復活節6主日

<特   祷>

 全能の神よ、罪人の制御できない心を治められる方はあなたのほかにありません。どうかわたしたちに、主の戒めを喜び、主の約束を慕う恵みを与え、移り変わりの多いこの世において、常に心を変わることのない喜びに置くことができますように、主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

<聖   書>

ヨハネによる福音書14:23~29

<メッセージ> 主の平和に満たされて

父と子と聖霊のみ名によって アーメン

この時期、陰暦からしますと、「小満」小さく満ちると書きます。意味は、草木が茂って天地に満ち始める季節。確かに緑が濃くなっていく季節です。

私は、「小満」の季節は、「身も心を少しずつ満たされる季節がやってくる」と言う意味かと勝手に解釈しています。

聖公会の教会の暦からしますと、私たちは復活節を歩んでいます。その復活節も終わりに近づき、主の昇天の日・昇天日と聖霊降臨の祝日を迎えようとしています。そのこともあるのでしょう、今日の福音は、目に見えない神の力・聖霊を通して、主イエスが共にいてくださるという新たな現臨を、祝い喜ぶようにと私たちを導いています。聖霊によって私たちの身も心も満たされるように、導かれる季節が近づいています。

ヨハネ14:23「私を愛する人は、私の言葉を守る。私の父はその人を愛され、父と私はその人のところに行き、一緒に住む。」

主イエスを愛し、慕い求め、主イエスのことばを守ることは、主イエスのまことの弟子であることの証拠・しるしです。同時に、このことによって神さまはその人を愛し、神さまと主イエスの方から、その人のところに近づき、その人の内に住んで下さると言うのです。

 ヨハネ14:6で主イエスは言われました。「私は道であり、真理であり、命である。私を通らなければ、誰も父のもとに行くことはできない。」主イエスと共に道を歩めと言われましたが、今日の福音では、主イエスだけではなく神さまも、近づいて来てくださり、私たちの内に住んで下さり、いのちを与えてくださるというのです。私たちも主イエスに近づきたいと願う。同時に主イエスの方から近づいて来てくださっているのです。

 そして、ヨハネ14:25、主イエスが共にいてくださる・主イエスの現臨は、新たな姿を取ると主イエスは言われます。それは、人の目には見えないけれども確かに与えられる神の力・聖霊という姿で、私たちと共にいてくださると言うのです。

 私たちが、聖霊の働きを信頼し、主イエスのみ言葉と親しく歩む時、神の力・聖霊が働き、必要なことを教え、大切な主イエスのことばを思い起こさせてくださいます。先主日の福音もそうでしたが、この後、主イエスは十字架の道を歩んで行かれます。ヨハネ13・14章の一連の主イエスのことばは、主イエスの「遺言」ともいえることばです。私たちが生きる上で、大切なことを遺言として残してくださっています。

 本日の福音の中での主イエスの遺言は、「平和の賜物」のことです。

ヨハネ14:27「私は平和をあなたがたに残し、私の平和を与える。私はこれを、世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」ヘブライ語ではシャロームです。良い状態、健やかであること、いのち、調和、平安、そして、平和を意味します。ギリシャ語ではエイレネーです。平和の意味ですが、バラバラになっているもの、別れ別れになっているものが、再びむすびつくそういう意味をもっています。ここで主イエスの口から語られた「平和」とは、傷つき傷んでいないいのちが弟子たち、私たちに生き渡るようにと言う願いが込められています。

 世が与える平和とは違うと主イエスは言われます。今、ロシアの理不尽なウクライナ侵攻を受けて、平和が祈り求められています。政治家の声は、敵地攻撃能力を持つ、核共有を議論しろ、防衛費を増大せよ、憲法9条を改正すべき、早急に答え出そうとしています。この世の平和は、平和・平和といいながら、戦争のほうに滑っていく危険性を私は感じます。

 題名を忘れてしまったのですが、ある絵本にこのようなやりとがありました。

 「戦争はなぜ起きるの。」「人間が愚かだからだよ」「どうしたら愚かじゃなくなるの」「ちゃんと考えることだよ」 日本の政治家は早押しボタンを、連打しているようです。

「剣を取る者は剣で滅びる」、「汝の敵を愛せよ。」それが主イエスの教えです。「戦争はいけない。」非戦、不戦が主イエスを信じる者の立つところです。

 私たちは、不安や恐怖にとらわれのではなく、主イエスがくださる平和・シャローム・いのちに生きる者であることを願いましょう。

 そして、戦火が一日も早く終わるように、祈り、声を上げて行きましょう。

 同時に、歴史や、異なる意見に聴きながら、しっかり世界を見つめましょう。

父と子と聖霊のみ名によって、アーメン

<ウクライナの平和のための祈り>

正義と平和の神よ、 

わたしたちは今日、ウクライナの人々のために祈ります。 

またわたしたちは平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。 

明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。 

平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、 み旨に適う決断へと導かれますように。 

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。 

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン。 

<主の祈り>

主の祈りをご一緒に唱えましょう。

天におられるわたしたちの父よ、

み名が聖とされますように。

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです アーメン

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