復活日

<特祷>

全能の神よ、あなたは独りのみ子を死からよみがえらせ、永遠の命の門を開いてくださいました。どうか、み子の復活を祝うわたしたちを、聖霊によって罪の死から命によみがえらせてください。父と聖霊とともに一体であって世々に生き支配しておられる主イエス・キリストによってお願いいたします。アーメン

<聖書> ルカによる福音書 24:1~10

<メッセージ> 暗闇の向こうに

写真:「死んだ男の残した物は」

父と子と聖霊の御名によって アーメン

イースター、おめでとうございます。

婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。見ると、石が墓のわきに転がしてあり、中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。そのため途方に暮れていると・・・・・」(ルカ23:56b~24:4)

主のご復活を心からお祝い申し上げます。

「わたしたちが くらやみに とどまることのないように キリストはひかりとして 世に来られた。」(ヨハネ福音書12:46)

テゼの賛美の中に、この聖句に塩田泉神父が曲をつけた歌があります。機会があれば、是非皆様とご一緒に歌いたいと願っておりました。

 今世界中に暗闇の中にいると感じている方や、暗闇の存在を感じている方が多くおられるのではないでしょうか。新型コロナウイルスの存在がありますが、ウクライナへのロシア軍侵攻は、さらに闇を深くしています。3月2日大斎節レントが始まって、すぐの3月4日朝日新聞朝刊「天声人語」に、次のような一節がありました。「一人の兵士の視点から戦争への疑問を突き付けるのが、シャンソンの名曲『脱走兵』だ。フランスの作家ポリス・ヴィアンの手によるもので、招集令状を受け取った男がこんな手紙を書く。<大統領閣下 私は、戦争はしたくありません 私は可哀そうな人たちを殺すために 生まれてきたからではないからです>」そうなのです。誰も戦争で人を殺すために生まれてきたのではありません。誰も戦争で殺されるために生まれてきたのではありません。人は生きるため、お互いに愛し合い、助け合い、そして、仕合せになるために生まれてきたのです。しかし、人間社会では、殺す人、殺される人があり、暗闇が覆ってしまうのです。ウクライナだけではありません。ミャンマーやスーダン、コンゴ、シリア、パレスチナ、きりありません。世界が国家主義的な方向に進んでいるのではないでしょうか。

 主イエスは、私たち一人一人が「死から命へ」導かれるために、すべての人々のために、十字架の死を遂げられ、そして復活されたことを祝うこの時、私たちは改めて、1人の赤ちゃんの命と地球の重さはどちらが重いのかと言う問いが、とても大切な問いになっているのではないでしょうか。死ではなくて、主の平和がこの地上を、覆うようにお祈りしましょう。

 聖書にも暗闇が出てまいります。最も深い闇は、主イエスの十字架の出来事です。ルカ福音書22章39節オリーブ山での祈りから23章裁判と十字架の道行きを読みますと、主イエスの苦しみの深さ、主イエスを十字架にかける人々の闇の深さ、その人々の中に私の姿が重なり、私は頭を深く垂れるしかありません。そして、主イエスに従ってきた婦人たちも暗闇に覆われています。

この方こそ真の師・先生として慕い従ってきた婦人たちでした。しかし、師は十字架の上で、無残な死を遂げてしまわれました。大切な師を失った婦人たちは、主イエスの弔いをし、お墓を守って、思い出に生きていこうと思ったでしょうか。ところがお墓に行ったところ、ご遺体さえ無くなっている。自分たちはどう生きていったらいいのか、途方に暮れている婦人たちがいます。闇はさらに深まっているように思われます。

 しかし、お墓の中に、2人の天使がいて、こう言うのです。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。・・・・」婦人たちは、まだはっきりとはわかってはいませんが、何かが起ころうとしている、それも光を感じ始めます。聖書にも暗闇が描かれています。しかし暗闇の向こうに光が垣間見えてきます。主が復活されたことを、婦人たちは思い巡らしています。弟子たちはまだたわごとのようで、信じられません。ペトロは主のご遺体がないことをどう受け取っていいいか、頭を振りながら歩んでいます。主の復活の出来事が、はっきりと告げ知らされる時が近づいています。

世界中で、希望を失うことなく、平和が祈られています。私たちも世界中の人々と心を合わせて祈りましょう。暗闇の向こうに、復活の光・命の光があることを信じ、ひとりの赤ちゃんの命が大切にされる世界を祈り求め、そのために一歩を歩み出しましょう。

もう一度祈りを込めて歌いましょう。

 「わたしたちが くらやみに とどまることのないように キリストはひかりとして 世に来られた。」(ヨハネ福音書12:46)

父と子と聖霊の聖名によって アーメン

<ウクライナの平和のための祈り>

正義と平和の神よ、 

わたしたちは今日、ウクライナの人々のために祈ります。 

またわたしたちは平和のために、そして武器が置かれますよう祈ります。 

明日を恐れるすべての人々に、 あなたの慰めの霊が寄り添ってくださいますように。 

平和や戦争を支配する力を持つ人々が、知恵と見識と思いやりによって、 み旨に適う決断へと導かれますように。 

そして何よりも、危険にさらされ、恐怖の中にいるあなたの大切な子どもたちを、あなたが抱き守ってくださいますように。 

平和の君、主イエス・キリストによってお願いいたします。 アーメン。 

ジャスティン・ウェルビー大主教 

スティーブン・コットレル大主教

<主の祈り>

救い主キリストが教えられたように祈りましょう。

天におられるわたしたちの父よ

み名が聖とされますように

み国が来ますように。

みこころが天に行われるとおり地にも行われますように。

関連記事一覧

PAGE TOP