主教教書(28) コロナウイルス感染症感染者数増加の中で

2022年7月29

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

 現在、「緊急事態宣言」発令はされてはおりませんが、7月20日以降東京都ではコロナウイルス新規感染者数が2万人を超える日が続いており、28日には4万人を超える数字が発表されました。
 「礼拝・公祷の一斉休止」には致しませんが、この状況を鑑み礼拝・公祷休止を決められた所もあります。
 同時に、休止予定のない教会・礼拝堂におかれましては、当初お送りしました「感染防止要件確保」項目の確認と遵守をお願い申し上げますとともに、より細かな状況分析と丁寧な協議のもとで礼拝・公祷実施の有無、あるいは延期に付き念には念を入れての判断をしていただきますようお願い申し上げます。
 判断が厳しく、また難しい状況にありますが、繰り返しておりますように自分のためだけでなく他の方がたのいのちをも守るために、キリストの教会としてくれぐれも慎重な判断や対応をしていただくように重ねてお願い致します。各々の現場の判断へ一層の導きと励ましと祝福をお祈り致します。
 ワクチン未接種者、あるいはできない、しないと判断されている方がたもおられることも心に留め、そのような方がたへの配慮を忘れず一層深く互いに祈り合いながら、この局面を共に歩んでいきたいと深く祈ります。
 罹患された方がたの回復、医療現場にて命がけで献身しておられる方がた、エッセンシャルワーカー、諸施設や教育機関等で献身していらっしゃる方がたの働き、生活上の不安や困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、そしてこの危機の収束を切にお祈り致しますとともに、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈ります。

以上

                     

甦りのいのちに与りながら

2022年4月17

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

+ イエス様の甦りを感謝し、お祝い申し上げます

 「週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った」と、福音書にあります。婦人たちがお墓へと急いだのは、今は亡き過去の方となった、そして、それ以外には考えようのないイエス様の葬りの備えのためでした。ところが、そこにあるはずのご遺体が見つからず途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人が現れ、言います。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか」と。婦人たちはイエス様の言葉を思い出しますが、簡単にはイエス様の甦りを信じることはできなかったことでしょう。
 けれども婦人たちは、「ここにはおられない」という言葉を受けてあちこち探し回りはせず、反対に「ここ」だけに注目して「イエス様が消えた、ご遺体が無い」と騒ぎ立てもしませんでした。もしそうしていたなら、「結局は甦りなどあり得ないことだ」で終わってしまったことでしょう。しかし、婦人たちはイエス様の言葉を思い出し、イエス様の言葉に心を添わせ、自らをコミットさせました。
 さらに、福音書はこうも書き残しました。「あなたがたより先にガリラヤに行かれる。そこでお目にかかれる」と。そのお告げを聞いた婦人たちは、恐れながらも大いに喜び、急いで墓を立ち去り、天使の「お目にかかれる」という言葉を心に深く刻み込んで弟子たちに知らせるために走って行きました。ともすると、どのように甦えられたのかというほうに関心が向きがちですが、本当に大切なことはイエス様にお目にかかる、それ以上にイエス様のほうから出会ってくださるということです。しかも、お目にかかるとはちらっと見たとか、通りすがりに見たのではなく、相見えた、しっかり向き合い始めたということです。福音書に登場する多くの人たちは、イエス様に向き合い、向き合っていただくことを通して人生に大きな転換が起こったり、神様に造られ、いのちの息吹を注ぎ込まれた本来の自分を取り戻したりしました。
 また、福音書は「あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。そこでお目にかかれる」と、今も私たちに伝えてくれています。そのガリラヤとは、かつて弟子たちがイエス様に出会い、イエス様から出会っていただき、お召しに与り、神様のいのちの内に第一歩を踏み出した所であり原点であり、今度は甦りのイエス様との出会いが備えられ、待ち受けている所です。このガリラヤに例えられる原点は私たちにも備えられています。不安の絶えない世の中ですが、甦りの恵みと力に与り、日々新たに歩み続けていくことができるよう祈り合いたいと思います。
 また、ウクライナでの悲惨な状況に置かれている方がた、未だ不安の拭えないコロナウイルス感染症に苦しむ方がた、医療に献身、従事しておられる方がたのために祈り続けます。
 神様の御恩寵の内に、主イエス・キリストの甦りの時を迎えられますように。

