聖公会とは?

聖公会の特徴

「キリスト教」とひとくくりにした言い方がされますが、2000年の歴史の中で、じつにさまざまに多様化して、今に至っています。わたしたちの「聖公会」は、どんな特徴を持っていると思われますか?ちょっとだけですが、ご紹介しましょう。

聖公会は中道(ヴィア・メディア)の教会です

 キリスト教に中道とか過激派とかあるの?と不思議に思われるかもしれませんが、16世紀以降の宗教改革の中で、いろんな主張が生まれたのは事実です。もともと、一つであるはずのキリスト教会は、ローマカトリック教会、東方教会(正教会)、プロテスタント諸教会など、多くの教派に分かれ、時には激しく対立したこともあります。

聖公会は、宗教改革の結果生まれた教会としてはプロテスタントに属していますが、古代教会が追求したカトリック的(普公的)伝統を大切にしています。ですから、み言葉(聖書)とサクラメント(イエス・キリストの体と血をあらわす、パンとぶどう酒をいただく聖餐式・ミサなどの儀式)の両方を大切にしています。そういう意味で、プロテスタントとカトリックの両方の側面・特徴を取り入れていると言っても良いかも知れません。そのような教会のあり方を、「ヴィア・メディア(中道)」と呼んでいるのです。

 さらに聖公会は、そうした諸教会が互いに「違い」を認めつつ再び一致に向かうこと(エキュメニズム)を支持しています。そのため、自らを「ブリッジ・チャーチ(橋渡しの教会)」と呼んでいます。

「聖書」と「伝統」と「理性」を大切にしています

 「聖書」を大切にするのは、その中に、全人類の救い主であるイエス・キリストの出来事がすべて記されているからです。

 「伝統」を大切にするのは、教会の中に蓄えられたこれまでの歴史的経験を受け継ぎ、未来に向けて発展させようとしているからです。

 「理性」を大切にするのは、聖書や教会の伝統に眼を向けるとともに、新しい真理の発見にたいして開かれた態度をとっているからです。また、理性に基づく他宗教との対話にも積極的に関わっています。

多様性を認めます

 このような信仰が、2000年にわたって代々受け継がれ、民族や国を超えて世界に広がり、世界の多くの人々がイエス・キリストを信じるようになりました。そして、神の愛とゆるしを心に受け止めて生きようとする人びとが日曜日に集って聖書の教えを聞き、また、神に自分自身を向けようとするのが、キリスト教会の礼拝だといえるでしょう。あなたも神からの招きと愛を受けていることを、ぜひ実感していただけるようお勧めいたします。

聖公会の礼拝

 私たち聖公会では、礼拝(れいはい)をとても大事にしているだけでなく、儀式の形・方法・内容・道具・礼拝堂などには、いろんな特徴と意味が込められています。そして、祈祷書・聖歌集・聖書が、いつも3点セットで用いられます。(聖書・バイブルは、日本語訳でも多数種発行されていますが、私たちは「新共同訳」を公認使用しています。)

 礼拝は、日曜日。[主日(しゅじつ)]の午前中に行なう聖餐式(せいざんしき・ミサ)が、中心となりますが、朝や夕方の礼拝、洗礼式、結婚式、子ども祝福式、通夜・葬送式、新築家屋や新車の祝福、キリスト教学校の行事など、人生の必要に応じ、また生活に密着して多種多様な礼拝・祈りを行なっています。

 1年間の時の流れには、季節の変化・節目があります。いわゆる「暦(こよみ)」です。聖公会では、教会暦を大切に守り、信仰生活にリズムとアクセントを持たせています。

イエス・キリストは過去の方ではなく、現在も常に生きて、わたしたちと共におられることが重要なことです。ですから、この独特の暦は、主イエスに関わる多くの出来事や、記念日で構成されています。季節(期節)を「色(祭色)」で表わしていること、ご存知ですか?

*「紫」=悔い改め、慎み、待望を表します。降誕日を迎える準備としての降臨節(待降節)、復活日を迎える準備としての大斎節(四旬節)などに用いられます。

*「白」=喜びと純潔を表します。降誕日、復活日、主イエス命名の日、顕現日、昇天日、主イエス変容の日、諸聖徒日、その他、洗礼式、堅信式、聖婚式、特定の聖人祝日などに用いられます。

*「緑」=自然の色、神の恵みと成長、希望を表します。顕現節と聖霊降臨後の長い期節に用いられます。

*「赤」=炎の色、血の色を表し、聖霊降臨日、聖なる幼子の日、聖ステパノ日、聖週などその他、殉教者の記念日に用いられます。

 人の心・気分は、さまざまに変化します。独り静かに物思いにふけり祈りたい、活気があって元気の出る集会に参加したい、荘厳な雰囲気に包まれたい、怒りをぶつけたり喜びを聞いたりして欲しい、悲しみ・つらさを癒されたい、今の気持にぴったりな聖書のことばを聴きたい、等などです。思い切って飛び込んでみた教会の礼拝で、最初からしっくりいくなんてことは無理かもしれません。

 でも、「求めよ、さらば与えられん!」です。今の気持を教会の人に言ってみる、聴いてもらうと、あなたにふさわしい礼拝や、集会についてヒントが得られるかもしれません。その意味で、聖公会は豊かな礼拝リソース、チャンスに恵まれています。「聖公会の礼拝のスタイル・雰囲気が好き」という、形から入ってくる人も結構多いのです。

 聖公会の「祈祷書」による礼拝は、形から入る時に便利です。今祈祷書のどこを使っている、司式者は何をしているかなどは、となりにいる人に聞けば、すぐに分かります。心と声と動作を一つにして、「私たち」、聖職と信徒、あの方と私、みんなが一つ・一緒になる時、それが聖公会の礼拝です。あなたも、ともに礼拝をささげませんか!!

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