年次報告

ガリラヤ湖畔

2016年度の活動

1) お話しを聴く会
2) 車いす体験講習会
3) ふれあいキャンプ
4) みんなでつくるクリスマスパーティー
5) 点字関連活動
6) 東京メトロ訪問

1)「お話を聴く会」 報告

牛込聖公会聖バルナバ教会聖堂での開会礼拝。写真中央の聖卓の前で日高執事が司式し、背面の十字架の下に橋本司祭が立たれている。左に要約筆記のためのスクリーンが立てられ、その横では手話通訳者が手話で礼拝を伝えている。大勢の会衆を聖堂正面上部に据えられたステンドグラスのイエス様が祝福している

聖堂での開会礼拝

日時 2016年7月2日(土)11時~15時
場所 牛込聖バルナバ教会
参加者 60名
参 加 費  1000円(昼食代を含む)
手話通訳 目白サインランゲージ
要約筆記 こひつじクラブ

礼拝11時~
司式 日高馨輔執事、 説教 橋本克也司祭
昼食と参加者紹介 12時~
お話 13時~

共に学ぼう「障害者権利条約」

特定非営利活動法人コイノニア
管理者・施設長 佐原 眞さん

障害者権利条約と障害者差別解消法

メルヘン・コイノニアの施設長の佐原さんに、メルヘン・コイノニアの歩みと紹介と共に、「障害者権利条約」と、4月から施行された、「障害者差別解消法」についてお話をお聴きして皆さんで共に学び考えました。
『ある社会がその構成員のいくらかの人々を締め出すような場合、それは弱くてもろい社会なのである。』
この言葉は国連が1981年の「国際障害者年行動計画」の中で掲げた一文です。この考え方から始まって国連は議論を進め、2006年12月障害者権利条約は生まれました。
「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」、の思いが基本となっています。

日本の状況

ようやく日本は2014年1月20日、障害者権利条約を受け入れました。発効は2014年2月19日です。
日本でも2年後には、締約国報告がなされねばなりません。この条約は、障がいのある人の人間らしい生き方を大切にしています。では、この条約がきちんと守られると、社会はどう変わるのでしょうか。その為に具体的な法律が定められ、『合理的配慮』『積極的な区別政策』『アクセシビリティ』が、取り組まれることになります。
これまで長い間、障害があるということだけで当事者は差別を受けました。
そういうことを考えますと、こういう法律ができて、法令順守すること、そのことは正にそのとおりだと思います。しかし、そこに本当の意味での、愛がなければむなしいものです。

主の示された道

イエス様はこの世での最後の晩に弟子たちの足を洗われ、「互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」と教えられました。自分の身を低くして絶えず向かい合うことです。

分かち合い・質疑応答 14時~

参加者による活発な意見の交換がありました。

閉会祈祷 15時

                   

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2)車いす体験講習会

 

日時:9月25日(日)14:00~16:15
会場:聖マーガレット教会
講師・介助者:7名、 参加者:27名

背景

この講習会は、過去に各教会グループの6教会に呼びかけ、地域の社会福祉協議会より講師を招いて開催され、2015年までに諸島グループを除く全教会グループを巡りました。

体験講習会

2016年は被介護者・介護者双方の気持ちをまず体験していただこうとの思いを込めて、「車いす体験」をテーマに掲げ、講習会を企画しました。会場は聖マーガレット教会にご提供していただき、近くの立教女学院にも校庭の一部を使用させていただきました。天候にも恵まれ、杉並区社会福祉協議会、杉並ボランティアセンターの全面的なご協力により充実した講習会を持つことができました。
 山口千壽司祭による開会の祈りのあと、講師として参加された、杉並区肢体不自由児者父母の会の2組の母子から、難病を抱えたお子様に寄り添った、車いす生活の折々のお話しを伺いました。車いすには利用者に応じて、さまざまな機能や特性が求められること、病気の進行や、車いす利用による障がいが起こり、より高機能の車いすを求める必要があったこと、そのような車いすの多くは外国製で、輸入に頼らざるを得ないこと、そしてそれらは大変高価であることなども話されました。
 その後、2~3人でチームとなり、交代で介護者と被介護者となり、車いす体験を行いました。コースは聖マーガレット教会⇒道路⇒立教女学院⇒道路⇒聖マーガレット教会屋内に戻り、トイレやエレベーターを利用しました。