                     

 大斎節を迎えて

2022年3月4

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

 大斎節最初の主日には「イエス様の荒れ野での誘惑」の話を聴きます。これは「神様に立ち向かい、徹底して従い仕えていく道こそ私の歩むべき道だ!」と歩み出されるに当たってのイエス様の決断、選択、再確認の出来事とも言えましょう。ちなみに、マタイ福音書では「イエスは悪魔から誘惑を受けるため、霊に導かれて荒れ野に行かれた」とあります。

 

 ところが、目撃者はいないようですので、イエス様の心の深い所で起こった葛藤が物語になったとも言われますが、誰をも差し挟ませない、イエス様と神様とだけの強く、深い結び付きの中になされたものとも思えます。

 

 イエス様は、既にヨルダン川でヨハネから洗礼を受けられたということは、ご自身の進むべき道を選び取られたということでもあります。しかし、この期に及んでイエス様が選び取られた道と決断に向かって「誘惑」という横槍が入りますが、悪魔の一連の誘惑は却ってイエス様の決断と選択を強めこそしたものの、変更させ、脆弱なものにさせるものにはなりませんでした。そして、悪魔の誘惑にイエス様が打ち勝たれたのは単にイエス様個人のためだけではなく、私たちのためでもあります。そうでなければ、イエス様の働きは全ての人の救いのためであるという聖書のメッセージやそこに拠って立っているキリスト教信仰そのものが崩れかねないからです。

 

 悪魔は空腹のイエス様目指して攻め込んできますが、既に救い主としての歩みを選び取られたイエス様にとって「食べようか、やめようか?食べたらみっともないとか、神の子でなくなる!」という選択ではなく、神様の栄光と人々の救いの為に何をすることが救い主として神様の御心に適うことなのかという所に立っていらっしゃいます。イエス様は、徒に精神論だけを振りかざすのでもなければ、反対に物質至上主義を唱えてもいらっしゃいません。そうではなく、私たちの命も生活も救いも、一切は神様の働きなしには成り立ち得ないものなのだということを、ご自身の苦しみと闘い、飢えることを通して示して下さいました、そのことを心に刻み込みながら、今年の大斎節の歩みを始めて参りたく祈ります。

 

 今、ウクライナでの出来事はじめ、世界では私たちの心を痛ませる出来事が起こっています。恨みや憎しみは何も生み出さず、全てを打ち壊すものでしかないことを心に深く留め、イエス様に倣い、祈りを以て悪の力と闘い続けたいと思います。

 

 「四十日四十夜、わたしたちのためにみ子を断食させられた主よ、どうか己に勝つ力を与え、肉の思いを主のみ霊に従わせ、常にわたしたちがその導きにこたえ、ますます清くなり、主の栄光を現すことができますように アーメン」

                     

主教教書(27) まん延防止等重点措置発令に当たり

2022年1月25

使徒聖パウロ回心日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

 オミクロン株の感染拡大により、1月21日(木)~2 月 13 日(日)まで「まん延防止等重点措置」が発令されました。
 感染率がこれまで以上に高い一方で、重症化率は低いと言われてはおりますが、決して重症化しないというものではりません。

 「緊急事態宣言」時のように「公祷・礼拝の一斉休止」は発しませんが、各教会・礼拝堂に於かれましては、これまで以上に慎重な判断、協議のもとで礼拝・公祷の有無、あるいは中止等に付き判断をしていただきますようお願い致します。
 自分のためだけでなく他の方がたのいのちも守るために、キリストの教会として慎重な判断や対応をして頂くように重ねてお願い致します。各々の現場の判断に向け導きと励まし、祝福をお祈り致します。

 慎重な検討の基、公祷・礼拝休止の判断をされる教会・礼拝堂、また聖堂・礼拝堂に来られない方も少なくないこと、ワクチン未接種者、あるいはできない、しないと判断されている方がたもおられることを心に留め、そのような方がたへの配慮を忘れず、一層深く互いに祈り合いながら、この局面を共に歩んでいきたいと思います。
 祈りの連帯の内に神様のいのちの息吹を頂き、共に生かされている、このことを謙虚に、そして感謝をもって心に刻みたいと思いますとともに、罹患された方がたの回復、医療現場で献身されている方がた、諸施設で働かれている方がたのためにも祈ります。

