復活節第5主日

<特   祷>

全能の神よ、あなたをまことに知ることは、永遠の命に至る道です。どうかわたしたちが、み子イエス・キリストは道であり、真理であり、命であることを深く知ってみ跡に従い、永遠の命に至る道を絶えず進むことができますように、主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

<聖   書> ヨハネ13:31~35

<メッセージ> 新しい教え?

父と子と聖霊の御名によって アーメン

本日の福音は、キリスト教にとって、最も大切な教えの一つであります。主イエスが十字架上にいのちを投げ出される前夜、最後の晩餐の席上で弟子たちに語った言葉です。この地上に残していく弟子たち、そして、今を生きる私たちに対する主イエスの遺言ともいうべき教えです。主イエスがその生涯をかけて伝えたかったことを、この最後の時に語られたのです。

「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。」ヨハネ13:34~35

隣人愛の教えは、旧約聖書にもあります。レビ記19:18「復讐してはならない。民の人々に恨みを抱いてはならない。自分自身を愛するように隣人を愛しなさい。わたしは主である。」とあります。他の宗教にも隣人愛の教えはあるでしょう。しかし、主イエスの隣人愛の教えには、新しさが加わっています。主イエスならではの特徴的なことが付け加えられています。それは何でしょうか。「わたしがあなたがたを愛したように」です。神さまの愛、主イエスの恵みがまずある、前を走っている、前走しているのです。

主イエスが十字架の上で、私達への愛のゆえに命を投げ出されたことが、まずあるのです。主イエスは、すべての人の罪の赦しと贖い、闇から救い上げる、買い戻すために、十字架の道を引き受けられました。「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15:13)というみ言葉を自ら生きられたのです。「わたしがあなたがたを愛したように」このことが、主イエスの隣人愛の新しさです。

さらに、もう一つ新しいことがあります。「互いに」ということです。このことを教えるために、ヨハネ13章の1節以下ですが、主イエスは席を立ち、腰に手ぬぐいを下げて、弟子たち一人ひとりの足を洗われました。だれが一番偉いかと論じ合う弟子たちに、互いに足を洗い合う、仕え合う者となるように、身をもって、「互いに」ということを教えられたのです。

私たちは、主イエスの十字架の死と犠牲によって、神さまと結ばれた兄弟姉妹なのです。互いに、大切にし合って生きていくこと、それこそが主イエスが私たちに対して切に願っておられることです。そのことによってのみ、私たちが主イエスの弟子であることが明らかになるのです。(ヨハネ13:359

主イエスの新しい教えは、隣人を重大視します。そして、それは仲間内に留まらず、身の回りに広がっていきます。「何事も利己心や虚栄心からするのでなく、へりくだって、互いに相手を自分よりも優れた者と考え、めいめい自分のことだけではなく、他人のことにも注意を払いなさい。」(フィリピ2:3・4)

今日の世界は、通信網の発達によって、小さな村になったと言われます。ウクライナで起こっていることも、対岸の火事ではありません。

人間は居場所があってこそ安心して生きていけます。他人の居場所を勝手に奪ってはなりません。ウクライナの人々の苦難な悲しみを我が事として感じ取っていく必要があります。今こそ、隣人愛の出番です。

十字架の主イエスは、最後の最後まで両手を広げて、人々を私たちを招いていてくださいます。

私たちは、主イエスの隣人愛の中を生きましょう。主イエスの隣人愛の輪を世界に向かって広げていきましょう。もう一度主イエスの新しい教えを聴きましょう。「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。」ヨハネ13:34~35

父と子と聖霊の聖名によって アーメン

<ウクライナの平和のための祈り>

正義と平和の神よ、 

わたしたちは今日、ウクライナの人々のために祈ります。 

またわたしたちは平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。 

明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。 

平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、 み旨に適う決断へと導かれますように。 

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。 

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン。 

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人を

ゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン

関連記事一覧

PAGE TOP