復活節第7主日(昇天後主日)

<特   祷>

み子イエス・キリストに永遠の勝利を与え、天のみ国に昇らせられた栄光の王なる神よ、どうかわたしたちをみなしごとせず、聖霊を降して強めてください。そして救い主キリストが先立って行かれたところに昇らせてください。父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられる主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

<聖   書> ヨハネによる福音書17:1~11

<メッセージ> 祈られ、祈り生きる私たち

父と子と聖霊の聖名によって アーメン

 本日は復活節第7主日ですが、またの名を昇天後主日と言います。それは先日5月18日が昇天日と言う大祝日で、それに続く主日だからです。昇天日は復活日から数えて40日目の木曜日にお祝いされます。復活の主イエスが、弟子たちの前で天に昇られました。ユダヤという世界の片すみに誕生し、生き、活動された主イエスが、「すべての人々の主イエスとなられた日」と言っていい大祝日であります。

その直後の主日が昇天後主日です。その福音書では、ヨハネ福音書17章1節以下「主イエスの祈り」が読まれます。十字架の出来事を前にして、主イエスは、弟子たちのためにお祈りされました。今日の箇所ではさらに、17:8「世から選んで私に与えてくださった人々に、御名を現しました。」とあります。そうです、私たちは、自分で主イエスを選んだのではないのです。神さまが世から私たちを選び出して、主イエスの友としてくださったのです。(ヨハネ15:16参照)

主イエスは、弟子のために、そして思い悩みながら今に生きる私たちのために祈ってくださっているのです。このことは、天に昇られ、すべての人の主となられたイエスが、今も私たちのためにお祈りして下さっていることを、今日の福音は示してくれています。主イエスの祈りの内に、私たちは生かされているということを、今日の福音は教えてくれています。私たちは主イエスに祈られて、生かされているのです。

さて、もう少し「祈り」について思いを深めてみましょう。

本日の福音を読んでおりますと、まず神さまと主イエスとの親密さを感じます。

各教会の週報を見ておりますと、多くの代祷項目・リストが記されています。

代祷・執り成しの祈りは本当に大切です。聖餐式では、前半のみ言葉のサクラメントと、後半のパンとぶどう酒のサクラメントをつなぐものです。思いを深めておきたいのは、この代祷・執り成しの祈りの源は、神さまと主イエスの親密さに倣って、私たちと神さま・主イエスとの親愛なる関係であり、そして、隣人愛です。神さまとの親密な関わりと、お祈りに憶える方々への愛であります。神さまは、私たちの心の声を、聴きたいと願っておられます。何か困った時、神さまのところに行って、ああしてほしい、こうしてほしいと神頼みすることも大切です。

しかし、本来的な祈りは、まず自分の本来のあり方、自分たちの存在の根拠に向かって心を開くという姿勢なのです。すなわち、私たちの命を成り立たせているものが、自分の中にあるのではなくて、神さまの働きの中にあるという自覚から祈りは出てくるのです。繰り返しになりますが、「祈り」というのは、自分の本来のあり方に対する自覚から生まれてくる行いなのです。私が神さまの内にあり、生きているという自覚であります。神さまからの息吹き・風(プネウマ)を私の心にお通しするのです。神さまからの風・聖霊の働きに向かって心を開こうとする姿勢が、祈りには大切なのです。そこに主イエスが働いて下さって、私たちを永遠の命へと導いてくださいます。17:3「永遠の命とは、唯一のまことの神であるあなたと、あなたのお遣わしになったイエス・キリストを知ることです。」

私たちは、弱く、欠け多きものです。私たちは、自分勝手で、自己中心的な傾きを持っていますから、本当に人を愛する、人のために祈るということは、完全にはできません。しかし、行く方向、向かう方向があります。愛そのものである主イエスを知っていくことで、人を大切に思う道へと導かれて行くのです。「祈り」と「愛」が私たちにとって信仰の車の両輪なのです。

そして、分裂し、傷ついている世界が、また私たちが1つになるように、十字架を前に、主イエスは祈って下さっています。17:11「私はもはや世にいません。彼らは世にいますが、私は御もとに参ります。聖なる父よ、私に与えてくださった御名によって彼らを守ってください。私たちのように、彼らも一つとなるためです。」「守ってください」「一つにしてください」と主イエスは、今も私たちのために祈ってくださっています。

今日のメッセージの終わりに、クリソストムの祈り(祈祷書136頁)をおささげしましょう。

今この共同の祈りに心を合わせて祈る恵みを与えてくださった主よ、あなたはみ名によって心を一つにする二人または三人に、み心にかなう願いを遂げさせてくださると約束されました。どうか、しもべらの願いをかなえて益とならせ、今の世では主の真理を悟り、後の世では永遠の命の恵みにあずかることができるようにお願いいたします。アーメン

(文語も素敵なお祈りなので参考に。今こころを合わせて主に祈る恵みを与えたまえる全能の神よ、御名によりて両三人あつまる時は、その願いを許さんと約したまえり。願わくは我らの益をはかりて望みと願いを遂げしめ、この世においては主の道を悟り、後の世においては限りなき命に至ることを得させたまえ。アーメン)

<ウクライナとロシアの人々と、平和のための祈り>

正義と平和の神よ、

わたしたちは今日、ウクライナとロシアの人々のために祈ります。

またわたしたちは平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。

明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。

平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、 み旨に適う決断へと導かれますように。

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン。

<黙想しましょう。>

大阪教区成立100周年のため

この社会にあって、居場所がなく、生きづらさを感じている人々のため

新型コロナウイルス感染症の収束のため

戦争や災害に苦しむ人々のため 特にスーダン、ミャンマーの人々、石川・珠洲市を中心とした地震被災者を憶えて。

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。

わたしたちの罪をおゆるしください。わたしたちも人を

ゆるします。

わたしたちを誘惑におちいらせず、

悪からお救いください。

国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。アーメン

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