 なお、礼拝状況、万が一感染された方が出られた際には高橋顕司祭(教区事務所総主事)までご一報くださるよう、お願い申し上げます。

 不安と緊張の続く折ですが、信徒・教役者皆さまのご健康と心の平安、そして信仰生活、霊的生活への励ましを祈り続けます。
 そして、祈りを通じて結び合っていることを強く信じ、祈りの内に主が共に歩み続けて下さることを、ご一緒に深く心に刻みたいと思います。皆さまのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。

以上

                     

2021年クリスマスメッセージ 光は闇の中で輝いている

2021年12月24

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸


 ある夜、しかし、その夜の出来事は後々世界中を引っくり返す、神様によってなされた出来事の始まりの夜でもありました。その夜の出来事を「その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。『恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである」』「すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」と福音書は記しています。
 神様は天使を通して、ベツレヘムの飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子イエス様こそ世の救い主であられることを力強く伝えます。降誕劇を観ていますと、何とも感動的で美しい場面ではありますが、ヨセフとマリアの心中を察しますと、むしろ辛く、不安が渦巻いていたことでしょう。しかも、上述のように真夜中の出来事だけに、真っ暗闇という不安や恐れを抱かせる力に取り囲まれている中でのことでした。そうであるにもかかわらず、神様はこの真っ暗闇の中での出来事を全ての人の救いのためとして伝え、祝福されます。
 その救いをもたらされるイエス様は、きらびやかな宮殿でも、立派な邸宅でもなく、なんと飼い葉桶に寝かされていらっしゃいます。泊まる場所もなく、あちらこちらの宿屋で断られ、たらい回しにされたようなマリアとヨセフでした。けれども、天使は力強く神様の心を伝えます。「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである」と。
 イエス様が、なんと飼い葉桶に寝かされていらしたことは、この世で誰からも顧みられなかったかのようなマリアとヨセフにとって、一層の辛さや不安を大きくさせたことでしょう。まさに、心の中は闇で覆い尽くされていたはずです。しかし、神様はそこで事を終えられはしませんでした。つまり、イエス様が寝かされた飼い葉桶こそ、この世を覆っているさまざまな闇を表していると同時に、その闇の中に神の救いの光が燦々と輝き始めた場所でもあります。

 罹患された方がたの回復、医療現場に於いて命がけで献身、従事しておられる方がた、エッセンシャルワーカー、諸施設の働きと、そこで献身していらっしゃる方がたの働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈ります。 一日も早い収束と安心、安全が取り戻されることを祈り、皆さまお一人お一人の、そして世界の平和をお祈り致します。
み子の訪れによってわたしたちを清め、心の闇を照らしてください アーメン

主教教書(26) 緊急事態宣言解除に当たり

2021年10月1

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

 

 9 月 30 日(木)、四度目の緊急事態宣言が解除されました。ここのところ感染者数減少も見られますが、一方で東京都では「リバウンド防止措置」が発令され、まだまだ予断を許さない状況に在ります。

 前メッセージでもお伝えしましたが、引き続き、各教会・礼拝堂に於かれましては、慎重な判断、協議のもとで礼拝・公祷再開の有無、あるいは延期に付き判断をしていただきますようお願い致しますとともに、自分のためだけでなく他の方がたのいのちも守るために、キリストの教会として慎重な判断や対応をして頂くように重ねてお願い致します。各々の現場の判断へ導きと励まし、祝福をお祈り致します。

 慎重な検討の基、いま暫く様子を見るとの判断をなさる教会・礼拝堂、また聖堂・礼拝堂に来られない方も少なくないこと、ワクチン未接種者、あるいはできない、しないと判断されている方がたもおられることを心に留め、そのような方がたへの配慮を忘れず、一層深く互いに祈り合いながら、この局面を共に歩んでいきたいと思います。
 祈りの連帯の内に神様のいのちの息吹を頂き、共に生かされている、このことを謙虚に、そして感謝をもって心に刻みたいと思います。

 牧師任命式、堅信式につきましては、各教会や礼拝堂の事情によって異なると思いますので、求めがある教会には牧師・管理牧師と相談の上、事情などを伺い、個別対応をしたいと思います。

