愛知聖ルカ教会、愛知聖ルカセンター、子ども造形教室(愛知県尾張旭市)、子ども英会話

子育ての悩みと発達障がい

子育ての悩みと発達障がい

Ø発達障がいは増えているのか?

 最近、「発達障がい」と診断される子ども達が増えています。どのぐらいの数の子どもたちが「発達障がい」と診断されているのでしょうか?正確な数字があるわけではありませんが、例えば、「自閉スペクトラム」という発達障がいの場合、こども全体の1%から2%が診断に当てはまるとされています。世界中でいろいろな人達が研究調査をしていて、調査した年次が新しくなるほど、数値が高くなる傾向があるようです。「注意欠如多動症(ADHD)」という発達障がいでは、アメリカ人の場合、なんと全体11%もの子供たちが診断を受けています。日本人ではどうなのでしょうか?まだ十分なデータがないのですが、全国の学校で実態調査した文部科学省の報告のから推測すると、大体3%ぐらいの子供達がこの診断にあてはまるといえそうです。イメージとしては、100人の子供達が集まれば、そのうちの5人から10人ぐらいは、何かの発達障がいを抱えているということになります。こんなにたくさんの子供達を「障がい者」にしまって、一体どうするつもりなのか?という批判があるのも事実です。確かに「障がい」という言い方は、誤解を招きやすい面があって、あまり適切ではないかもしれません。「発達障がい」ではなくて、「発達凸凹」と呼んだ方が適切だ、という意見もあるようですが、今のところこの呼び方が一般的となっています。

 

Ø子育ての悩みと「発達障がい」

 それでは、どのような子どもたちが「発達障がい」と診断されるのでしょうか。子どもたちのなかには「育てやすい子」もいれば、「育ちが心配な子」もいます。「言葉が遅い」「躾けがうまく行かない」「落ち着きがない」「親のいうことを聞かない」「友達ができない」「勉強や運動が苦手である」など、子育ての困りごとはいろいろあります。そういう時、ただ「いうことを聞きなさい」とか「もっと勉強しなさい」などと、直接的な表現で子どもに伝えても、なかなか上手くいかないことがあります。そうではなくて、なぜ上手く行かないのか、その原因を考えて対応した方が良い場合があります。誤解を恐れずに敢えて言うならば、

 

 子育てで困っていることがあって、その原因を深く知って解決しようとするなら、それは発達障がいです。

 

 子どもたち一人一人にはそれぞれの個性があって、得意なことや不得意なこと、好きなことや嫌いなことがあります。その「個性」が発達障がいです。子どもの育ちに何か困ったことがあるとき、その子の個性を深く理解して解決しようとすれば、「発達障がい」が見えてくるのです。全ての子どもたちが、そして大人たちも発達障がいといえるかもしれません。発達障がいを見つけるのが大切なのではなく、見つけて解決することが大切なのです。

 

 少し極端な説明をしてしまいましたが、実際には「全員発達障がい」では困ってしまうので、診断するための約束事(つまり、診断基準)が定められています。そこにはいろいろ難しそうなことが書いてありますが、結局のところ、「どの程度困っているのか」、ということと「どのぐらい困りやすい個性なのか」という二点を評価しているだけです。要するに、診断するか、しないかは程度問題ということです。

次のページへ

目次へ

お問い合わせ、ご相談はお気軽に TEL 0561-53-8937 受付 10:00-17:00(火・水・木・金)
    9:30-17:30(第2/4土)