分かち合い・振り返り

車いす体験を終えて皆で振り返りを行っている写真。前景に車いす。バックに話し合う参加者たち。

車いす体験を終え皆で分かちい

体験の後、分かち合いを行い、次のようなさまざまな意見や質問がだされました。
「両親の車いすを押していたが、慣れない人に押されるのが、いかに怖いかが分かった。」
「この講習会を3回受けた方に押してもらい、大変楽でした。講習会を何度も受けることは大変良いことだと思いました。」
「歩いていると分からないが車いすに乗ると、道のがたがたが相当に体にこたえる。」
「バスの窓から見られた。車いすに乗っていると、人の視線を感じる。」
「この教会はバリアフリーとされているが、電動車いすは教会のエレベーターには重量オーバーでした。トイレは手すりが短くて、介助なしでは不自由だと思いました。スイッチの位置が高く、電気もつけられません。今日は大変勉強になりました。」
「講師として参加してくれた、教え子に会えたのが嬉しかった。車いすを押す係をやってみないと問題がわからない。」
「日本はもの作りの高い技術を持っているのに、何故車いすの改良は進まないのだろう。」「日本では補助があまりないので高い車いすは売れず、企業も力を入れない。米国や北欧は国が支援するので高価な車いすの購入が可能で普及し、企業も力を入れて改良が進む。」
「日本は随分遅れていると感じた。車いすの方は随分ご苦労されている。パラリンピックでは本当に素晴らしい競技を見せてくれたことが印象に新しい。」等々。
 今回、講師のお二人に加え、障関連の会員のお一人も電動式の車いすで参加され、目的に応じてさまざまな機能を備えた、3台の異なる車いすを実際に目にして、説明を受けることができました。
 分かち合いの後、講師の方から、「車いす講習会に呼ばれることはあるが、子どもたちを対象としていることが多い。今回教会の信徒の方たちとこのような会をもてたことを、うれしく思います。温かく迎えてくれて、車いすの子どもたちも、今日はとても喜んでいます。」と語られました。最近は車いすを使う人や機会も増え、「車いすのことは良く知っている」と思われる方も多いでしょうが、障がいを持つ人や、そのご家族とともに、車いすを体験し、語り合い、その思いを分かち合うことも、この講習会が目的としているところです。

来年度の講習会

2017年も「車いす体験講習会」を計画しています。企画がまとまりましたらご案内いたしますので、ご関心のある方は、是非ご参加ください。また今後「車いす講習会」を開催したい教会(教会グループ)はお申し出ください。     

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3)ふれあいキャンプ

 

日時:2016年10月9日(日)15時
       牛込聖バルナバ教会に集合(貸切バスで現地へ)
         10月10日(月)17時
     牛込聖バルナバ教会にて解散
     *現地集合・現地解散もあり
開催場所:国立女性教育会館
     埼玉県比企郡嵐山町菅谷728
参加費 :3500円(宿泊費、2日目の昼食代として)
     *国立女性会館の運営民営化により宿泊料金値上げのため。
参加人数:男性18名、女性15名 計33名
準備  :ポスター、チラシを東京教区各教会、礼拝堂、北関東教区
     横浜教区の近隣の教会に配布。
     チラシを個人宛てに送付。

(1)キャンプの目的

  日常の忙しさから離れ、自然に恵まれた広大な敷地の中にある国立女性教育会館で障がいを持つ人とその家族、サポートする人が共に、ゆったりとした時間を過ごしそれぞれ好きなプログラムに参加しながらお互いを知り、交わりの時を過ごす。