 不安と緊張の続く折ですが、信徒・教役者皆さまのご健康と心の平安、そして信仰生活、霊的生活への励ましを祈り続けます。
 そして、祈りを通じて結び合っていることを強く信じ、その祈りの内に主が共に歩み続けて下さることを、ご一緒に深く心に刻みたいと思います。皆さまのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。

以上

                     

主教教書(25) -緊急事態宣言延長の中で-

2021年9月17

洗礼者聖ヨハネ誕生日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

 

 現在、9月30日まで「緊急事態宣言」延長がなされています中、ワクチン接種の広がりにより感染拡大傾向に歯止めがかかり、新規陽性者数の減少も見られます。しかし、一方では変異株への心配もあり、政府からは「都道府県を越えて感染が拡大、あるいはまん延しており、医療提供体制や公衆衛生体制に支障が生じてきている」との見解が出されてもいます。
 依然として不安の拭えない中、各教会・礼拝堂に於かれましては、慎重に慎重を重ねての判断、方向性を定めておられますことに深く感謝申し上げます。引き続き、難しく、厳しい状況ではありますが、細かな状況分析と、より丁寧な協議のもとで礼拝・公祷再開の有無、あるいは延期につき判断をしていただきますよう、また、自分のためだけでなく他の方がたのいのちをも守るために、キリストの教会として慎重な判断や対応をして頂くように重ねてお願い致します。各々の現場の判断へ導きと励まし、祝福をお祈り致します。

 慎重な検討のもと再開が出来ない、あるいはしないと判断をされている教会・礼拝堂、また聖堂や礼拝堂に来られない方も少なくないこと、ワクチン未接種者、あるいはできない、しないと判断されている方がたもおられることを心に留め、そのような方がたへの配慮を忘れず、一層深く互いに祈り合いながら、この局面を共に歩んでいきたいと思います。
 祈りの連帯の内に神様のいのちの息吹を頂き、共に生かされている、このことを謙虚に、そして感謝をもって心に刻みたいと思います。

 牧師任命式、合同堅信式は延期を余儀なくされておりますが、今暫くは感染症の状況を注視し続け、延期の方向で参りたいと思います。なお、堅信式の希望につきましては、各教会や礼拝堂の事情によって異なると思いますので、求めがある教会につきましては、該当の教会の牧師・管理牧師と相談の上、事情などを伺い、個別対応をしたいと思います。  

 皆さまのご理解、ご協力を心よりお願い申し上げます。

以上

                     

主教教書(24) -緊急事態宣言を受けて-

2021年7月10

洗礼者聖ヨハネ誕生日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 

 大変残念なことに、オリンピック・パラリンピック開催への懸念の中、東京都、沖縄県に7月12日から 8 月 22 日まで、再度「緊急事態宣言」が発令されることになりました。前回、6 月 24 日付で「礼拝・公祷再開へ向けて」(「礼拝・公祷の一斉休止を解く」)のメッセージを発信しましてから一月も経たない中での出来事に心を痛めますが、この間、各教会・礼拝堂に於かれましては、入念な準備、確認、配慮をされ、方向性を定めておられますことに深く感謝申し上げます。

 今後、判断が厳しく、難しい状況ではありますが、前メッセージを基に各教会・礼拝堂に於かれましては、これまで以上に細かな状況分析とより丁寧な協議の上、礼拝・公祷再開の有無、あるいは延期に付き一層入念な判断をしていただきますよう、また自分のためだけでなく他の方がたのいのちをも守るために、キリストの教会としての慎重な判断や対応をして頂くよう重ねてお願い致します。各々の現場の判断へ導きと励ましと祝福をお祈り申し上げます。

 7 月以降、再開された所もある一方で、状況により直ぐに再開出来ない、あるいはしない判断をされている教会・礼拝堂、また聖堂、礼拝堂に来られない方も少なくないこと、ワクチン未接種者、あるいはできない、しないと判断されている方がたもおられることを心に留め、授かっている宣教の働きとともに、そのような方がたへの牧会的配慮を忘れず、一層深く互いに祈り合いながら、この局面を共に歩んでいきたいと思います。

