大斎節第1主日

<特   祷>

四十日四十夜、わたしたちのためにみ子を断食させられた主よ、どうか己に勝つ力を与え、肉の思いを主のみ霊に従わせ、常にわたしたちがその導きにこたえ、ますます清くなり、主の栄光を現すことができますように、父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられるみ子イエス・キリストによってお願い致します。アーメン

<聖   書> 創世記2:4b~9、15~17、25~3:7

        マタイ4:1~11

<メッセージ> 魂の体操

父と子と聖霊の御名によって アーメン

聖公会の教会では、今年は2月22日から大斎節に入りました。教会青年でありました頃、牧師さん(山本登司祭)から「大斎節を失う者は1年を失う」と言われたことを思い出します。

大斎節・レントは、復活日に洗礼を受ける志願者の準備期間として始まりました。4世紀ごろからその期間が長くなり、7世紀頃には、主日(日曜日)を除く40日間となったようです。40という数字は聖書の中で、特別な意味をもつ数字です。

 ノアの洪水は40日40夜続きました。(創世7:4~)

 モーセはシナイ山に40日間留まりました。(出24:18)

 出エジプト後のイスラエル民族は、約束の地に入るまで、荒れ野を40年間彷徨しました。(ヨシュア5:6)

 主イエスは、公の活動を開始される前、40日間昼夜断食をされ、悪魔の誘惑をお受けになりました。このように、40という数字は新しい土地への旅、準備、悔い改め、修行を現す聖書では聖なる数字となっています。先日再放送でしたが、フランシスコ・ザビエルの特集をテレビでやっておりました。ザビエルは、フランスとスペインに挟まれたナバラ王国の有力貴族の3男として生まれ、裕福な家庭に育ちました。スペインに攻め込まれ、一家は没落してしまう。ザビエル家を復興させるためには、大司教になるのが一番だと、パリの大学に留学します。当時、大司教になると、大きな資産が手に入ったそうです。

ザビエルはこのパリで、後イエズス会をザビエルと共に創設するイグナチウス・ロヨラと運命的な出会いをします。ロヨラは元軍人で、戦争で死線をさまよい、この世の富や領土を求めて争い合うことの愚かさを悟り、剣を捨て、修道士になります。ロヨラのモットーは質素と神と人に仕えること。ザビエルはロヨラの影響を受け、大司教になるなんて夢を捨て、ロヨラと共にイエズス会を結成し、質素に神と人に仕える修道士・宣教師になります。ロヨラが提唱した「霊操」で、ザビエルも一か月間、人里離れたところで霊操し、宣教師になっていたそうです。「霊操」というのは、「操」は体操の「操」ですので。魂の体操なんだそうです。私たち、この大斎節の40日間をどう過ごすのか。どのような魂の体操をしたらいいか、聖書に聴くことにしましょう。

まず創世記、人間創造の場面です。土の塵から人が形作られ、その人間の鼻から、神さまが命の息を吹き込まれて、人は生きる者となりました。そして、グッドパートナーを与えられ、エデンの園で、神さまに見守られ、人も神さまにのみ信頼をおいて、平安の内に暮らしていました。

ところが、食べてはいけないと言われていた善悪の知識の木の実を、蛇にそそのかされて食べてしまいます。人間が善悪を言い出すと、あまりいいことはありません。今の世界をみると、本当に混乱しています。一体だれが正しいのかわからない。創世記3章では、今まで裸でいても恥ずかしくなかったのに、恥ずかしいという思いが出てきます。このような状態では生きていけない、このような状況ではだめだという思いが、人間に起こってきてしまいます。

創世記の第1章の人間創造物語では、神の似姿に創造されて、神さまから「いいものができた。」と良しとされたのです。人間に、これもだめ、あれもだめ、隠そう、着飾ろうと言う思いが生まれてくる。

主イエスは私たちを救うため、神の国(エデンの園)に招き入れるために私たちのところに来てくださいました。荒れ野の誘惑で、悪魔の声と闘われるのですが、

父と子と聖霊の御名によって アーメン

<黙  祷>

 ウクライナとロシアほか戦争状態にある国々・地域に平和が訪れますように。

 サイクロンが襲い、非常事態宣言が出るほどの大きな被害が出ているニュージーランド北島はじめ災害の犠牲者・被災者のため。

 トルコ・シリアの大地震、犠牲者と被災者、救援に当たる人々のため。

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人を

ゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン

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