(2)プログラム:1日目

開会礼拝(夕の礼拝形式)、オリエンテーション、自己紹介、簡単なゲーム、懇親会。

(3)プログラム:2日目

木々に囲まれた国立女性教育会館の緑の芝生の上で、子どもたちが野球を楽しんでいる写真

自由時間に子どもたちと野球

【午前中】(自由選択)
 ①自由散策
 ②日帰り温泉
 ③好きな聖歌を歌う会
 ④昼食作り
 【午後】
 昼食をとり、振り返り

(4)まとめ

今年は天気の影響等により仕事の都合で当日のキャンセルや、例年参加しているが体調が悪く参加できなかった方もいたため、寂しく感じることもあった。一方で、他宗派で初めて参加された親子(母娘)を含め、5名の新しい出会いに恵まれた。 また、昨年同様参加者の厚意により貸切バスを運転頂き、参加者にとって往復の移動はとても喜ばれた。 2日間のプログラムは強制的に何かに参加するというようなものではなく、各自が自由に選ぶことができるもので(何もしなくても良い)、とても居心地のよいキャンプであるということが、ふりかえりの声の中で多く聞くことができた。何もしなくても居心地がよいという雰囲気が、お互いに自然に分ちあい交流を持てる条件になっているではないかと思う。 今年から、参加費も500円値上げし3500円としなくてはならなくなったが、年1回のキャンプを心から楽しみにしている人たちのため、参加者全員に喜んでもらえるように今後もこのキャンプを続けていきたい。  なお2017年は10月8、9日に開催予定である。

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4)みんなでつくるクリスマスパーティ

 

第16回 クリスマスパーティー(外濠グループと共催)
2016年12月3日開催
於、目白聖公会

新しい名称

本年は、近年論議となっている「バリアフリー(の)」という言葉を外し、『みんなでつくるクリスマスパーティー』という名称で開催された。

みんなでつくる

工作グループ作業風景の写真。松ぼっくりやフェルトボールで小さなクリスマスツリーを作っています。

クリスマスツリー作り

例年通り、参加者全員が食事、ハンドベル、手話、工作の4つのグループに分かれて、パーティーの準備から始めたが、それぞれのグループが趣向を凝らした企画を立てている。車いす使用者のことを考えると場所が1階に限られるので、手狭な場所で準備をしなければならないグループもあったことが今後の課題の一つである。

みんなで発表

後半それぞれグループが準備した食事、飾り付け、ハンドベル演奏、手話の歌によってプログラムが進められたが、今年は初めての試みとして、聖誕にかかわる寸劇が行われた。事前練習なしにだれでも参加できるように工夫されたもので、障がいの有る無しに関わらず何人もが進んで出演を申し出るなど大きな盛り上がりを見せた。
参加者は88名、昨年は87名、一昨年は90名を超えたので、80名台後半~90名台という参加者規模が続いている。

                  

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5)点字関連活動

(1) 点字講習会

2015年11月に導入した、当会の新規点字プリンターの写真。横の作業台には点訳や点字プリンターをコントロールするパソコンとディスプレイが置かれています。

障関連の点字プリンターとPC

2016年6月11日(土)「便利なソフトと点字プリンターで点字の世界を体験してみませんか」と呼び掛けて、点字講習会を牛込聖公会聖バルナバ教会ホールにて開催。講師は障関連点字担当者と榎本千代乃先生(日本盲人キリスト教伝道協議会・月刊誌「信仰」編集主筆)。6人参加。点字の概説に引き続き、パソコンを用いて6点入力等の点字入力を体験してもらった後、便利な点字ソフトを用いて用意したテキストを点訳/編集し、点字プリンターで点字印刷した。出来上がった点字文を榎本先生に指読、添削していただいた。点字を身近に感じてもらうことができることから、2017年も同様の講習会の実施を予定している。
 お話を聴く会(7月2日)の後、関心のある方に点字プリンターを紹介し、プリント作業を実演した。

(2) 点訳活動

障関連の主催・共催する下記行事のチラシ、プログラム、礼拝式文や9月19日(月[祝])の教区フェスティバルの式文を点訳し・点字印刷を行った。点字講習会6月11日(土)、お話しを聴く会7月2日(土)、ふれあいキャンプ10月9~10日(日~月[祝])、みんなで作るクリスマスパーティー12月3日(土)。昨年に引き続き点訳の校正を榎本千代乃氏(前述)にお引き受け頂いた。

(3)点字プリンター関連備品の整備

昨年購入した点字プリンター の台(兼、備品入れ棚)を特注して設置した。耐震性も持たせた。
点字プリンター制御用のPCのOSをWindows10にアップグレードし、点字編集システムも5から7にアップグレードした。

              

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6)東京メトロ訪問

2016年9月9日、日本聖公会東京教区人権委員会と共に東京地下鉄株式会社(東京メトロ)を訪問し、同社のバリアーフリーに対しての取り組み、特にエレベーター・エスカレーター、昇降機の新規設置についてのお考えを伺った。


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