教会での葬儀について

教会での葬儀について

キリスト教の葬儀はどのようにするのですか?

通常、教会に集まり葬送式と呼ばれる礼拝が行われます。

 聖公会祈祷書の葬送式の内容は、通夜の祈り、葬送式、逝去者記念聖餐式(レクイエム)、逝去者記念式と呼ばれる礼拝があります。納骨、埋葬等の式は日を改めて行われることが多いです。

キリスト教会での考えは、死とは神様のおそばに帰る時と考えられ、いわば天国への凱旋であると考えられています。 そして葬儀は、神に召された人(神様のもとに行った故人)と、生きて世にいる人々がともに、「キリストが死と復活(死からの甦り)を覚えて神の前に祈る時」となっています。従って、残されたご家族やご友人は亡くなった方とこの世でのお別れということで悲しまれますが、一方でキリスト教徒の考えでは同時に神様のおそばにいることになるので、安心するという感覚も持ちます。

 祈りについても、故人に対して祈ることもそうですが、わたしたちと同じように神から命をいただいている故人とともに神に祈りを献げているという理解もお持ちいただくことが大切です。

 通夜、葬送式、レクイエム等々、それぞれに式文と呼ばれる冊子を用いて執り行われますので、これを用いてご参列ください。

教会でもお墓参りはあるのですか?

教会の暦(こよみ)に、諸聖徒日(11月1日)、諸魂日(同2日)という日が定められています。

 諸聖徒日や諸魂日は、すでにこの世を去って神のもとに召されたすべての人々を思い起こして祈ります。多くの教会や墓地では、この日あるいは11月に逝去された人々を記念する(思い起こす)礼拝が行われています。

 その他にも教会で聖餐式が献げられる時には、必ず逝去された方々のための祈りが含まれています。また特に逝去された方々を記念して祈る場合、教会や墓地、あるいは自宅で逝去者記念式や逝去者記念聖餐式(レクイエム)が行われます。

教会の葬儀や逝去者記念式に参列する時注意することがありますか?

教会の葬儀とは、キリスト教徒にとって、故人が神様のみ許(みもと)に召されるという、故人の天国への凱旋を祝う門出です。そのためことさら悲しみやお悔やみに過ぎる必要はありません。しかし遺族や友人などお身内の方は悲しみの中にある方々がおられると思いますので、その方々へのご配慮をお願いします。

 聖書には「泣く者とともに泣き、喜ぶものとともに喜ぶ」という言葉があり、共感を大切にします。先にご説明しておりますように、通常教会の葬儀(通夜の祈り、葬送式など)は、その礼拝の式文に従って執り行われます。

 式中では、祈りと歌、説教が行われます。参列者は、故人や遺族とともに、礼拝に参加します(祈りは故人に対してではなく、故人とともに神に献げるものです)。

 献花が行われる場合がありますが、これは棺を埋葬する時、参列者が土を被せることのシンボルだといわれています。喪章、数珠等は必要ありません。

 また教会用の不祝儀袋がお入り用の場合は、キリスト教書店等でお求めになれます。