレビ局のカメラが晩餐会の間ずっとまわっていた。ここでも韓国聖公会の社会的な位置づけが高い事を認識した。4日目の晩はウィーワン市のある京畿道(日本の県よりも少し大きい地方自治体)の知事招待の晩餐会。

                                                                                    

CCEAのこの会議に参加して、アジア地区の管区・教区がお互いに理解を深め、協動する事が必要である事を感じた。フィリピン、ミャンマー、マレーシアなどは貧困地域であり、教会が自立する事がかなり困難ではないかと思われる。このような情況に拘わらずこれらの地域の教会が、宣教のための努力を惜しまずにがんばっているのを見ると、日本聖公会としては何が出来るのか、何をすべきかを明確に定義した上で、それを行動に移す事が要求されていると感じた。例えば、日本聖公会はフィリピン聖公会に対して聖職養成の援助をしてきたが、これをさらに長期にわたって継続する事はその選択肢の一つではないだろうか。

                                                                                                       

送り出す側・受ける側共に問題がある季節労働者に関して何らかの対応機関をCCEA内に設置したいという動議が、フィリピン聖公会によって提案された。CCEAの存在意義が執行組織でない事や、執行については教区間でやるべきであるという理由で、提案は取り上げられなかった。これで問題が解決されたわけではなく、貧困問題と共に季節労働者問題はCCEAメンバー教会の重大問題となっている。

                                                                                                       

2007年に開催予定の次回会議までの4年間を任期として、CCEAのExecutive Committeeのメンバー5名の選挙が行われ、初めての参加にもかかわらず、私がその一人に選出された事に感謝します。他のメンバーは台湾教区の信徒、香港島教区司祭、南フィリビン教区司祭、プサン教区主教、私を含めて計5名での構成。          

(渉外主事八幡眞也)

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