 また、前回お送りしました「感染防止要件確保の確認」の項目の確認と遵守をお願い致しますとともに、祈りの連帯の内に神様のいのちの息吹を頂き、共に生かされている、このことを謙虚に、そして感謝をもって心に刻みたいと思います。

 社会との接点の中でのいのちと生活を支える尊いお働き、献身していらっしゃる方がた、関係者のためにもお祈りを捧げます。罹患された方がたの一日も早い回復、医療の最前線で献身しておられる方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致しましょう。

以上

                     

主教教書(23) -礼拝・公祷再開へ向けて-

2021年6月24

洗礼者聖ヨハネ誕生日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

 この度、6月20日「緊急事態宣言」が解除され、「まんえん防止等重点措置への移行」との方向が示されました。
 昨年 12 月 18 日、東京都は「医療提供体制レベル4」を発表し、それに対して東京教区では「礼拝・公祷の一斉休止」とし、再開は「医療提供体制レベル3」になることを目安として参りました。
 今も、東京都の「医療提供体制レベル」は依然「4」の表示のままですが、状況としては以下のような推移が見受けられます。
・昨年 12 月の「レベル3」の時点より現在は数値が低くなっていること・国の指標に東京都を当てはめますと、6 月 7 日より「感染状況」は「ステージ3」へ引き下げられていると判断することができること
・コロナウィルス感染症対策分科会の報告でも、病床使用率、重症化率の低下等が知らされていること
・未だ全体の割合は低いものの、ご高齢の方がたのワクチン接種が広がりつつあること
・コロナウィルス感染症への医療や日常生活に於ける対応が、経験、知識の積み重ねにより以前より深まり、異なった段階にきていること
 また、私たちは身体の健康もさることながら、心や霊的健康も大切なものです。長きに亘り霊の糧に与れずにいたことや、共に集えなかったことへの辛さは計り知れないものがあります。このことも、信仰生活に於いては度外視するわけにはまいりません。
これらのことを鑑みて、また 6 月 20 日開催の「拡大聖職会」での教役者間での合意、常置委員会での協議を基に、「礼拝・公祷の一斉休止」を解くことと致します。
 しかしながら、この「礼拝・公祷一斉休止」解除は「一斉執行」ではなく、「一斉休止」を解くものであり、慎重な予防対策を条件に、7 月4日(聖霊降臨後第六主日)より各教会・礼拝堂の置かれた状況に応じて礼拝・公祷の開始を可能とするものであることをご理解ください。
 これまでも、常置委員会、聖職会、各教会・礼拝堂教会委員会等で、礼拝・公祷の段階的再開へ向けての様々な話し合い、シミュレーション、工夫を積み重ねて頂いて参りましたが、今般、オリンピック・パラリンピックの開催もあり、再び感染拡大の懸念もある中、自分のためだけでなく他の方がたのいのちをも守るために、キリストの教会として、くれぐれも慎重な判断や対応を実施して頂くよう、重ねてお願い致します。

 再開の日程や方法等につきましては、各教会・礼拝堂ごとの現状把握および判断を尊重することとし、聖餐式に限らず、礼拝形式に差異が生じる可能性がありますこともご承知ください。なお、再開状況につきましては、総主事(高橋顕司祭)宛お知らせください。「礼拝・公祷の一斉休止」を解きましても、状況により直ぐに再開が出来ない教会、あるいはしないという判断をされる教会、また聖堂や礼拝堂に来られない方も少なくないこと、ワクチン未摂取者、あるいはできない、しないと判断されている方がたがおられることを心に留め、そのような方がたへの配慮を忘れずにいたいと思います。そして、一層深く互いに祈り合いながら、この局面を共に歩んでいきたいと思います。
 再開に際しては、別途記載の「感染防止要件確保の確認」の項目の確認と遵守をお願い申し上げます。

 社会との接点の中でのいのちと生活を支える尊いお働き、殊に社会福祉施設、医療施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働き、社会生活の営みを支えるお働きと、そこで献身していらっしゃる方がた、関係者のためにもお祈りを捧げます。私たちは各々の生活の場にありながらも祈りを通しての繋がり、強さ、そしてその大切さ、キリストの体という共同体の信仰の素晴らしさを深く心に刻んでおります。
 感染症に罹った方がたの一日も早い回復、医療の最前線で力を尽くしておられる方がたの献身的なお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、この危機の収束を切にお祈り致しましょう。私たちは場所としての教会・礼拝堂には集まれずに過ごしてきましたが、祈りの連帯の内に神様のいのちの息吹を頂き、共に生かされている、このことを謙虚に、そして感謝をもって心に刻みたいと思います。

