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《イラン大震災募金のお礼とご報告》 
 昨年末にご協力をお願いいたしましたイラン南部バムにおける大震災被害救援募金に対しましては皆様から多大なご協力をいただき厚く御礼申し上げます。3月24日現在で海外緊急援助資金を別に皆様からささげられました献金の総額は4,447,399円に達しております。1月早々に第1次送金としてAction by Churches TogetherとEpiscopal Relief and Developmentに150万円ずつ計300万円を送金いたしました。まだ献金が寄せられて参りますので4月の主事会議まで待ち、献金先を相談した上で最終の送金をいたしたいと存じます。お礼と共にご報告申し上げます。また、今回のイラン大震災だけではなく、世界中でいろいろな困難に直面している人々のことをお祈りの中にお憶えくださいますようお願い申し上げます。

 米国聖公会総裁主教からは丁重なお礼状を頂戴いたしましたのでここに紹介いたします。
イラン大震災復興支援のための協力献金に対する米国聖公会からのお礼状
2004年3月18日
 過日、米国聖公会のERD(Episcopal Relief and Development)基金に、皆様のご厚意に溢れた13,966ドル(150万円)の献金を頂戴いたしましたことに心よりの御礼を申し上げます。皆様のすばらしい献金のお陰で世界中の困難の中にある人々に手を差し伸べることが出来ます。

 私は自分たちだけが孤立して生きているのではなく、いろいろな文化、習慣、宗教を持つ人々の大きな家族の中に生きていることに深く心をいたします。聖公会中の兄弟姉妹のお支えがこの思いをより強くしてくれます。特にこの時にあたり、自己利益の世界を乗り越えて出て行かねばなりません。

 ERDを代表いたしまして、今一度皆様の大きなご厚意に御礼を申し上げます。私たちの活動への皆様のやさしいお支えによって、私たちはこの世における神様のお働きを進めることができ、この意味で感謝に堪えません。
キリストにあって、  
Frank T. Griswold
米国聖公会総裁主教


               《新刊紹介》
『ユダヤの知恵箴言カレンダー』
   勝村 弘也 編著
発行・聖公会出版(B6判228n・2000円+税)
 典型的な知恵文学の一つとされてきた旧約聖書の「箴言」から、現代にも通じる言葉を選び出して、一年365日に割り振り、一日一話形式の解説を施して、親しみ易く有益な読み物として構成されているのが本書の特色である。

 編著者の勝村氏は「並行して岩波書店から刊行予定の箴言の翻訳を進めていた関係から、箴言からことばを選んで新しく翻訳することは最初からできていたようなものである。これらを適当な月日に割り当てることは、80パーセントくらいまでなら大した苦労は要らなかった。解説文の方も最初の100くらいは、すぐに書いてしまった。しかし事柄の性格上、書き進めば進むほどネタが乏しくなってくる。同じような教訓を繰り返すのはおもしろくないし、自分の体験談を入れ過ぎると嫌味になる。」それに、「現代のような変化の烈しい時代においては、時局にあまりにも適合しているような話題は、すぐに古びてしまう…」「一冊の書物になる以上は、ある程度の時流の変化には耐えるものでなければならない…」と編集の苦心を記している。なお、365日分のことばは、「箴言」からだけでなく、「コヘレトの言葉」からも18日分が選ばれている。

 本書の解説が、平明懇切にして奥深いものであることを示す一例を挙げてみる。たとえば、7月11日のことば「貧者と抑圧する人とは、互いに出会う。両者の眼に光を与えるのはヤーウェである。(箴言29・13)」に対して記されている、―『神は万物の創造者です。ということは、お金持ちも貧困に喘いでいる人も、権力をふるっている人も権力者の横暴に苦しんでいる人も、どちらも神によって創造された存在なのです。だれにも「眼に光」がある限り、つまり生きている限り、神によってその生命が与えられているのです。この事実を深く心に刻み込めば、権力をほしいままにして人を抑圧することの愚かしさが分かるでしょう。』という解説によって、私たちは「箴言」が語る歴史的意味と今日的意義とを容易に把握することができる。全ページにわたって解説の行き届いた良書である。

 ところで、本書と似たような意図から、ほぼ同時期に刊行された『一日一文 英知のことば』(木田元 編・岩波書店)と読み比べてみたことからの感想を記したい。たとえば、3月24日に引用されているラスキ(イギリスの政治学者)の著書からの一文、「一口にいえば、キリスト教が解決しようとした問題は、一方には貧民における貧困の存在と、他方には富者の富を侵犯から防衛する国家権力と、この二つをいかに和解させるということにあった。そしてその問題を、一切露骨に本質だけをいえば、彼等は、貧民たちに、富者には困難な来世の救済を約束することによって、解決したのであった。」(『信仰・理性・文明』より)

 この日(3月24日)に関する名言として取り上げられている所以は、ラスキが1950年3月24日に死去していることにある。マルクス主義の影響を受けた学者ラスキの著書からの引用箇所についての注解は何も付されていない。一年365日、それぞれの日に誕生しまたは死去した著名人の言葉を選んで配列したという、聖公会出版『箴言カレンダー』の懇切で丁寧な内容と比較すれば、一見まことに簡明な編集である。読者はその日に(生没が)関係する著名人の言葉を読んで、その意味を自分なりに考えなくてはならない。にもかかわらず岩波版『一日一文』は2004年1月に第1刷を発行して2月には第4刷まで重ねた。結果的に成功した本づくりと言えるのだろう。

 そもそも一日一話という編集手法は、その日に扱う内容の位置付けが、365日のそれぞれに、どこかで示されていることが分かることで読者は納得し、読書意欲が持続されていくものである。あえて言うならば、聖公会出版『箴言カレンダー』は、もう少しこの面の配慮をも払ってほしかった。せめて、12か月の旬日毎でもよい、教会暦の節目毎でもよい、『箴言カレンダー』が苦心して配列している豊かな内容に加えて、それを読み進めていくための指針・いざないの言葉が、この本のページの欄外に少しでも記されていることで、本書の利用価値はさらにたかまると思う。とてもよい本であるだけに、本書増刷の機会にはこの点を是非検討していただきたい。
(広報主事 鈴木 一)
フランシス ボーランド師 (オーストラリアCMS宣教師)
2004年3月定年により退職。4月13日オーストラリアへ帰国予定。
1980年12月来日、日本聖公会大阪教区に派遣。梅田学園英語専門学校専任講師および聖パウロ教会にて伝道師として、またプール学院チャプレンとして奉仕された。
ジョン R.バーグ司祭 (英国聖公会)
2004年3月定年により退職。4月22日英国へ帰国予定。
1968年来日、横浜ミッション・ツー・シーフェアラーズ・チャプレンとしてまた横浜クライスト・チャーチ牧師として奉仕された。
お二人の長い間のお働きに感謝いたします。
■立教学院奨学金についてのお知らせ
 立教学院では、1998年度から「聖公会教役者の子及び聖公会神学院校長の推薦する大学院学生に対する立教学院奨学金規程」を制定しており、聖公会教役者の子で、立教学院の各学校の児童、生徒・学生に対して奨学金を交付しております。つきましては、次年度対象となる方がいましたら、申請されますようお知らせいたします。

 なお、申請の受付は小学校、池袋中高、新座中高は各校事務室、大学は財務部資金課でおこなっており、締め切りは4月末日です。

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