ニュースレター「いのちの海と空と大地」25号発行/「『脱原発』の『樋口理論』」「『核のごみ』最終処分場選定のための『文献調査』の『評価基準』」

ニュースレター「いのちの海と空と大地」25号を発行しました。
どうぞご覧ください。このニュースレターは聖公会の各教会にも配布されています。

25号のコンテンツ

「脱原発」の「樋口理論」

2014年5月、関⻄電⼒⼤飯原発(福井県おおい町)3、4号機の運転差し止めを求めた裁判で、福井地裁は「原子炉を運転してはならない」とする判決を下した。この判決を書いたのは、福井地裁の裁判⻑だった樋口英明さんである。東京電⼒福島第一原発事故後、初の運転差し止め判決であった。

樋口さんが判決を書くに当たって最も確信を持ったのは、地震に対する原発の脆弱性であった。「当たり前」との確信に基づく判決の論法は「樋口理論」と呼ばれる様になった次の5段階である。

1. 原発事故のもたらす被害は極めて甚⼤である
2. それゆえ、原発には極めて高度の安全性が求められる
3. 地震⼤国日本において原発に高度の安全性があるということは、原発に高度の耐震性があるということに他ならない
4. だが、日本の原発の耐震性は極めて低い
5. よって原発の運転は許されない

本文より一部抜粋

「核のごみ」最終処分場選定のための「文献調査」の「評価基準」

北海道後志管内の寿都町と神恵内村で、2020年12月に始まった「核のゴミ」最終処分場選定の
ための NUMO(原子⼒発電環境整備機構)による「文献調査」は2022年12月で予定の期間を終了し、結果を報告書に纏め、国や関係自治体、道などに報告する。同時に、次のステップである「概要調査」の事業計画の申請へと進めることになる。経済産業省は22年11月29日、調査結果の「評価の考え方」(評価基準案)の検証のための審議会を開いた。(中略)

こうした評価基準がなければなし崩し的に次の概要調査に進む懸念があるとの意見が出たことから、改めて設置されたものである。(中略)

一方、最終処分場の選定については、現状、寿都町と神恵内村の2カ所でのみ文献調査が行われたのであるが、科学的特性マップが作成されたように、全国から候補地を選定し最近適地を絞り込みたい考えがあったはずである。このまま、北海道の2カ所にのみ調査が進んだ場合、最適な処分場の選定とはならないであろう。

本文より一部抜粋