 まだコロナウィルス感染症の収束迄には時間がかかりそうですが、私たちは、新しい生活様式を工夫し、状況にあわせながら、神様が教会に託されている働きを続けてゆきたく祈ります。誰もが感染者となる可能性があることを常に心に留めつつ、今後も信仰と希望と愛を失うことなく、一層の配慮を必要とする人びとや弱くされている立場の人びとへの
配慮を忘れぬよう努めたと思います。

主が憐れみをもって、私たちの悩みを顧み、愁いと恐れを取り除き、み顔の光によって私たちに主を仰ぎ見る力と希望を注いでくださいますように アーメン

「感染防止要件確保の確認」の項目
* 礼拝・公祷に出かける前に(当日および前日)
 1 風邪のような症状がある時や体調や気分が優れない時は自宅で待機ください
 2 礼拝前日、当日の体温測定をお願い致します
   (平熱より一度以上高い際には、外出をお控えください)
 3 公共交通機関の利用は、できるだけ避けるようお願い致します
 4 マスクを必ずご用意ください。また、水分補給等にも十分留意ください
 5 外出しない、出かけないという判断、決断も大切にします。移動手段などを含め、
  礼拝出席に不安のある方、基礎疾患のある方やご高齢の方などは無理な外出はお控
  えください
 6 徒歩圏内の近隣の教会など、所属教会以外の礼拝に参加希望の際には、出席予定日
  前日までにその教会に連絡を取り、参加の許可を得るようにしてください

*礼拝・公祷について
 Ⅰ 礼拝堂・聖堂の環境(密閉・密集・密接回避の徹底)の整備
 Ⅱ 手洗・消毒・マスク着用等の適切な対応での礼拝出席、および礼拝前の検温・奉仕
  者の手洗・消毒の徹底
 Ⅲ 礼拝回数・聖歌曲数・礼拝式次第の工夫(場合により祈祷書の選択的使用)
 Ⅳ 聖餐式を行う場合の「平和の挨拶」「陪餐方法」等は主教座聖堂「聖餐式での感染
  症対策」を準用しての対応
 Ⅴ 聖堂・礼拝堂、礼拝用品、礼拝用書等の清潔な扱い
 Ⅵ 礼拝出席者数・年齢構成・来会方法(利用公共交通機関)への配慮と対応
 Ⅶ 礼拝出席者の記録(万が一の際の感染経路確認のため主日のみならず平日の礼拝等
  人の出入りについても、必要な期間記録しておく)
 Ⅷ 体調不良時の礼拝出席自粛の促し(無理な外出、不安時には、礼拝出席を控えるこ
  とへの促しと安心感を与える配慮)
 Ⅸ 礼拝(公祷)後の速やかな解散、沈黙の励行、また当面の愛餐会等飲食の休止
 Ⅹ ご葬儀等を行う場合については、感染症対策の上で執行可能
 Ⅺ 家族や少人数での礼拝や記念式、病床、ご自宅での聖餐を行う際には、当該施設や
  ご本人、ご家族との十分な連絡、配慮の上で実施

*礼拝以外の集会等および連絡対応について
・先ずは礼拝・公祷再開に焦点を置き、その他の集会は極力必要なもののみとし、出来る
 限りオンラインの活用等を勧めること
・AA等の依存症自助グループ、給食活動等の対社会的、且つ命に関わるものの実施は寧ろ
 必要であり、十分な配慮、工夫の上実施可能とすること
・礼拝・公祷再開後、クラスターが生じた際には、速やかに教会、及び教区事務所(高橋顕
 総主事)宛に通知すること、その際、プライバシーには配慮し、感染経路確認等に協力、
 対応すること
・教役者が感染した場合には、所定の消毒作業終了まで教会を閉鎖すること

 

主教教書(22) ご復活の時にあたり

2021年3月29日

主教 フランシスコ・ザビエル 髙橋 宏幸

驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレ人イエスを捜しているのであろうが、イエスはよみがえって、ここにはおられない」 (マルコによる福音書第 16 章 6 節)

