大斎節第3主日

<特   祷>

全能の神よ、どうかあなたを呼び求める僕(しもべ)らの願いをみ心に留め、力あるみ手を差し伸べてすべての敵を防いでください。主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

<聖   書> ヨハネ4:5~26,39~42

<メッセージ> すべての壁を乗り越えて

父と子と聖霊の聖名によって アーメン

まず聖歌を歌いましょう。聖歌490番 神はせかいに あふれる愛を

 本日の福音は、大変美しい出来事であり、主イエスの活動の最も重要な一面を指し示しています。サマリヤの人々は、正統派のユダヤの人々から、あまりよく思われていませんでした。もっというと、大変低く見られていたのです。それはサマリヤの人々の宗教(ユダヤ教に近い)や習慣に、外国人の(異邦人)要素が混在していたからです。仲がよくなかったのです。

 主イエスは、ユダヤの地からガリラヤへ向かわれる途中、サマリヤの地を通られました。一日で一番暑い時刻、正午頃、主イエスはシカルというサマリヤの町、ヤコブの井戸のそばにおられ、旅に疲れて一休みしていました。

 この時間に水を汲みに来る人は、普通はいないのですが、この時、一人のサマリヤの女性が水を汲みにやってきます。人目を避けていたのかもしれません。詳しい事情はわかりませんが、後で彼女が深い悲しみを背負った人であることがわかります。死別したのでしょうか5人も夫がいた(レビラート婚?)が、今連れ添っている人は夫ではない。

主イエスは、このサマリヤの女性に「水を飲ませてください。」と言われた。弟子たちは食べ物を買うために町に行っていて、主イエスのおそばにはいませんでした。彼女は驚きます。ユダヤ人はサマリヤ人に話しかけないものだからです。主イエスは、そのようなことはお構いなく、人間にとって必要不可欠な水を、この女性にお求めになりました。

 中村哲医師の本を読んでおりまして、彼は医者としてアフガニスタンに入り、医療活動をしておられた。途中で気づくのです。この人たちに必要なのは水とパンなのだと。それから中村医師は灌漑施設を人々と作り、土地を耕し、人々と一緒に歩まれました。水とパンのある家庭があれば、平和な国に向かっての一歩を歩み出すことができるのです。

 主イエスは民族間の宗教の違いや対立を乗り越える、克服するための連帯の行為、生きていく上で必要不可欠なものを提供する行いを、この女性に求められるのです。主イエスは、大胆にこの女性に歩み寄っていかれます。「生きた水」というメッセージを語る環境が整います。サマリヤの女性にも「生きた水」を飲む権利があるのです。主イエスはことばをかけただけではなく、「生きたいのちの水」をお与えになります。主イエスの活動は、民族の壁、宗教の壁を乗り越えていくのです。キリスト教は普遍的な宗教なんて言われます。それは、私たちの間にある様々な壁を乗り越える宗教であると言うことです。

 サマリヤの女性の抵抗が、徐々に薄れていきます。彼女も飢え渇く民の一人なのです。彼女は、よくわかったわけではありませんが、「生きたいのちの水」を主イエスに求めるようになっていきます。

 彼女はユダヤ人やサマリヤ人の礼拝を越えるまことの霊費へと導かれていきます。真の礼拝は、わたしたちのすぐ近くにおられて、愛に満ちた、慈愛に満ちた神さまにささげられる礼拝でs。

父と子と聖霊の聖名によって アーメン

<黙  祷>

 ウクライナとロシアほか戦争状態にある国々・地域に平和が訪れますように。

 

 トルコ・シリアの大地震ほか大災害に見舞われている国々の人々、犠牲者と被災者、救援に当たる人々のため。

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人を

ゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン

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