聖霊降臨後第14主日

<特   祷>

慈しみ深い神よ、あなたはみ恵みを常にわたしたちに先立たせ、また伴わせてくださいます。どうかこの恵みによって絶えずすべての良い業を行うことができますように、主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

<聖   書> マタイ16:21-27

<メッセージ> いのちとは何でしょうか

父と子と聖霊の御名によって アーメン

 先日、日野原重明著「生きていくあなたへ―105歳 どうしても遺したかった言葉」を読みました。残された時間がもうあまりないとお感じになった日野原先生は、今いちばんしたいのは対話ということで、問いがあり、それに先生が応えるという形のご本でした。

 中に、次のような問いが出てきました。「先生は命の尊さを伝える活動を続けてこられましたが、命とはどのようなものなのでしょうか。」

 その応えの一部をご紹介します。先生は命の尊さを伝えるために、「いのちの授業」と言うテーマで、10歳の子どもたちと交流してこられました。

 先生はこどもたちにこう問いかけます。「命はどこにあると思う?」子どもたちは心臓のあたりを指したり、脳みそと答えたりします。

 先生は「心臓はカラダを動かすために働いている単なるポンプのようなものだよ。脳みそはいろいろなことを考え出す機能をもったカラダの一部でしかない。命とは君たちが使える時間の中にあるんだよ。

 君たちは毎朝ごはんを食べて、学校に来て勉強して、友だちと遊んで・・・・。これは誰のためにしていると思う?すべて自分のためだね。子どものうちはそれでいい。自分のために使いなさい。だが、君たちが大きくなったら、時間をほかの人のため、社会のために使わないといけない。

 そう気づく時が必ず来るよ。大きくなったら、君たちの時間をできるかぎりまわりの人のために使ってください。・・・・自分のために使った時間より、人のために時間を使ったほうが多い人が天国に行けるんだ。」

命はどこにあるのか、命はあなたが使う時間の中にある。それは他者への愛、隣人愛のことでしょうか。皆様はどう思われますか。どうお感じになりましたか。

星野富弘さんも同じようなことを言っておられます。星野さんは、ご存知の方もおありですが、23歳の時、中学校の体育の先生でしたが、トランポリンの指導中に、回転に失敗して、首から落ち頸椎を損傷、寝たきりになりました。人のお世話にならないと生きていけなくなり、こんな人間が生きていていいのかと深く悩まれました。聖書と出会い、このような自分でも神さまは大切に思って下さっていると知り、生きていていいのだと生きる勇気を与えられます。

そして、口で鉛筆を加えて字を書き、詩(ポエム)や絵を書くことができるようになり、そのことでまわりの人々(今は世界中の人々)を励ましたり、勇気づけておられます。

星野さんは言います。「どんな時にいのちを感じるかというと、人のために生きる時です。いくら自分で欲しいものを手に入れ、おいしいものを食べても、それはそのときだけで終わってしまいます。一番の喜びを感じる時は、やはり他の人々のために何かができたときです。自分のやっている事が、他の人の役にたったとき、一番いのちが躍動します。それと同時に、自分の中にも感謝の気持ちが湧き出てきます。いのちは自分だけのものではなく、誰かのために使えたとき、いのちは喜ぶのです。」

さらに、星野さんの詩には、「いのち」という詩があります。

いのちが一番大切だと思っていたころ

生きるのが 苦しかった

いのちより 大切なものがあると 知った日

生きているのが嬉しかった

今日の福音をもう一度お聴きください。16:25「自分の命を救いたいと思う者は、それを失うが、わたしのために命を失う者は、それを得る。」

自分の命を救いたいと、自分のために自分の時間を使う者はそれを得ることができないが。わたし(神さま、主イエス)のため、他者のために自分の時間をささげる者は、豊かに命を得、救いに与るのであります。

また、キリスト者(洗礼・堅信に与っている私たち)は、すでに神の国は約束されていますから、徐々に自分を手放し、他者のために祈り、隣人と共に歩む道を進みたいと思います。

父と子と聖霊の御名によって アーメン

<ウクライナとロシアの人々のため、平和のための祈り>

正義と平和の神よ、

わたしたちは今日、ウクライナとロシアの人々のために祈ります。

またわたしたちは平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。

明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、 み旨に適う決断へと導かれますように。

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン。

<黙想しましょう。>

大阪教区成立100周年の年、わたしたちが聖霊の働きに心を開き、神の御力が大阪教区に豊かに注がれますように。教区婦人会100周年を憶えて

この社会にあって、居場所がなく、生きづらさを感じている人々のため

新型コロナウイルス感染症の収束のため

戦争に苦しむ人々のため 特にスーダン、ミャンマーの人々

世界各地の災害(地震、洪水、山火事、台風)犠牲者・被災者を憶えて

<主の祈り>

主イエスが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ、

み名が聖とされますように。

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人をゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです アーメン

<祝   福>

主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりがわたしたちと共にありますように。アーメン

関連記事一覧

PAGE TOP