 依然としてコロナウィルス感染症の猛威や恐れ、不安に取り囲まれています。
 数字を見ますと、光が見え始めたかと思うと暗闇の中に放り出されたかのような落ち着きどころの見えない日々を過ごしています。しかも、更なる乱れや心の変化も生じ、振り回されているように感じます。日々の生活や仕事のこと、人間関係のこと等々、問題や不安は幾らでも沸き起こってきます。
 しかし、この状況に在っても、二千年程前、女性たちに投げかけられた天使の言葉「驚くことはない」「恐れることはない」は響き続けます。あの時だけの、今や過去の言葉ではありません。イエス様は復活され、その復活のいのちに今も私たちは包まれているからです。

 当時、亡きイエス様に亡骸の処置に向かった女性たちを包み込んだのは、この「驚くことはない」「恐れることはない」という神様のいのちの言葉です。しかし、当初女性たちは恐ろしさゆえに震え上がり、正気を失っていましたが、それは神様による心の平安と平静と本来の自分を取り戻すことへの入口でした。復活のイエス様がそれまでと変わらず自分たちの傍らに、いのちの営みのただ中にいらっしゃることに気付かされ始めます。

 天使はさらに伝えます。「さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。あの方は、あなたがたより先にガリラヤへ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる」と。イエス様は公生涯に入られる際、ガリラヤからヨルダン川へ来られ、洗礼を受けられました。弟子たちをお召しになる時、それはガリラヤ湖を歩いていらした時のことでした。ガリラヤ中を巡り、福音を宣べ伝えられ、人びとの病を癒されました。水をぶどう酒に変える最初の奇跡を行なわれたのも、ガリラヤのカナでした。女性たちに天使は弟子たちへの伝言を授け、イエス様に従い、倣おうとする弟子たちはガリラヤで甦りのイエス様に出会うべく導かれます。ガリラヤ、それは「神様の働きの原点・出発点」と言えましょう。

 かつてイエス様が受難予告をされ、それがとうとう十字架という姿をとったエルサレムでは、弟子たちは恐れと不安のただ中にいました。しかし、ガリラヤという、かつてイエス様と過ごし、働き、教えを授かった場所、「信仰の原点・出発点」は、それまでと一転して励ましに与る、復活の力に与る場所となりました。今は亡き過去の方ではなく、復活のイエス様との再会の場所となります。女性たちも弟子たちも、イエス様の甦りによって驚きと恐れから平安へと引き戻され、導かれ、原点からの再出発を授かりました。

 イエス様のメッセージは「驚くことはない」「恐れることはない」と、とてもシンプルです。しかし、甦りのイエス様に出会った後、一切の悩みや苦しみが消え去ったわけではありませんでした。弟子たちは迫害を受け、過酷な状況に在りました。しかし、復活の恵みと力、勇気と励ましの恵みを注ぎ込まれ、幾多の困難に向かっていかれるように変えられました。復活のいのちに与り始めたからです。

 コロナウィルス感染症の危機が今後いつまで続くのか、専門家でさえ絶対確実な答えは出せないようです。しかし、はっきりしていること、それは復活のイエス様の力に私たちは与っていることです。「驚くことはない」「恐れることはない」というイエス様からの声、なぜなら「わたしが共にいるから」という心をいただいていることです。復活された主イエスと共に、この不安な中に在っても、不安の中に在るからこそ、祈り続け、イエス様との歩みを続けましょう。

 罹患された方がたの回復、医療現場に於いて命がけで献身、従事しておられる方がた、エッセンシャルワーカー、社会福祉施設、高齢者施設、幼稚園、保育園等のお働きと、そこで献身していらっしゃる方がたのお働き、生活上の不安、困難を余儀なくされている方がたへの支え、ご逝去された方がたの魂の平安と悲しみの内にある方がたへの慰め、そしてこの危機の収束を切にお祈り致しましょう。
 また、罹患された方がたへの偏見や差別に陥らぬよう併せて祈ります。

 一日も早い収束と安心、安全が取り戻されることを祈り合いたく切望しつつ、皆さまお一人お一人の、そして世界の平和をお祈り致します。