ニュースレター「いのちの海と空と大地」35号発行/第7次エネルギー基本計画を閣議決定/「核ゴミ」処分場選定作業の現状・問題点など
ニュースレター「いのちの海と空と大地」35号を発行しました。
どうぞご覧ください。このニュースレターは聖公会の各教会にも配布されています。
35号 コンテンツ
- 第7次エネルギー基本計画を閣議決定
- 『核ゴミ』処分場選定作業の現状・問題点など
- 福島・相⾺高校放送局の演劇「今伝えたいこと(仮)」(北海道新聞2025年3月17日朝刊より)
35号の「原発関連用語あれこれ」
エネルギー基本計画とは
エネルギー基本計画は、日本のエネルギー政策の方向性を示すもので、3年~4年ごとに見直されます。エネルギー政策基本法が2002年に公布・施行されましたが、この基本法に基づいて政府が策定します。第1次基本計画は2003年に閣議決定されました。
第7次エネルギー基本計画とは
第7次基本計画は2025年2月18日に閣議決定されました。2021年の第6次基本計画では、「原発依存度を可能な限り低減する」としていたものが、「原子力を最大限活用する」に改められました。また「必要な規模を持続的に活用していく」としています。国の原子力政策が、原発推進に大きく方向転換したと言えるでしょう。
核のゴミ最終処分場(地層処分場)とは
原子力発電所で使われた使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出した後に残る廃液をガラスで固めた高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)を地中に閉じ込める施設です。「核のゴミ」を閉じ込める処分方法は2000年に制定された「最終処分法」に定められていて、地下300メートルより深く埋めて最終処分することが法律で決まっています。
人間が近づいても安全なレベルまで放射線量が低減するのに数万年以上もかかります。

「核のゴミ」処分場選定作業

「科学的特性マップ」とは:
火山活動や断層活動などの自然現象の影響や、地下深層部の地盤の強度や地温の状況など、地層処分に関する地域の科学的特性を、既存のデータに基づいて全国地図で示したものです。
2017年7月に経済産業省資源エネルギー庁が提示しました。

「文献調査」(第1段階)とは:
原子力発電で出る「核のゴミ」の最終処分場の選定に向けて、地質図や学術論文などの文献やデータをもとにした机上調査です。調査期間は2年程度とされています。
自治体から原子力発電環境整備機構(NUMO)に応募するか、国からの申し入れを受諾することで開始されます。
「概要調査」(第2段階)とは:
「文献調査」に続く調査で、地表から物理調査やボーリング調査を行い、処分場に適した地質環境かどうかを調査します。調査期間は4年程度です。
「概要調査」(第3段階)とは:
「文献調査」、「概要調査」に続く第3段階の最終調査で、「概要調査」よりも高精度かつ緻密に物理探査、ボーリング調査等を行います。その後、地下に調査施設を建設し、岩盤や地下水の特性等に関する調査・試験を行います。調査期間は14年程度です。
※調査の実施機関は原子力発電環境整備機構(NUMO)です。
地方自治体に渡る交付金
「文献調査交付金」:
第1段階の「文献調査交付金」は、「文献調査」を実施する自治体に交付されるもので、文献調査期間中に最大20億円(単年度上限10億円)が交付されます。
「概要調査交付金」:
第2段階の「概要調査交付金」は、期間最大70億円 (単年度最大20億円)が交付されます。