降臨節第4主日

<特   祷>

全能の神よ、み子の訪れによってわたしたちを清め、心の闇を照らしてください。主が来られるとき、主にふさわしいみ住まいを、常にわたしたちのうちに備えることができますように、父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられる主イエスによってお願いいたします。アーメン

<聖   書> マタイ1:18~25

<メッセージ> こんな天使がいたらいいな

父と子と聖霊の御名によって アーメン

 

今私たちは、教会の暦では。降臨節、アドベントを歩んでいます。クリスマスのいろいろな出来事を見て、聞いて、読みます。今日の福音では、ヨセフです。マリア、エリザベト、ザカリア、アンナ、羊飼い、羊、東方の博士たちが登場します。そうした出来事の中で、活躍するもう一つの存在があります。それは天使たちです。

 先日、友人からユッタ・バウアーの「いつも だれかが・・・」(上田真而子訳 徳間諸店 2022)という素敵な絵本があると教えてもらい、早速、読んでみました。扉の裏表紙に「うれしいときもかなしいときもいつもだれかがそばにいた。あぶないときはたすけてくれた・・・。幸運だった一生をふりかえる祖父と、その話に耳をかたむける孫と、ふたりを『見守る存在』とを描いて、ヨーロッパを感動の渦にまきこんだ話題の絵本。」見えない天使が私たちを守ってくれていると言う絵本。人生生きていく上で、さまざまなことに出会います。こまったこと、苦しいことを、なんとか無事に切り抜けたとき、ほっとするだけではなく、よくもまあ乗り越えられたものだと思うことがあります。この絵本は、もしかしたら、天使がいて助けてくれたのかもしれないと思わせる本です。

 目に見えないけれど、困ったときに、助けてくれる天使、こんな天使がいたらいいですね。

 天使には名前のある天使もおります。天使ガブリエル。今日の福音の天使に、名前はありませんが、重要な役割を担います。

 ヨセフは人生の大ピンチにいます。婚約者のマリアが、身ごもっていることを知ります。その子はヨセフの子ではありません。当時のユダヤの社会的慣習からすると、婚約者の男性は、妻に対するのと同じ権利をもっていました。ヨセフはマリアと会堂に訴えることもできました。他の男性の子を宿していると。それは石打の刑・死罪にあたりました。しかし。マリアを愛していたヨセフは思い悩みます。ひそかに別れようと考えます。この時、神の使い・天使が活動を開始します。ヨセフの夢の中に現れ、マリアが神の力・聖霊によって子を宿したこと、恐れずに妻として迎え入れるように告げました。ヨセフは、天使に「はい」を言いました。神さまは天使を通して、何を私たちに示そうとされたのでしょうか。

 マリアから生まれるこどもは、神さまからのこどもであることです。二つ目は、かつてユダ王国が危機的な状況であった時、イザヤの預言が告げられました。イザヤ7:14です。「主ご自身があなたがたにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって男の子を産み、その名をインマヌエル(神はわたしたちと共におられる)と呼ぶ。」主イエス誕生の時も、そして今も危機的な状況が続いています。 しかし、神さまは民を見捨てることがなく、苦しみの中にあなたと共にいると約束してくださいます。

 人生の大ピンチに天使はヨセフと共にいて、マリアと赤ちゃんを守ります。

 きっと私たちにも、目には見えませんが、天使が一緒にいてくれます。

 そして、もっと大きなプレゼントを神様は用意されています。もうすぐ降誕日・クリスマスです。インマヌエル、神共にいますことを指し示す主イエスがお生まれになります。私たちと共にいることを願ってやまない主イエスがお生まれになります。メッセージの終わりに、新生賛美歌73の詩をお聴きください。

 ナチス・ドイツに抵抗し、捕らえられ、ドイツ敗戦の直前処刑されてしまった神学者にボンフェッファーと言う方がおられました。大変優れた牧師さんで、彼が生きていたら、第2次世界大戦後のキリスト教会がどんなにすばらしいものになったかと言われる方でした。処刑の判決を受けたとき、彼は言いました。「これが最後ですが、私にとっては始まりです。」

処刑される4か月前に婚約者マリアと家族に詩を贈りました。その詩が賛美歌になっています。見守ってくれる存在に思いを向けさせてくれる賛美歌です。

1、善き力に われかこまれ

  守りなぐさめられて、

  世の悩み 共にわかち

  新しい日を望もう

  過ぎた日々の 悩み重く

  なお、のしかかるときも

  さわぎ立つ 心しずめ

  みむねにしたがいゆく

  善き力に 守られつつ

  来るべき時を待とう

  夜(よ)も朝も、いつも神は

  われらと共にいます

2、たとい主から 差し出される

  杯は苦くとも

  恐れず、感謝をこめて

  愛する手から受けよう

  響かせよ、主のともし火

  われらの闇の中に

  望みを主の手にゆだね

  来るべき朝を待とう

  善き力に 守られつつ

  来るべき時を待とう

  夜も朝も、いつも神は

  われらと共にいます

 「善き力」とは天使を意味しているそうです。ボンフェッファー牧師が見つめていた方を、私たちも見つめつつ、クリスマスを迎えましょう。

全能の神よ、み子の訪れによってわたしたちを清め、私の心の闇とこの世界の闇を照らしてください。アーメン

<ウクライナの平和のための祈り>

正義と平和の神よ、

わたしたちは今日、ウクライナの人々のために祈ります。

またわたしたちは平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。

明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、み旨に適う決断へと導かれますように。

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人を

ゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン

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